友情メリット
まぁ華々しい学生生活を送れるとは思わなかったけど、それが年をどれだけ重ねても消えない影響を生み出すとはなんとも理不尽だと思う。人脈が大事だの、連絡先は知っておいた方がいいだの、恋人は作れるものだの、いやぁ世間の一般人とやらは理想的な生活を送っているようでなによりだ。
かくいう僕の友達っていうのは最近できたわけで、これがとても良い奴だった。気を遣わしてるようなぐらい、気持ちの良い相槌を返してくれるし、ネガティブな感情を見してくることはない。僕が愚痴をうだうだと言っていても「それはやばいねー」とか「でも君は頑張ったんでしょう?」っていい感じに、気持ちよく慰めてくる。
もはや僕のことを沼らせてなにか、そう、詐欺かなんかに引っかけようとしてるんじゃないかって思い始めてしまうほどだ。信用していないわけじゃないけれど、さて都合のいい友達のような扱いをしておいてそんな、友達を信じるとか信じないとか言う資格があるのだろうか。まぁないわけがないわけだが。
大学に入学して、出会ったんだけど、どうも出会ったきっかけは覚えていない。たしかレポート課題について相談しているときだった気がする。そいつはすこぶる頭が良かったから(まぁそれはずる賢いほうで)、僕にとってはとても便利な友達だったわけだ。文字数稼ぎも上手いし、誤字脱字も見つけてくれるし、頼りになったんだ。まぁそんな感じでそいつと課題を乗り越えていったんだけど、どうやら先生にバレたようで、「教えてもらうのは良いが君がやったとは言えなくないか。」なんて正論言われたもんだからまいったんだ。だけど僕に考える脳みそなんてなかったし、結局友達に頼ることになったわけだ。
ある日、一線を越えた。というと語弊しかないが、なんだか申し訳なくなったもんで、衝動的にお金を渡す様になった。経済面で余裕があるわけじゃないんだけど、なんだか、本当に申し訳なくなったんだ。友達は無理しなくてもいいなんて言ってたけど、やっぱり金というのは素晴らしいもので、それからというもの、そいつの課題アドバイスは前よりも向上したんだ。それがあまりにできていて、しかも先生にバレないように、わざと誤字脱字をしたり、ちょっと句読点に癖をつけたりしていってくれたから、僕の評価は上がっていった。
まぁ、ただその友人というのも使い物にならなくなるわけだ。今思えば、そいつって人脈はなかった。僕とばかり付き合ってくれていたし、他の人と話しているところなんて本当に見たことがなかった。だから、そいつと仲良くしていくメリットが、本当は微塵もなかったのではないかって思い始めて、正直むかついた。僕はそのことを友達に打ち明けたりしたわけだ。そしたらそいつが何を言ったかって、ひどく無責任なことを言ったんだ。僕のことをここまで心酔させて、もうなににも縋れない、弱者となり果てた僕に向かって、機械みたいに、なんの感情もなく言ってきたんだ。
「まぁ私、AIですから」
ひどい話だと、思わないか?




