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断罪せし暗殺者  作者: ひょうすい
第2章 過去という信念
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16GF 思考という真理



 「あなたはいったい……、私達を惑わせてるんですか?」



 核心を突いた盾羽の質問。それに風月は少し驚きながら答えた。



 「おおぉ……」



 風月は考えた。その時、風月の脳に刺激が走った。



 (何? まさか……、雷風の思考が伝達してきた?)



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 一方、雷風は歩きながら強烈な思念を風月に送っていた。



 (俺の元に来たら、誰であろうと容赦なく殺す)



 と。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 (そういうこと……)



 風月は雷風からの強烈な思念を受け取り、少し冷や汗をかきながら言った。



 「じゃあ、逆に質問するよ。私は君達を惑わせてると思う?」



 風月がその質問をした瞬間、更に空気が張り詰め、いかにも触ったら切れそうな糸のようだった。



 「思います」


 「思う」


 「明らか惑わせてるでしょ」



 その返答を聞いた風月は、思念が送られてきたことを話した。



 「じゃあ1つ話をするよ」


 「何?」



 慧彼がそう警戒して聞くと、風月は取り繕った笑顔で警戒を解いた。



 (笑顔を……、取り繕ってる……?)



 風月の精神は不安定になっていた。



 「ある姉弟は、思考を共通することができました。だから隠し事は全て無意味。逆に悩みごととか、内緒話にはものすごい長けてる。けど、その共通することが仇となりました」


 「何が言いたいの?」



 白夜がそう聞くと、慧彼が白夜の肩に手を置いた。



 「とりあえず聞こう」


 「う、うん……」



 そう言うと、風月は話し始めた。



 「弟は、ある悩みを抱えていました。それは姉のため。そして姉の復讐のために。そのため誰にも協力してもらおうとは思わず、1人で復讐に行きました。その時もらった最後の思念は、「俺の元に来たら、誰であろうと容赦なく殺す」だった」



 盾羽は焦った。



 「それは本当ですか?」


 「話って言ったじゃん。『真に受けんな』」



 風月の威圧は、慧彼の発した威圧を遥かに越えていた。



 「ただいま~」



 その時、霞が帰ってきた。家に帰ってきた瞬間に張り詰めた空気に気づいた霞は、静かに、静かに、静かにリビングに向かって歩き、リビングに入った。



 「これは……、どういう状況?」



 疑問に思うのも無理はない。最後に見た空気とは全く違っていたのだから。雷風のことを想い続けたが故に精神が壊れかかっている風月と、その風月に威圧をかけ続けている慧彼と白夜、そして盾羽。その現状を目の当たりにして、霞はようやく気づいた。



 (雷風君が寮から消えた……)



 霞は雷風がいないことに気づいた。この状況の中、霞は「どのように動けばいいか。」と長考した。



 (……どうしたらいい? この空気……)



 そして10分間考えた後に思い付いた結論は、慧彼達と風月を和解させ、この先どうするかを全員で考えることだった。



 「風月。何に動揺している?」


 「ちょっと黙っておいてくれ」



 風月は霞に、強い口調で言った。



 「そうか」



 その時、慧彼が霞に手で「来い」と言わんばかりのアイコンタクトを送った。それに気づいた霞は、慧彼の元に行った。



 「雷風が消えたことはわかった。それでなんでこんなどす黒い空気になってるんだ?」


 「まともに教えてくれなさそうだからさ」


 「なるほど」



 霞は状況を改めて整理するため、盾羽に聞いた。



 「私が帰ってくる前、何があった?」


 「それはですね……」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 盾羽は、慧彼が風月に問いかけたところから全て話した。質問の内容も、それの返答も、風月の話した内容も。全て、全て、全て、全て、全て。



 「……ということです」


 「なるほど、ありがと」



 霞はそう言うと、一度ベランダへ出た。



 「さて……、どうしたものかな……」



 霞はタバコを吸い、考えていた。



 「……なんでタバコ吸ってるの?」



 同じくベランダへ風月は、霞に聞いた。



 「私は成人した体に強制的に成長させられたからね。肉体年齢的には大丈夫なんだよ。それに、私が吸っても大丈夫だと風月は知っているだろ?」


 「なるほど。通りで妙に大人びてたわけだ」



 風月はそう感心すると、風月は霞に質問した。



 「質問していいかい?」


 「ああ、しろ」



 霞は了承すると、風月は話し始めた。



 「私達ってまあ、全員人造人間だろ?」


 「まあ、そうだな」


 「けど私はその情報について何も知らない」


 「そうなのか。知ってそうだったが……」


 「実験を受けていた時はほぼ記憶を失っているからね」


 「そうか」


 「そこでだ。霞、君は自力で自分が人造人間だと気づいたんでしょ?」


 「ああ」


 「それに至った理由は何?」



 霞は少しの間黙ってしまった。



 「……それを聞くか」


 「ああ、聞くさ」


 「そこまで聞きたいか?」


 「聞きたいよ。それで少しでも雷風の力になるならね」


 「とことんブラコンだな。まあ、簡潔に話そう」




























































































































































 「マネジメントはビルドについての情報を「ほぼ全て」持っている」



 霞のその回答を聞いた風月は……。



 「は?」



 となっていた。



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