71 鹿に謝りなさい。
「…… さぁ、例の物を。」
「はい。」
博士が実験を再開してしばらくたった今。気になる声が聞こえた。"例の物"だ。
博士は研究者から光る球を受け取ると、それを実験体へと埋め込んだ。…… なんだろ、魂かな?仮に魂としておこう。
私がサクリファイスで盗る魂は個体ではなく、ふわふわして宙を浮く謎の物なのだが、ここで使われている魂は多分加工してある…のか?まぁ、そのため個体なのだろう。
知らんけど。
そして、博士は魂と引き換えに、実験体から何かを取り出してそれを小瓶に詰めた。…… これもなんだろ?
「…よし。ドゥウェル!」
また博士が呪文を唱えると、今まで光っていた魔法陣はまた元のように消えた。…… 実験が終わったのであろう。
「…はぁ。なっ!大丈夫だっただろう!私の実験は成功したのだ!」
「ひやひやしましたが、成功してよかったです。さすが博士!!」
博士と研究者は実験が成功して、キェェェェ!! と、奇声をあげている。他に喜び方はないのか!! なんでキェェェェなんだよ!! もっとマシな喜び方があるじゃないか!!
とまぁ、心の中でツッコミながらもおめでとうと、一言呟いた。
ただ、この魔体心移動実験は何が目的なんだ?魂を入れ替えることか?それとも、ただ単に博士の趣味…いやそんなわけないな。これが趣味だったらだいぶヤバいサイコパスだもん。
「博士!これで我々の自由が手に入りますよ!! やっとこの施設からの解放が許されるんですよ!! さぁ!早速スマーロ様に御報告をしましょう!!」
自由が手に入る。施設からの解放…?
「あぁ!あぁ!報告に行こう!」
そう言い、博士と研究者は実験に使ったものを置いて、ウキウキしながら部屋から消えた。
私も今のうちに部屋から出ないと。…… だけど、この実験体も気になる。
いやでも、今出ないとつぎこそ見つかるかも知れないし…。でも気になるし…。
こういう時は欲望に従おう!! どうせ施設にいることには変わりない!うん!そうだ私!
と、言うことで!私は実験体をじっくりと観察した。
傷1箇所、刻印両腕に1箇所ずつ。
「…ケテ……」
…?私の気のせいか。
「タ…タス…」
「助けて…?」
私がそう聞くと、実験体はコクっと頷いた。
その瞬間、後ろから博士と研究者と馬鹿親父…スマーロの声が聞こえてきた。
「我々は実験に成功しました!リンカのような失敗作ではないのです! これこそが完全完成体なんです!! 」
「もうよい。今はそれどころではないのだ。シカズがこの施設内で迷…行方不明になっているのだ。」
おいスマーロさんや。今迷子って言おうとしたよな??私が迷子になった訳じゃ…ない…よ??
「でもご覧にだけでも…!!」
「もし、この実験内容をシカズに見られていたらどうする?我々がここまで表面をいい雰囲気にしてきた意味が無くなるんだ!裏面を覗かれては…」
「スマーロ様、一体なんのお話をされておられるのですか?今はこの実験のことについて話しているんですよ。シカズなんて歯科…いや、鹿ではございませんか!!知能などございませんよ!!」
は?鹿?
鹿に失礼だろ!! 謝れよ!!
「博士は博士で何を仰っておられるのですか??私心配になってきましたわ。」
「まぁまぁ!ご覧下さい!こちらが実験に成功した…」
「…… 何も無いが?」
スマーロはそう言い目を白黒させている。
博士は目を疑ったのか目を擦って擦って擦っている。
「一体誰がこんなことを…!!!」
つづく。
今日ね、このお話、誰も死なないハッピーな話だよって言おうとしたらね。シカズさん、〇してたぁ( *´꒳`* )
という1日でした。(?)
皆さんは春休みですか?
私はほぼ毎日部活という最高の日々を送っております。
今までのの疲れを春休み中に落として、新学期、新生活、気持ちよく迎えましょう!
次回もお楽しみに!




