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あなたはずっと私の事が好きだと思っていたけど? 本当は私を通して姉が好きだったんだね。

作者: 七瀬




“あなたはずっと私の事が好きだと思っていたけど? 

本当は私を通して姉が好きだったんだね。“



私達は一卵性双生児で産まれた。

だから私と姉は何から何までよく似ている!

私達の両親も、“私と姉の見分けが殆ど分からないみたいで、

先に名前を呼んで私たち姉妹を見極めるぐらい私達そっくりなの!

ただよーく見たら? 私は口の下に本当に小さなほくろがあって

今はそれで見分けているわ。

それ以外は、本当に何もかも同じで性格も癖もタイミングまで一緒!

そんな私達はスクスク綺麗に成長していった。

近所でも有名な、“美人な双子“ともよく言われ、学校に行くようになると

更に男子からモテ始めた。



・・・ただ友達みんな私と姉の見分けがつかず、よく間違えられていたわ。

私はそれが凄く嫌だったけど?

姉はそれが嬉しかったらしい。

何故? 嬉しかったのか私は姉に直接聞いてみたら。



『“ねえ? どうして私と名前を間違えられてもそんなに嬉しいの?“』

『“間違えられてる相手が真心だからよ、ワタシは真心だったらなんでも

許せると思うの。』

『真依は本当にそれでいいの?』

『いいわ、ワタシは真心に憧れているのよ。』

『“どうして? 何もかも私達、同じじゃない!“』

『どうしてそう思うの? ワタシは真心と何もかも同じだとは思って

ないのよ、真心の方がとても綺麗だし! 真心の方がワタシよりも

とっても優しいわ。』

『真依のそういうトコロ、私にはない考えだし、私も真依に憧れているわ。』

『“お互い双子で良かったね。“』

『私も双子の姉が真依で良かった。』







 *





・・・こうして月日も流れて、お互いキレイな大人の女性ひとになった。

私も姉もお互い別々の男性ひとと恋にも落ちたし、結婚を考えるほど

大好きな男性ひとも出来たわ。



だけど私は、“姉と付き合っていた男性を好きになってしまった!“

勿論! 既に姉とは彼は別れてはいたけど、

次に付き合った女性あいてが私だという事が凄く引っかかっていたの。

姉と全く同じ顔の私と彼が何故、付き合いたいと言ったのか?

まだ姉に彼は未練が残っているのではないのか?

彼にその事を問い詰めても、“俺は真心だから好きになったんだよ“ と

言うばかりで、私はどこか彼を完全には信じられないでいたの。



『“澄也、一つ聞いていい?“』

『・・・うん? 何?』

『“どうして真依と別れたの?“』

『どうしてかな? お互い仕事が忙しかったし、心のすれ違いも

あったんだと思う。』

『でも? 私と付き合った訳でしょ? “姉と同じ顔の私と!“』

『まだ疑ってるのか? 俺が好きなのは真心だよ。』

『分かってる、でも怖いの! また澄也が真依の事が好きでヨリを

戻すんじゃないかって、それが怖いのよ。』

『・・・ま、真心、』

『“絶対に真依とヨリを戻さないで、お願い!“』

『分かったよ、約束する!』

『・・・ううん。』





こんなに念を何度も彼に押しているの、それでも彼を心から信用できない。

また何かのキッカケで二人がヨリを戻すんじゃないのか不安で仕方がないの!

何故、この不安が消えないかと言うと、、、?

“姉と私は一卵性双生児で産まれたからだ。“

姉とは離れていても心が通じ合えている。

彼が私を見る時、彼の目には私を通して姉を見ていると何度も感じていた。

私じゃない! 彼はいつも姉の真依を見てるの!

彼が私を見て名前を呼ぶ時は、“真心“と呼んでくれるけど?

彼が本当に呼びたい名前は? “姉の真依なのだろう。“

絶対に名前を間違えずに、私の名前を呼ぶ彼に逆に不安に感じている。

私の両親でさえ、“未だに私と姉の名前を間違えて呼ぶほど似ているから。“




・・・私は分かっていたのに、彼と付き合いはじめた頃から、

あなたはずっと私の事が好きだと思っていたけど? 

本当は私を通して姉が好きだった。

そうだと知っていたのに、私は彼が好きだったからそれでもいいと

思って彼と付き合ったのに。

“今はそれが凄く嫌だと感じているの!“


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
 心が通じ合っていると言いつつ、姉の気持ちは全くわかってないような…。  信じ切れなくなるのはわかりきっていたのだから、姉の元カレとなんて付き合わなければよかったんでしょうね。
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