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師匠

8話 師匠

 

 後日。骨折したあたしは、まともに歩けず。押し車に椅子を付けたのに乗り。カイ・フーと一緒にお爺ちゃんの家を探しに出た。

 お爺ちゃんのくれた手紙をカイ・フーに見せた。


「祖父殿は僧になられたと……九連山南少林寺!」


 カイ・フーは、どうしたのか僧になったというお爺ちゃんの居るという寺の名前を言い黙って閉まった。


「どうしたんです?」

「ああ、いや。実は九連山南少林寺っていう寺はないんだ。いや、昔あったにはあったんだが。時の政府に反したといわれ焼き討ちにあって今はないのだ。知ってるか、どうかリンさんの北には北少林寺が存在する。だが、手紙には南と……南少林寺は今は政府に反する秘密結社とも言わていて。寺の形では存在してない……どう探せば。リンさんの祖父殿の名は?」

「手紙の最後にあると」

「ユエン・ジャオロウとな!」

「知っているの?」

「知ってるもなにも、ユエン・ジャオロウは私の師匠の名。あなたが、ラオの死に居合わせたのは、たんなる偶然とは思えない」

「なんですかね……」


「師匠は四獣神拳の創始者だ。ラオ・シンは玄武拳を私は朱雀拳をたくされ、師匠は各人にその拳の伝承者にこのような扇子を与えたのです」


 カイ・フーは自分の朱雀扇を開けて見せた。玄武扇よりは一回り小さい。やはり朱雀の絵が描かれている。


「あの、四獣ってことは、まだあと二人。あのローは」

「ヤツは本当はラオにあこがれていたんだ、他の拳法にはいかずラオと同じ拳法を選んだ。が、ヤツは、ラオをこえようと考えたんだ。他の青龍と白虎は、まだ修行中の身、どこかを放浪しているだろう。しかし、ローめ毒殺とは、元同門者として情けない。あなたにもわびを」

「いや、なにもカイ・フーさんが」

「師匠の所へ案内します。玄武扇の事は師匠にまかせましょう」


「師匠、私もお供を」

「また、おまえは留守番を」

「エヘ、やっぱり留守番は退屈だから。リン、その足で山へ向かうのか?」

「おお、そうだ師匠のとこへはケガが治ってからでも」

「あはは。そうですけど、骨折の治療費と町の滞在費で持ち合わせが少しで、早くお爺ちゃんとこに行こうとか考えてます」

「それなら私が」

「自分のせいなので、遠慮しときます」


 しかし、あの時のあたしの動きはなんだったんだろう。ラオの魂とかあたしに。

 不思議な旅になった。


 二代目玄武拳の伝承者は、たいそう美人の女拳士と伝えられている。初代の話はなぜか、後世に伝わらず。二代目の女拳士の武勇伝が後々長く伝えられた。「玄武女人掌」と「朱雀舞踏拳」は現代でも広くひろまり。特に女性の間では人気のあるのは二代目伝承者がどちらも女性なので「剛の玄武、技の朱雀」と言われて親しまれている。


               おわり




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