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断罪せし暗殺者  作者: ひょうすい
第4章 グラジオラスは存在を明確に表し始める
55/206

55GF 世界はマンドレイクを上げ始める



 「あー……、とりあえず今日でこの学校の護衛期間は1ヶ月空く……」



 2018年7月20日、1学期の終業式があった。1〜3限目までは通常授業を行い、4時限目に終業式を行って通知表が返される。

 終業式が体育館で行われている時、雷風は屋上で周囲を見渡していた。



 「時が過ぎるのを待つしかないよな」



 突如、スマホに一通の着信が来た。それはニュースアプリのものであり、雷風は軽くニュースを見る程度にスマホを手に取り、ニュースの内容を見た。



 『第二次世界大戦後に列強国であったアメリカ、ロシア、ドイツ、イギリス、イタリアの5ヶ国で大規模なテロが起きてから6ヶ月。完全に政権を掌握され、各国の市民は大虐殺をされた。フランスは大統領が変わったのみであり、大きく方針が変わる心配はなし』

 『ドイツがフランスに宣戦布告。それに伴い、ドイツと同盟を結んでいたイギリスがフランスに宣戦布告をした。フランスは、同盟を結んでいる国が現状いないため孤立』



 2つの記事を見た時、雷風は目を疑った。正直、このニュースが流れたら誰でも目を疑う。雷風は今すぐにフランスへ向かおうとしたが、その瞬間、頭に激痛が走った。



 (俺の中にはない記憶……?)



 雷風の頭には、風月と共有していた記憶と雫と共有していた記憶以外に所有する記憶は、風月と出会ってからの記憶しかない。そして、それは明確に思い出すことができる。だが、今流れてきたのは違う。明確に違う記憶である。風月と出会う前の記憶なのかと疑った。それ以外ありえなかった。それ以外の選択肢を雷風は考えようとしなかった。



 (なんなんだ……、この記憶……)



 雷風はこんな状況ではフランスに行けないと思い、その場に留まることにした。



 (消えた……)



 頭の中に流れた記憶は綺麗さっぱり消え、激痛もぱっと治まった。今の記憶がいったい何だったのかは分からなかったが、夏休みの間にすることがひとつ生まれたと雷風は思った。



 (この記憶が一体何なのか……、それを知らねぇとな……)



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 一方、ビルド内では……。



 「伊舎那天、月天。お前らは断罪者を討て。それ以外は俺についてこい。フランスに行く」


 「フランスって……、今一番危ないところですよ!?」


 「わかってるさ日天。だが、我々はフランスと繋がりがある」


 「そうですけど……」



 神月は十二神を集め、フランスに行くことを宣言した。それにはビルドで作った大量の人造人間と、伊舎那天、月天以外の9体の十二神を連れていくことを宣言した。日天はフランスに行くことを反対したが、神月に一言言われただけで納得してしまった。



 「お前らは仙台で行われる、仙台市中を巻き込んで行われる文化祭に潜入し、断罪者陣営を全員殺してもらう」


 「待ってください」



 月天が話を止めた。何か言いたそうな顔をしていたため、神月は月天に発言権を与えた。



 「我々の分のフェイルチーターはしっかりありますよね?」


 「なかったらフランスという危ない場所に俺は絶対行かないぞ」


 「そうですよね。安心しました」


 「とりあえず、行くぞ」



 神月は巨大浮遊戦艦の中に大量の人造人間を入れ、十二神と自分も乗ってフランスへ向かった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 「……さて、ようやく一学期が終わったよ」



 家に帰ってきて、慧彼は早速ソファに寝転がって言った。



 「夏休み、何して過ごそうかな……」


 「意外と夏休みって暇ですしね……」


 「特例で私たちは宿題無し、挙句の果てには文化祭の出し物に参加しなくていいと来た。完全に自由だ!! フリーダムだ!!」


 「英語にした意味よ」



 たわいもない話をしていると、雷風が家に帰ってきた。



 「おい」


 「どしたの?」



 風月か雷風に聞くと、雷風は早速とんでもないことを言い出した。



 「夏休みの間に、楽しめることは一通りやっとけよ」


 「う、うん……」



 この時、慧彼達はこの意味について理解していなかった……。



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