表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
断罪せし暗殺者  作者: ひょうすい
第2章 過去という信念
28/206

28GF 戦艦という脅威



 ガベルに乗って上昇していた慧彼と風月の目にはは、飛行船らしき物体が見えた。その時、風月は思ってしまった。そしてそれを口にして慧彼に言った。



 「あれ絶対に飛行船じゃない。飛行戦艦」


 「あれ? 違ったかぁ……」


 「まあ、とりあえず乗り込むよ」


 「はーい」



 慧彼と風月は、戦艦へ向けて思いっきり跳んだ。跳んだ際に慧彼はガベルを消した。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 一方、戦艦の中では警報をあらわす赤のランプが点滅しており、サイレンが中で鳴り響いていた。那覇の大通りで行動していた人造人間は、戦艦が侵攻されたことで自動的に戦艦内へ転送された。



 「前方甲板上空にて、侵入者を確認。直ちに向かえ」



 艦内に響くアナウンスに従い、人造人間達は前方甲板向かっていた。その人造人間の数は、5万をゆうに越えていた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 慧彼と風月は、続々と集まって陣形を形成していく人造人間達を上空で見ていた。



 「ちょっとあの人造人間達どうにかしないといけないよね……」


 「任せたよ」



 慧彼に人造人間のことを任せ、風月は斬撃を具現化させて、その上に乗って操縦室へと向かった。



 「えぇ……、まあするけどさ……」



 慧彼は能力を発動し、アンバーの瞳がマルーンの瞳に変化した。



 「内部破壊」



 慧彼がそう口にすると、慧彼の視界に入っている人造人間は(コア)を内部から破壊されていった。



 「なんだ!?」



 慧彼の能力が発動する時間は個人差があり、先に灰となってすぐに灰すら消える姿を見た人造人間達は、反抗する手段もなかった。ただ、死ぬのを待つしかない恐怖しか残っていなかった。攻撃しようと思ったが攻撃ができない。それは……。



 「よし、全部消えたね」



 全員が灰となって消えていたからだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 一方、盾に乗って上空へ向かっていた盾羽と霞。降ってくる人造人間を倒しながら進んでいくのだが、人造人間の降ってくる数がかなり多いため、最短ルートで乗り込むには人造人間を倒していくしかないのだ。



 「数が多いですね……」


 「ま、倒してけばいいんだから楽だろう?」


 「私の能力知ってます?」


 「わかってるよ。だからさ、これを持ってきたんだ」



 霞はポケットから盾のフィギュアを取り出した。手の上で収まるサイズのフィギュアに、盾羽は見覚えがあった。



 「あの……、それってどこから取りました?」


 「え? 盾羽の部屋からだよ」


 「ですよね。前にUFOキャッチャーで取りましたからね」


 「それを持ってきたんだよ」



 盾羽は、霞の言っていることに理解が追い付かなかった。



 「私ね、各断罪者に合う武器を作ってるんだ。まあ、雷風から教えてもらった技術だけど」


 「ということは、それは私専用の武器ということですか?」


 「そういうこと。特定の人造人間に触れたら吸収されるから」


 「……とりあえず貰いますね」



 霞は盾羽に、盾のフィギュアを渡した。それを受け取った盾羽は、盾のフィギュアが体の中に吸収されていった。



 「……まさかあのフィギュア、改造しました?」


 「したよ」


 「あのフィギュアとるの苦労したのに……」



 盾羽は頭を抱えて言った。だが、それはもう戻すことができない。



 (……もうどうしようもないんですよね)


 「……まあ、そんなに考えている暇なんてないですね」



 盾羽は能力を発動し、鋭利な盾を瞬時に、そして大量に生成した。



 (出せる絶対数がかなり上昇してますね……。それに……)



 盾羽は「最強の盾」と呼ばれている海上自衛隊の戦艦、イージス艦を大量に生成した。



 (盾とつくものなら多分出せるんですよね……)



 イージス艦から大量の砲弾が放たれ、降下していく人造人間達を殲滅していった。砲弾が(コア)を破壊し、消滅していく姿を見た霞は……。



 「……化けた」



 攻撃手段を新たに手に入れた盾羽は、イージス艦達を全て消した。そして霞を連れて、人造人間達が降下をしている戦闘機の格納庫へ侵入した。



 「……私能力使えない」



 霞はそう言うと、近くにいた人造人間達から血を大量に収集した。その血で剣を生成した霞は、血とロストエネルギーをその場で混ぜて擬似的なレーザーを作り、それを剣先から放った。



 「まだ制作途中だけど、私強化武器まだ無いからなぁ……。ま、盾羽には負けるわけにはいかないな」


 「霞さん。最初からかなり口調変わりましたね。人間らしくなったというか……」



 鋭利な盾を大量に放ち、人造人間の数を着々と減らしていっている盾羽は、初めて会った時の霞の姿とはかけ離れている今の霞を見ていた。話すという機会があったことで変わったのだろうと、盾羽はそう思っている。



 「それさ、失礼だと思わない?」


 「褒め言葉ですよ」


 「結構トゲあるけどね」



 その時、その場にいた人造人間達が撤退していった。撤退していく意味がわからなかった盾羽だったが、霞は格納庫を物色し始めた。



 「これ……、結構やばいやつだと思う」


 「どれですか?」


 「これこれ」



 霞が見ていたのは、隠して開発していた核爆弾だった。



 「核でこの戦艦ごと爆破しようという魂胆でしょうか……」


 「ま、とりあえずこの核はしっかり処理しなきゃね」



 霞は手で核爆弾を触り、ロストエネルギーを核爆弾に流した。そして、ロストエネルギー本来の効果である「物体を消滅させる」というものを発動し、核爆弾を破壊させることなく消滅させた。



 「盾羽、他にも核爆弾がないか探して。あったらその瞬間にロストエネルギーの効果発動させて核爆弾を内部から消滅させて。隅々まで消滅させてね」


 「わかりました。とりあえず分担して進めましょう。会話は無線で」


 「了解」



 盾羽と霞は、分担して格納庫にある核爆弾の消滅をしていった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ