4GF 覆滅者
盾羽が帰宅部に入部してから1ヶ月が経過した。もうそろそろ期末テストがある頃なのだが、雷風は同級生にターゲットを絞って断罪者を探していた。
「何でいねぇんだよ!!」
「うるさい」
「すまん」
慧彼に注意される雷風だった。
雷風と慧彼が会話をしている時、盾羽が校長室に入ってきた。そして盾羽は雷風と慧彼に伝えた。
「ようやく見つけましたよ!!」
「だーかーらー……、うるさいって!!」
「すみません……」
慧彼は何故か機嫌が悪かった。
「んで? そいつどこの誰?」
「1年生の満月 白夜さんと3年生の瑠璃 霞さんです」
「なるほどな。つまりはそいつらを探せと」
「そう言うことだ」
校長先生が校長室へ入ってきた。
「それで? テストは大丈夫か?」
「大丈夫じゃなくてもどうにかするでしょ」
慧彼の鋭い言葉が校長先生の心に深く刺さった。
「まさかな……、慧彼にそんな言葉を浴びせられるとは……。俺も老けたか?」
「大丈夫、元から老けてるから」
「慧彼、そこまでにしとけよ。こいつメンタル壊れて死ぬぞ」
「あ……、すみません……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そして翌日、休み時間に雷風は慧彼に言った。
「ヤバい……、死ぬ……」
「すんごい眠そうだけど……。どしたの?」
「誰が言ってんだよ。お前夢遊病ヤバすぎだろ……。俺が制止しなかったらベッドの上で飛ぶとか……」
「抑えられないことを言わないで」
「どうにかしろ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
放課後、校長室に集まった3人は盾羽にその話をした。
「流石に夢遊病で飛ぶのはヤバいですよ……。自覚がなくても謝るべきだとは思います」
「なんか背中もゴリゴリ鳴るんだけど」
「背中踏みました?」
「……多分」
「謝りましょうか」
「雷風、ごめん」
その時、校長先生が白夜を連れて校長室へ入ってきた。その者は、黒目に白髪のショートカットの美少女だった。
「おい、満月連れてきたぞ」
「あざーっす」
その時、戸惑っていた白夜は校長先生に質問をした。
「あの……、何のために私は呼ばれたんですか?」
「俺は知らん。知りたいならこいつらに全部聞いてくれ」
「は、はい……」
校長先生は校長室から出た。
「とのことだ。満月 白夜」
「えー、白夜さん。テストは嫌いですか?」
盾羽は白夜に質問をした。
「逆に聞くけどさ、好きな人っているの?」
「大多数の人は嫌いだと思います」
「じゃあ私は大多数の人に入るね」
「なるほど」
盾羽は雷風の近くへ行き、白夜をどうするか話した。
「どうしますか?」
「まあ、俺に任せろ」
「は、はい……」
雷風は白夜に1つ質問をした。
「覆滅者か、滅罪者か。お前はどっちだ」
この質問は慧彼や盾羽の時ではできない質問であった。これは、「白夜が断罪者である」という確定された情報があるためできる質問である。
「え?覆滅者だけど……」
この質問に間髪なく返せる者は断罪者である。と、雷風は考えている。
「改めて紹介します。満月 白夜。覆滅者であり、この街で一番強いヤンキーだった人です」
「最近は丸くなったと思うけどね」
「それって自分で言うやつ?」
慧彼は思わず突っ込んでしまった。
「とりあえず俺達も紹介しとくか。暗殺者の鬼頭 雷風」
「判定者の裁断 慧彼」
「守護者の護神 盾羽です」
「んでさ、こんなに断罪者って集まらねぇもんなんだな」
「あ、私残り1人の情報は知ってるよ」
白夜が情報を持っていると名乗りあげた。
「長期任務だから2週間後に帰ってくるって」
「お前と滅罪者知り合いかよ」
「まあね」
「とりあえず、明日のテストに向けて勉強しましょうか」
ここで満月が雷風達に質問をした。
「え? 明日からテスト?」
「うん。そうだけど?」
(逃げよ)
白夜が逃げようとした瞬間、座っていた雷風にいつの間にか肩を捕まれていた。
「テスト、受けろよ?」
「はい……、受けます……」
元ヤンも暗殺者にはビビるようだ。




