9 敵となるか、味方となるか。
「8 それぞれの道へ。」
の続きです!
バズラとイカサキのいる宿泊所をでて東の地方、ロンデリーを目指している私、シカズとカルミド。
ハロウィンまであと6日。流石にあと6日で転移魔法を得るのは難しいだろうな。なにしろ、ほとんどの魔物がその技を使えないのだから、簡単に得ることなどできないはずだ。
…っていうか、もう結構歩いたんだが、村や町1つさえ見えないぞ!?
そう思ったらカルミドが教えてくれた。
「シカズ様、ロンデリーには馬車などを使わぬかぎり、歩いて5日程かかりますが、もちろんご存知の上で歩いておられるのですよね?」
「え?」
思わず5日という言葉に反応して声が出てしまった。は?歩いて5日?5日…。…5…日?ハロウィンまであと6日だよな?…ってことは…。
間に合わないじゃん!いや、歩いてる場合かよ!!
無理じゃん!諦めるしかないの!?絶望じゃん!
…ほんとに絶望だ…絶望。
…あれ?ちょっと待ってくれ?私って"即座移動魔法"使える…よな?それでぱぱーっと移動したら良いのでは!?
「私天才かも…」
と言いかけたとこだった。カルミドが思いっきり突っ込む。
「即座移動魔法は危険すぎるのではないでしょうか?急に目の前にシカズ様のような強い者が現れたら警戒されてしまいます。」
危険?警戒される?そんなの知らん。関係ないな。
「あぁ、それでもその方が楽だろ?」
もし、こちらの話を聞かずにロンデリーの者が襲いかかってきたら礼儀のないものとして見なす。そして、遠慮なく倒していく。…そうするつもりだ。
「…分かりました。私、カルミドはシカズ様に着いて行きますので。」
「ありがとう。では、行くぞ!」
私はそう言い、即座移動魔法、ムーヴを使った。
一方、時は戻り今日の朝、ロンデリー地方の1番手前にある国、ヌグレバ王国ではシカズの事をすでに警戒していた。
…なぜ離れているのにシカズの事が分かったのか。
それはヌグレバ王国にいる、ほぼ100%当るという占い師が予言していたからだ。
「我らの王、ライダブス国王様。今日の占いの結果をご報告致します。」
占い師の名はネミル=ボーナルシ。国王のライダブスが占いなどを信じる者だったため、ネミルは気に入られている。それもほぼ100%当る占い師。逆に気に入られない理由がない。
「あぁ。どうであった?」
渋い、低い声でライダブスは言った。
「…今日の昼頃に、橙の被り物をした強い者がここに訪れるでしょう。その者の名までは分かりませんが…。」
ネミルは少し冷や汗をかいていた。
それをみたライダブスはこう受け取った。
「はっはっは!その者は我より強いものなのか?」
そう、"ライダブスより強い"と、受け取ったのだ。
その言葉に驚いたのかネミルの冷や汗は止まらなくなった。
「そ…そそんなことはきっとないでしょう。なぜならこの者は昨日うまれてばかりの魔物ですよ!?我々人間には勝てはしません。…きっと。」
ネミルは最後にボソッと耳に届かない程の小さい声で呟いた。
「はっはっはっは!それは面白い。そいつには、例の件も解決できるかもな!ふはははは!」
そうライダブスは豪快に笑い占い師、ネミルの前から姿を消した。そして、国を守るようにと兵士達に伝え自分の部屋へと帰っていった。
ライダブスが帰ったことにより緊張がほどけたのか、ネミルは大きくため息をつき、ソファーに腰を落とした。
「この話にはまだ続きがあったのに…。まぁ、伝えても結果は変わらなかったと思うけどね。」
そう言うとネミルに仕えるメイドに淹れてもらった紅茶をすすった。
「ネミル様、本日のお紅茶はいかがでしょうか?ネミル様のお好きな茶葉、"カパティー"でございます。お代わりをしたい時はお声かけくださいませ。」
そうメイドは言うとお菓子の準備に取り掛かった。
「…さて、敵となるか、味方となるか。魔物の時点で結果はもう見えてるけどね。」
また紅茶をすすった。
どうやら魔物は人間の敵と見なされているようだ。
…だがその考えは今日、覆される。
つづく。
こんばんは、こんにちは、おはようございます!
この世界では、魔物と人間の関係が悪いようですね…。
ここで1つ!「あれ?人間って、人間の世界だけにいるんじゃないの?」って思った方へ!
人間の世界は、人間だけの世界。
この世界では、魔物と人間が生存しています。
ただし、人数は魔物の方が多いようです。
説明不足でした。すみません。
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