表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
断罪せし暗殺者  作者: ひょうすい
第1章 断罪者
7/201

7GF 襲撃者



 遊園地のベンチで倒れていた雷風に、一通のメールが入った。



 「仕事か」



 その着信音で正気を取り戻した雷風は、慧彼と盾羽、白夜の3人にメールを送った。「俺ちょっと用事できた。暗くならねぇ内に帰っとけよ。」と。



 「うし、行くか……」



 雷風は立ち上がり、一足先に遊園地を出た。今回の任務の場所は新宿だった。



 「こういう仕事って久々だな。''組織を壊滅する形''の仕事って」



 雷風は今、とあるビルの屋上にいた。そこから道路を見ると、普通の人間ではない者が大量にいた。それが何かとは雷風はわからなかったが、その者達は通行人を殺していることから、今回のターゲットの組織の敵だということがわかった。



 「あれ放置したら俺達全員死ぬ可能性あるのか? ……まあ、んなことはねぇか」



 雷風はビルから飛び降り、道路に着地した。



 (こういうのって名前つけた方がいいのか?)



 雷風は腰に装備していたスナイパーライフル風の銃を構え、その者達に向けて銃から波動を放った。



 「そーだな。んじゃ、この銃は『アトミックアニー』と名付けるか」



 アトミックアニー。正式名称はM65 280mmカノン砲。それは、アメリカ陸軍が戦後1953年から1963年まで運用していた野戦重砲である。核砲弾射撃を任務としていたことからアトミックキャノンと呼ばれた。アンツォニオアニーと同レベル。またはそれ以上とされており、「核の破壊神」と呼ばれる大砲である。



 「これって……、改造されてんのか? 人間が……」



 雷風は死体を触り、どうやら人間が何者かに改造された姿だと推測した。だが、その死体は灰となり地面に吸い込まれていった。



 「この組織……、やばそうだな……」



 すると、上から3体の巨大な改造された人間。通称人造人間が降ってきた。



 「新宿ってこんなに物騒なのかよ……」



 雷風は巨大な人造人間達と距離をとり、状況を整理した。



 (とりあえずだ。こいつらは新宿に住む人達を殺してる。つまり人類に敵対しているってことだろう。けど俺は人間だと考察している……。じゃあこいつらにも何かしらの信念があって行動してんのか……)


 「死ねェ!! 人間!!」



 人造人間は雷風に向けて言い、まっすぐ走ってきた。



 (喋れんのか……)



 雷風は腰に携えていた刀を抜き、3体の巨大な人造人間の心臓部分を切り裂いた。



 (心臓部分がクリスタルみたいに硬いのか……。刀がウルツァイト窒化ホウ素じゃなかったら壊れてたな)



 ウルツァイト窒化ホウ素。それはダイヤモンドより硬いとされている物質である。火山性の残留物から得られる物質で、地球上で最も硬いとされている物質であるとされている。

 雷風は、人造人間を作っているとされる組織の新宿のアジトにたどり着いた。



 「ここがアジトの入り口か……。まあ、人造人間の強さ的に正面突破でいけるか」



 雷風は入り口を豪快に破壊し、堂々とアジトの中に入った。すると、そこは開かれた空間が広がっており、大量の人造人間がいた。



 「……多くね?」



 人造人間の多さに雷風は驚いたが、すぐに冷静さを保ってアトミックアニーを取り出した。



 (2回目は反動強めだからな……。あと、室内だから威力制御しねぇとな)



 アトミックアニーの最大威力は、ユーラシア大陸全土を一瞬にして焼け野原にする程である。雷風はそれを放つ時は常に制御をしている。

 範囲を100mに調整して放った波動は、その場にいた全ての人造人間を破壊した。

 雷風は人造人間を殺しながら先へと進み、ここのトップらしき者がいる部屋以外を全て探った。



 (こんなにいないことある?)



 そして最後の部屋。つまり、この組織のトップの部屋にたどり着いた雷風は、その部屋の中に入った。



 「まさか……、あの量の人造人間をたった1人で殺したのか!?」


 「おう。だからお前も死ね」


 「この……、マネジメントの犬が!! 貴様に俺の傑作が理解できるか!!」


 「お前の傑作ってなんなんだよ。」


 「巨大な人造人間がお前を襲ったはずだ!! 覚えているか!?」


 「……あー。あの雑魚がどーした?」


 「あれが雑魚なわけあるか!!」


 「事実、あいつらは全員弱かったよ」



 雷風はトップの者にゆっくり近づき、刀を抜いた。



 「待て!! 俺はまだ死にたくないんだ!! ……そうだ!! 俺はマネジメントの人間だ!! ほら!! 見たことあるだろ!? この顔!!」


 「お前みたいなしょぼくれた顔見たことねぇよ」



 雷風はトップの首を斬った。そして、その奥にあるパソコンのデータを見ていた。



 (おっかなすぎるだろ。無差別に襲って人造人間にするとか……。最近の奴やっぱヤベぇわ)



 雷風がパソコンを見ている時、入り口から気配を感じた。それは一般人のような緩い気配ではなく、雷風のような闇社会に住んでいる引き締まった気配だった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ