表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/13

 女性から聞いた場所に行き、咲屋満月のお骨が収められた墓石に手を触れる。

 見えて来た光景は、咲屋満月が息を引き取る時の物だった。


 周囲に誰も居ない自室の布団で休んでいる咲屋満月が「ごめんなさい」と、かすれた声で呟く。

 母も父も、生活の為に仕事へ行っているのだという事が、彼女の記憶から分かった。

 この日が最期になると思わなかった咲屋満月の両親は、人が居ると眠れない彼女が眠れるよう、普段通り一人にしていたらしい。

 咲屋満月の弟である吉平さんが息を引き取った時は、近所の人が吉平さんの様子を見に来てくれていたようだ。

 天井を見たままの咲屋満月が、口を開く。

「人を殺した私は許されない。でも、もし来世が有るなら、今度は、あの子を生かし、守る人でありたい」

 目を閉じた咲屋満月の視界は暗く、何も見えなかったけれど、頬を涙が伝うのを感じた。

「私が殺されれば良かった」

 咲屋満月のその声を最後に、記憶は見えなくなった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ