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断罪せし暗殺者  作者: ひょうすい
第3章 Bullying and revenge
33/206

33GF The beginning of destroying everything



 1週間後、マネジメントの本部があった大阪で大規模な破壊活動があった。それは十二神による破壊活動であり、大阪市はその一週間の間に荒廃した。大阪市に住んでいた人達は、瞬く間に殲滅された。

 それと同時に神月は、十二神に向けて命令を下していた。



 「マネジメントに関係し、海外で重要な役職についている者以外は全て殺せ。」



 その命令を下された十二神は、休みの者や有給を使って旅行へ行っていた者、かなり前にマネジメントを辞めて一般企業で働いていた者、車を運転していた者でさえ殺した。日本中の警察が被害者の数を調べ、1週間が経った今の死者数は15万人を越えていた。それと同時に、日本の各地にあるマネジメントの関連施設は破壊されていた。

 神月は、十二神を1つの部屋に集めた。そして、ある命令を下した。



 「次のターゲットは断罪者だ。奴らは日本中を移動している可能性がある。まあ……、とりあえず全員東日本の要所要所を見張りしておけ」


 「了解」



 十二神は声を合わせて返事をし、それぞれ大阪から走って東日本へ向かった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 仙台駅での戦いから3日後、雷風達6人は新居で過ごしていた。家具は全員で探して揃えていたため、非常に快適である。だが、雷風達は神月達に追い詰められている状況なのには変わりないのだ。今は雷風だけではなく、全員が命を狙われていることになっているのだ。その状況になっていることに雷風は薄々感づいていた。



 「集合!!」



 雷風の大きな声は、3階建ての家全体に響き渡っていた。その声に反応した全員は、すぐにリビングまで来てソファに座った。



 「本題だ。あの12体の人造人間の内の誰かが、俺達を狙って仙台に来るだろう」


 「この3日の間でその12体の人造人間の調べはついたよ。……ちょっとだけど。まあ、その12体の人造人間達の総称を「十二神」っていう。」



 霞はこの3日間で日本各地を周り、マネジメントに関係した人間達を十二神達が殺し回っている現状を調べていた。丁度それから戻って風呂から上がった直後に雷風に呼ばれ、リビングに来たのだ。



 「なるほど……。この3日間で私は官邸に行きました。そして世界中の大臣に、「これからは鬼頭 雷風の指示に従うように」と通達しました。現在の日本の大臣とは面識がありますから」



 盾羽がそう言うと、霞が補足するように説明した。



 「私が英語圏以外の国と話したよ。まあ、私マルチリンガルだから」


 「さりげなく自慢してるんだけど……」



 白夜がそう軽くツッコミを入れると、慧彼が現状について確認した。



 「えーと? 今の世界に対する指揮権は雷風にあるってこと? それで今、マネジメントは天城 神月に占領されて世界に対する指揮権を完全に失ってるってことだよね?」


 「まあ、ざっくりしてますがそういうことです」



 その時、風月が家に帰ってきた。



 「編入先の学校の手続き終わったよ。私達は編入のテスト受けなくていいらしいから」



 風月は、編入先の学校へ向かって手続きをしていた。



 「ありがと、姉さん」


 「いや~、雷風のためなら私なんでもするよ」


 「ブラコンがいる……」


 「慧彼? 何か言った?」


 「何も言ってません」


 「なら良し」



 風月はソファに座り、話に参加した。



 「まあとりあえず、今は仙台に来た人造人間を殺すだけだ。それに伴ってあるルールを作る」



 雷風は、全員のスマホにある文を送った。



 「これを見てくれ」



 雷風が送った文には、こう書かれてあった。



 『家を出る時には必ず2人以上で行動すること。万が一、十二神に遭遇した場合には必ず誰かに連絡をすること。できなかったとしても雷風だけは呼ぶこと』



 雷風は2つ忠告をした。もし人造人間と戦闘する状況になった場合、2人以上であれば有利になる。そう雷風は考えた。



 「なるほど、だいたいわかったよ」



 白夜がそう言うと、次々と全員が了承した。



 「OK」


 「わかりました」


 「わかった」


 「OK」



 その時、外で大きな音がした。



 「とりあえず行くぞ」



 最寄りの大通りである国道45線に出た雷風達は、車を爆発させた人造人間達がいた。国道をまるまる埋め尽くすほどの数である人造人間を見た雷風達は、全員何故か笑っていた。



 「よし、とりあえずあいつら潰すぞ。異論はあるか?」



 雷風がそう聞くと、全員は声を揃えて答えた。



 「異論なし」



 慧彼は高く跳び、宙を舞った。その状態で能力を使用し、アンバーの瞳がマルーンの瞳へと変化した。



 「串刺し」



 慧彼の視界に入った全ての人造人間の頭上に、黒い天使の輪っかのようなものが現れた。そこから槍が射出され、人造人間の体を(コア)ごと貫いた。それを初めて見た雷風は……。



 (……えっぐ。あの能力ヤバすぎだろ……)



 同じく初めて見た白夜と霞も、同様のことを思っていた。

 一方、前方で暴れていた盾羽と風月は人造人間の(コア)を的確に斬っていた。風月は斬撃を飛ばして斬り、盾羽は新しく双剣を作って斬っていた。その時、白夜が無線で盾羽と風月に伝えた。



 〔今から思いっきり上に跳んで。アトミックアニー放つよ〕



 それを聞いた盾羽と風月は、急いで上へ跳んだ。跳んだのを確認した白夜は、アトミックアニーを片手で構えた。その状態でトリガーを引き、銃口から殺傷性のあるロストエネルギーがレーザーのように放たれた。街を壊さない程度に放たれたレーザーは、人造人間を殺すのには十分なくらい火力が出ていた。



 (……滅茶苦茶強いじゃねぇか)



 かなりの数がいた人造人間が一瞬で消えたのを見た雷風は、思わず思ってしまった。



 「なあ雷風」


 「どうした? 霞」


 「私何もしてないんだけど」


 「大丈夫、俺もだから」



 霞の肩を持って雷風はそう言った。



 「よし、帰るか」



 雷風の言葉で、全員が家に帰った。



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