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断罪せし暗殺者  作者: ひょうすい
第2章 過去という信念
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31GF 存在の価値という全貌



 慧彼と盾羽は戦闘体勢に入った。慧彼は能力を発動し、アンバーの瞳をマルーンの瞳へと変化させた。



 「内部破壊」



 その時、目の前にいた巨大な人造人間の体が消えた。



 「……」


 「……」



 2人はその姿を見て唖然としていた。



 「……見た目の割に弱かったね」


 「あはは……。そうですね……」



 視界の先にある鋼のバリケードは壊れ、扉が開いた。扉の先に歩いた慧彼と盾羽は、大量の人造人間のデータがあるパソコンがあった。



 「とりあえず人造人間に関係することで、まだ私達が知らない情報があれば、その都度データを取っていきましょう」


 「そうだね」



 慧彼と盾羽は、パソコンにあるデータを閲覧していった。その時、盾羽は衝撃的なことを目にした。



 「これは……、まさか……」


 「え? どうしたの?」


 「これを見てください」



 盾羽が指を指したところを慧彼が見ると、驚くと同時に恐怖を感じた。










 『2006年4月16日、ロストエネルギーを体内に入れることによるアルクイマ実験に初めて成功した。その被験者は鬼頭 風月であり、更に2006年11月14日、2007年9月30日、2008年3月1日、2008年5月27日の4回実験を行い、全て成功した。その被験者は瑠璃 霞、護神 盾羽、裁断 慧彼、満月 白夜である。その全てに特徴があり、6歳であることが条件である。

 そしてロストエネルギーを入れると、媒体とした物体に、応じた能力を得る。鬼頭 風月は三日月宗近を媒体としたしたため、斬撃。瑠璃 霞は水を媒体としたため、水。護神 盾羽は盾を媒体としたため、盾。裁断 慧彼はガベルを媒体としたため、処刑執行。満月 白夜は月の石を媒体としたため、エネルギーとなった。だがその人造人間の被験者達は脱走し、自分の意思を手に入れたため、次の実験からはロストエネルギー自体で人造人間を錬成する実験を行おうと考えている』










 「私達の能力の元ってこれだったんだ……」


 「だからですか……。私達全員、6歳より前の記憶がないのは……」


 「人造人間だって言うのは風月の話で知ってたけど……」



 更に読み進めていくと、盾羽は人造人間の根幹となる部分を見つけた。










 『実験によりわかったことがいくつかあった。それは、ロストエネルギーを体に注入した量の多さによって能力が発現するかしないか、ということだ。ロストエネルギーの量は電力の1000Vを1GF(ゲアフロー)という単位を用いている。そのロストエネルギーが350GF体に注入することで能力を発現する。

 ロストエネルギーが275GF以上あると体の中で必要量を無限に生成されるため、人造人間は無限に能力を使用することができる。そしてロストエネルギーだけで錬成した人造人間は、欠損した箇所を(コア)ではない部分を時間はかかるが、再生することができる。

 そして1人、地球の核でとれるロストエネルギーを例外的に体に取り込んでいるものがいる。それが『鬼頭 雷風』である。我々ビルドはこの鬼頭 雷風を抹殺することを、今手元にある全人造人間に命令している』










 「ロストエネルギーが地下から出てきていたのは、そういうことだったんですね……」


 「何それ。私それ知らない」


 「ロストエネルギーが湧き出てくるポイントを封鎖する仕事です。来たことないんですか?」


 「無い。全く無い。だって私能力的に殲滅系の仕事しか普通しないし……」


 「なるほど……」


 「ところでさ、雷風って命狙われてたんだ……。……まあ、とりあえずここにいる人造人間は全部潰そう!!」


 「そうですね」



 盾羽はパソコンにあったデータを全て抜き取り、その部屋を後にした。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 一方、雷風は本部にあるボスの部屋を突き止めた。



 「ここから人造人間の動き全てを操ってるってことか……」


 「……疲れた」



 雷風は振り返ると、後ろから人造人間を殲滅しながら追い付いてきた風月がいた。進行方向にいた人造人間、途中で曲がる道にいる人造人間、部屋にいる人造人間を。風月が見つけた人造人間は全て殲滅していた。



 「部屋数多いって……。けど先々行った雷風には何とか追い付いた」


 「姉さん……、追い付いたのかよ……」


 「そりゃあね。雷風が全力戦うところ見てみたいし。私まだ見たこと無いからさ」


 「姉さん……、そういう所じゃねぇしそういう目的で来た訳じゃ。ビルドのボスをとっとと始末して帰るだけ。後さ、わかってる? 俺がこの組織に命狙われてるってこと」


 「わかってるよ。だって繋がってるでしょ? 私と雷風の「思考回路の根源」と「記憶回路の根源」がね」


 「まあ……、そうだけどさ……」


 「もうそろそろ入ろう?」


 「そうだね、姉さん」



 2人は、ボスのいる部屋へと入っていった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 白夜と霞は、人造人間達をまとめて倒していた。



 「こうやってさ、人造人間を1ヶ所に集めて重力で潰したら早くない? まあその後に地面変形させるけど」


 「それだったらこうやって敵の(コア)ごと体刺していった方が良いと思うんだけど……」



 2人は、人造人間をどのようにして殲滅した方が速いか話ながら人造人間を殲滅していた。



 「いや、これが一番速いかも」



 白夜は片手に持っていたアトミックアニーを構えた。そしてトリガーを引き、銃口から殺傷性のあるロストエネルギーのレーザーが放たれた。そのレーザーで壁は壊れ、直線上にいた人造人間は全て消滅していた。



 「……確かにこれが一番速いね」



 霞も納得せざるを得ない威力であった。だが、霞は1つ疑問に思った。



 「それってロストエネルギーのコスパ良いの?」


 「めちゃくちゃ良いよ。きゅうり1本食べたら1000日は徹夜できるくらいには」


 「例えが地味にわからないけどすごいねそれ」



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