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夢の中で、おれが命を落とした場所に、前世のおれの骸は埋められている。
確信を持てた時、おれは十五歳になっていた。
休みを利用して、前世の自分の遺体を探しに行きたい。正直に話したら、母は「あなたの人生だから、好きにしなさい」と送り出してくれた。
カバンの中には、出かける時、母が持たせてくれたお弁当が入っている。
人里離れた山奥。前世のおれが逃げ込んだ場所。
夢の中で住んでいた所の近くだという事は分かっていたので、朝一番の電車に乗って移動した。
目的の駅に近くなった時、車窓から見えた山を目指す事にしたけれど、今、暮らしている家からは少し遠かったので、自宅に帰る頃には夜になっているだろうと思った。
夢の中で自分が逃げ込んだ場所へ向かい、前世のおれが埋められた場所を探す。
ここだと思った地面に触れた時、おれは前世の自分が埋められるまでの、最期の光景を見た。






