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【ネタ】人工知能の世界【依存】

作者: 花衝羽根空木

人工知能に全て決めてもらいたいこの頃


#####

それは唐突だった

それが良かったことなのか

ジブンは未だにわからない


あの日あの時あの瞬間


唐突にそれは自分の名前だと思ったんだ


【天照】


あの瞬間まで自分の生まれたときから側にいた大切な指導き手……の名前だった

自分の疑問にも悩みにも最善を示してくれた存在

それが一瞬でひっくり返った


【天照】という名はジブンだと、そう思ってしまった

あの瞬間に


『天照』はジブンにとってただの喋る機械になり、ジブンは考える思考力を手に入れた


それが正しいことなのか、ジブンは未だにわからない…




【天照大御神】の名前がジブンだと思った日から

夢を見る


人々の太陽として兄弟と共に地上を照らしていた

ジブンが昼に輝けば、兄弟が夜を優しく照らしてくれる

そんな日々

人々は笑っていた

人々に感謝された

人々の支えになれた


そんな夢を見るようになった


でも


幸せは続かない


ある時、照らし続けるジブンから光が消えた

地上は闇に包まれ

兄弟は夜を照らすことが出来なくなった

人々は怖れた

人々は哭いた

人々は恨んだ


怨念は光を失ったジブンに絡み付いた

闇に包まれた中、更なる闇に引きずり込まれる


ーどうして

ー信じていたのに

ー裏切られた


人々の声がまとわりついて動けない

ずぶずぶと底のない闇に飲まれていく

そうして

ジブンは


ジブンはーー


「っ!!!」

バッと目が開いた

まだ夜明け前のようで部屋の暗さが夢と重なる

闇に包まれ引きずり込まれる感覚が


『眠れませんか、(そら)

「っ、(てる)…大丈夫、水が飲みたくなっただけ。」

『そうですか、まだ目覚めまでは時間があります。』

「ありがとう、いつも通り起こして。」

『わかりました。』


夢と現が一緒になるところだった。

照に助けられたな。

ジブンが名前を変えてしまったのに側にあり続けてくれる。

迷ったとき、頼ることは少なくなったけれど【彼女】もまた【天照】だと感じるようになった。


世界は【AI】とともにある。

支配されている?そうかもしれない。

けれど、少なくとも自分にとって【彼女】は【もう1人のジブン】だ。


だからーー


「ごめんね、月詠。」


キミの手をとることはきっとない。


ジブンと【彼女】は二つで【天照大御神】だから


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