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7滴目「千日紅①」

檸音が2人の写真を投稿したことをきっかけに大喧嘩をしてしまった葵と檸音。その喧嘩の訳には2人の事情が深く関係しているようで、、、

キーンコーンカーンコーン


ガサツいた音質のチャイムが教室に響く

帰りのホームルームが終わってクラスの皆が

次々と部活に行ったり家に帰りだす


「おーい葵!またなぁ!」

「うん、またねー」


クラスの友達は知らない

さっきのお昼休憩に大喧嘩をしたことなんて


「あ、檸音、、、」


隣の教室からでてきた檸音が廊下を歩いていく

いつもなら僕を耳がキンキンするくらい大きな声で

呼んでくれて一緒に帰るのに


今日はこっちを見向きもしないで帰っていった


「、、、別にいいし」


僕は机の中の教科書を乱雑に鞄に詰め込んだ

さっさと帰ろう


「ちょっと!あおい!」


突然教科書を詰める手を掴まれた









「、、、瑞希!?」










汗だくの瑞希が僕の腕を掴んでいた


瑞希のいる教室は僕の教室がある棟には無く

別棟にあるため距離が遠い

そのせいで走って来て汗だくになったのだろう


「な、なんでここにいるの?部活は?」

「サボってる、あんたらの様子がおかしいから」

「いやいや!部活行きなよ!僕達なんかに構わないで、、、」




「うるせぇよ!!」




教室中に瑞希の声が響く

他のクラスの子達は部活や帰宅しているため

教室には僕たち二人しかいない


「なんでそうやって自分だけで解決しようとしてんの!?もっと他の人に力借りなよ!!」


瑞希は涙目で話した


「私はさ2人のこと昔から知ってるから今回のことも何があったのかだいたい予想がつく、だからこそ!もっと私を頼ってよ!!協力させてよ!!」


「瑞希、、、」






なんで






なんでこんなに昔から優しいんだろう





僕たちの関係が悪くなったら

いつも助けてくれていたのは瑞希だった

だけどもう僕たちも高校生だから自分たちで

解決しないといけないと思って



いつの間にか瑞希に頼らなくなっていた



瑞希は昔から友達思いで

友達のためなら涙だって拳だって出してくれる子だった


「、、、ごめんなさい高校生になってまで瑞希に頼ってばっかじゃダメかなって思ってて、、、」

「、、ううん私も変に気持ちが高ぶっちゃった、ごめんね」


僕はみずきに喧嘩した経緯を全て話した


「うんうん、思ってた喧嘩内容と違った!」

「なんだよ、だいたい予想がついてたんじゃないの」

「えっへへ笑さすがにそんなにエスパーみたいなことは出来なかったや」


赤く腫れた目を擦りながら瑞希は笑った


「じゃあさ単刀直入に聞くけどさ」









「なんで葵はそんなに周りの人に関係がバレたくないの?」









やっぱし瑞希は変に勘がいい



「、、、少し前のことなんだけどね」



〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎



「ただいまぁ」


「おう葵か、おかえり」


「あれ、父さんじゃん!今日は帰るの早いね!」


「ほんとに、おかげで見たいドラマ見れないじゃん」


「おいおい由希奈そんな言い方はないだろぉ」


「なんのドラマが見たかったの?姉ちゃん」


「アタシの好きな俳優が出るやつ!、、これ![ブルーステップLove]!!」


「あーこれかぁ、、、」


「なによ父さんもしかして知ってんの!?じゃあチャンネル変えてよぉ!」


「いや〜だってそのドラマさぁ、、、」






「男同士がイチャイチャするやつだろ?」



「ちょっと!そんな言い方しないでよ!アタシの好きな子出るんだからぁ」


「いやだってさぁ、男同士だぞ?そんなん()()じゃないじゃないかぁ、それにさ、、、」













「単純に気持ち悪くて嫌いだな」








「何よその言い方サイテー、二度と父さんとはドラマの話しない!」


「だってそうじゃないかぁ、普通恋愛ってのは男と女がするもんだ!!そうだろ?あおい」


「え?あーえっと、、うん」


「ほらー葵もそう言ってるじゃないかぁ」


「ほとんど父さんが言わせてるじゃない」



「まぁまぁ、葵はこんなヤツらにならないよなー?」


「、、、、あ、当たり前じゃん」


「そうだよなぁ!いやーお前が()()()()()でよかったぞー」


「・・・」



〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎


「、、、なにそれ葵パパヤバくない?」

「まぁ、父さんも悪気は無いと思うけどね、それに確かに男同士の恋愛は普通じゃないし、、」

「あのさぁ普通ってないからね!?そうやってすぐに弱気になるな!!」

「イ゛ダッ!」


瑞希は僕の鼻を思いっきりデコピンで弾いた


「要するに葵は葵パパに檸音との関係がバレたくないから写真を消して欲しかったってことでしょ?」

「うん、、、」

「じゃあそれを檸音に伝えればよかったじゃん!なんで渋ってんのさ」

「だってさ、、、」






「心配かけたくなかったんだもん」



「心配って、、、檸音がそんなに気にかけると思う?アンタ考えすぎじゃないの?」


「いやだって最近の檸音大変そうなんだもん、体を怪我したから部活やめたり、最近風邪をひいたのか知らないけど薬を飲んでるらしいし、そもそも檸音の家庭事情も複雑じゃん、だから、、、」


「あーもう!なんかイライラする!!いい!?あんたは考えすぎなの!!」

「部活やら風邪やら家庭環境やら、アンタのそのひとつの問題でなんにも変わんないんだからね!?」


瑞希は少し怒り口調で言った


「確かに檸音の家はママが早くに亡くなっちゃったから檸音も忙しそうにしてるけど、アンタの親バレと比べたらアンタのその相談は屁でもないんだから!」


「、、、そうなのかな」


「そう!だからさっさと檸音に話して仲直りしてきなさいよ!!あっちの投稿した理由は聞いてみないと分からないけど、、少なくとも早く仲直りすることに越したことはないんだから!」


「、、そうだね、僕なんか自分のこと大袈裟に考えすぎちゃってたかも、そのせいで檸音に色々当たっちゃった、、、、」


「いやいや、私の前でメソメソしても困るわい、ほら明日さっさと檸音と仲直りしてきな!」


「うん、ありがとう瑞希!!」


「あ、そうそう!アンタらにこれあげる」


そう言って瑞希は花柄のアクリルキーホルダーを2つくれた


「この花って」









「[千日紅(センニチコウ)]、花言葉は[永遠の愛・色褪せぬ恋]、私キーホルダー作るの好きなんだよねぇ」







「綺麗、、、、」




「アンタ達もこの花言葉みたいな関係に早く戻しなさいよ」


そうして瑞希は遅れて部活へ行った


僕はポケットにアクリルキーホルダーを入れ

教科書の詰まった鞄を軽々担いで家に向かった


瑞希の言う通りたしかに僕は重く考えすぎていた

と言うよりも自分のことを大袈裟にしすぎていた

親バレなんていつでも檸音に相談できることなのに


変な気遣いとプライドのせいで檸音と

喧嘩にまでなっちゃったし

檸音にたくさんあたっちゃった、、、





謝りたい





明日すぐに檸音に謝ろう


そしてちゃんと全て話そう




〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎




『、、、なんだよアイツ』



ガチャ



『、、、、ただいまぁ』

「おう檸音帰ったか、さっさと母さんに、、」

『分かってるよ!』

「、、、おい、檸音?」


7話目いかがでしたか?

いやーナイスファインプレーでしたね瑞希!!おかげで葵の決心が着いたようです、無事仲直りできるといいですが、、、それにしても檸音、家に帰っても機嫌が悪いようですね、、、大丈夫でしょうか?

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