表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
断罪せし暗殺者  作者: ひょうすい
第2章 過去という信念
22/206

22GF 覆滅という蹂躙



 『根室にて、根室中標津空港にいる大量の人造人間を残さず殲滅せよ。これは緊急任務であり、海外に人造人間が行かないようにするための任務である。直ちに根室中標津空港へ向かい、任務を遂行せよ』



 (仕事と任務って何が違うんだろ……)



 白夜は空を飛んで根室へと向かっていた。風の抵抗、重力による抵抗、そして空気による抵抗。その全ての抵抗を受け流して進んでいた白夜の速度は、戦闘機の最高速度をゆうに越えていた。



 (あれかな?)



 雲の中から出た白夜は、目的地である根室中標津空港を見つけた。そこへ向かう白夜は、不気味な笑みを浮かべていた。



 「さーて、久しぶりの喧嘩だァァァ!」



 白夜は自身のロストエネルギーを両手に集め、両手を繋いで振り下ろした。すると、集めたロストエネルギーは空港ターミナルビルへと飛んでいき、ターミナルビルは木っ端微塵となった。



 (周辺には残ってるか……、な?)



 白夜は上空から降下した。



 (降りる時間短縮するか)



 そう思った白夜は能力を使い、自身にかかる重力の倍率を上げた。落ちていくスピードがどんどん上がっていく白夜だったが、完全に地面とぶつかると死んでしまうため、白夜は着地する寸前に自身にかかる重力を消した。つまり、無重力というものだ。



 (まだまだいるねぇ……)



 重力を標準に戻すと、周囲にいた人造人間が白夜に襲いかかった。白夜は、地面を足裏でおもいっきり踏んだ。すると、人造人間の踏んでいる地面が変形し、トゲのような形になって体を貫いた。そして人造人間達にかかっている重力の倍率を上げ、トゲを(コア)に無理矢理刺した。



 (この能力、何に分類されるんだろ……。)



 その時、上空から人造人間が13体落ちてきた。勢い良く滑走路に着地した人造人間達は、完全にまで破壊されているターミナルビルへと進んだ。

 それに気づいた白夜は、ターミナルビルで売られていた中で、形が変わっていなく、その上丈夫だと思った木刀を取り、人造人間達の方へ向かった。



 (武装はしてなさそうだけど……、ここにわざわざ来る人造人間は強いんだろうね……。だってついてきてたんだもん)



 人造人間達は、東京から移動する白夜を追いかけていた。だが、白夜は一度振りきっている。しかしここに人造人間達が来れたのは理由がある。それは、人造人間達を大量に根室中標津空港に集めることで、白夜は誘導させられていた。そのため、誘導させた人造人間達は、白夜を見失っても空港に一直線に来れたのだ。

 誘導させられていたことを知らない白夜は、待ち伏せていたと勘違いしていた。だが、ここにいる人造人間を殲滅することには変わりはないため、白夜はスピードを上げて人造人間達を襲った。それは、不気味な笑みをこぼしながら。心は、戦い足りないという欲の飢餓を抑えるようだった。



 「その程度かよ!! 楽しくないじゃんか!!」



 白夜は、300m程離れた人造人間13体を一瞬で蹂躙した。そのスピードは光より速く。音は数秒遅れてから聞こえた。唯一遅れずに聞こえた音は、体をバラバラにされることで生まれる人造人間の悲鳴だろうか。白夜は人造人間をバラバラにする。それは、灰になって何もかもが消えるまでずっと。

 覆滅。それは、徹底的に攻撃されて消えて無くなるという意味である。白夜は、相手にした人造人間を完膚なきまでにバラバラにし、灰となり、体が消え去るまで攻撃を続ける。それはまさに、相手から見たときに「覆滅」されるという表現が白夜に一番合っているのだ。そのため、マネジメントは白夜に「覆滅者」と名付けた。

 ある音が鳴り響く根室中標津空港。それは、甲高い声ではない。かといって怖いから出す絶叫というものでもない。心から痛いと思った時に出る「悲鳴」、「泣き喚く」、「啼泣する」といったものである。自律型ではない人造人間は、他の人造人間のデータを取ることは基本的にはない。そのため、白夜の足止めをすることにも躊躇いがない。そして死んでいく。だが、ほとんどの人造人間は他の人造人間から学ぶことはない。コストを抑えて作ってしまうとこうなるのだ。



 (もう終わりかな?)



 そして、最後の人造人間が灰になって消えていくと、もう黄昏時だった。その光は何故か禍々しく、思い浮かべる綺麗な黄昏とは違っていた。

 白夜はスマホで時間を確認した。



 (19時28分!?)



 完全にバラバラにしていたからであるが、白夜は残された時間を見て驚いた。



 (残り2分じゃん……。やば……)



 白夜は空港内に人造人間がいないことを確認した上で、仙台駅へと急いで向かった。



 ドオォォォォォォォォォォォォン!!!!!



 白夜は爆音を鳴り響かせて仙台駅へと入った。そして、白夜は万全な状態の雷風を見て、咄嗟に言ってしまった。



 「間に合った……」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ