68 反抗期なんですよ。ほっといてください。
「むっ…これはっ?」
バズラは己の剣で切った物をみた。それは…… かかしだった。そして、さっきまでいたシカズの気配はどこかへと消えてしまっている。
「いやぁ〜ほんと危なかったよ。髪の毛が切れただけで良かった。」
その声の主に皆がいっせいに振り返る。
「シカズっ…!? どうやって…っ!?」
目を白黒させているバズラ君に説明してあげよう。
「バズラが剣を振り下ろす前に、私はグラビティデリートをかけたんだ。これで少しは動きが遅くなるからな。そして、少し余裕のできた私は自分の分身的な物をおいて、そこからムーヴで移動した。…まぁ、髪の毛は切られてしまったがな。」
意外とグラビティデリートが役に立ったよ。前、ゲラーカンと戦った時にはあまり役に立たなかったから、使うのは辞めようと思ったんだけど。
「ところでバズラ。フラクギスタの者の避難などはいいーー 」
「そんなのはどうでもいいっ!! 今は、お前を倒す!」
…えっ…こいつほんとにバズラ? 怒りで己を失っているのならわかるが、その場合、声すら耳に届かないだろう。何か…おかしい。
「バズラ、落ち着いてくれ!」
今、私が相手しているのはバズラだけのはずなのに、背後からも攻撃がきた。
「カノミドに…… カルミド…… ?」
なぜだ。カノミドはまだわかる。カルミド…… 。
…… !! もしかしてだが…ほんとにもしかして…?
「ラサニマラ!!」
私はそうとなえ、テリーを元の世界に帰した…かった。長い間、あいつは私の傍を離れようとしなかったし、さらには、テリーと一緒に行動するようになってから、施設の者とやたらと会うようになっていた。
そして、今この場に居るのは私、バズラ、カルミド、カノミド、テリーだ。このうち、私とテリー以外の者が変になっている。
……そう、 今ならわかる。
テリーこそが、裏切り者だったのだ。
こう考えるのが、今の状況はいいだろう。
「シカズ様!危ないです!」
そして、なんでこいつまだいるんだよ!! テリー=ボルセ!!
「テリー、やめてくれ!手を離せ!」
「ふっ…… ようやく触れることができた…」
いやキモっっ!!! テリーじゃなかったら誰だよお前は!!
「私の名前はスマーロ。テリーの姿を借りてしばらくお邪魔していたよ。」
「ほんと邪魔だよ。キモいし、息くさいし、なんか目眩がしてきたわ。帰ってくれ。お前に興味はないんだ。」
「シカズよ、私を恋しくしていたか?」
「いや全く。会いたくもなかったし、まずそもそもお前の顔を見たのが今日で初めてだわ。」
「…… ふっふっふ恋しくしていたんだな。」
「どう解釈したらそうなるんだよ。私の話聞いてたか?お前の頭は悪い事はいい事にしか翻訳されないのか?脳みそつまってる?お母さん心配になってきちゃった!」
もはや何も言い返せなくなったスマーロ。
「さぁ、シカズ、お前に選択肢を与えよう。」
「お前与える側じゃないだろ。選ぶ側だろ。」
「1つ、私に着いてくる。そのかわり、仲間は元に戻してやる。 2つ、私に着いてくる。そのかわり、仲間は元に戻してやる。3つ、…」
「いやどれも一緒じゃねーか。そして、どれも嫌だよ。私はお前に着いていく気は無い。お前を倒して、施設も壊す。」
スマーロは目をうるうるさせながら言ってきた。
「仲間がどうなってもいいのか?」
私は即答。
「だめだ。」
「じゃあ、着いてこい。」
これにも私は即答。
「無理。拒否。諦めて。」
…… 反抗期の娘をもった父のように、スマーロは膝から崩れ落ちた。
その隙をみて、私はバズラ達を元に戻す魔法をかけた。すると、バズラ達は倒れて寝てしまった。
「シカズ…もうこうなったらお前の仲間達を操ってお前を殺るぞ!」
そういい、スマーロはバズラ達がいる後ろを振り返る。
「・・・。」
「・・・。」
お互い沈黙が続き、顔をみあわせた。私はニコッと微笑んであげてこう言った。
「スマーロさん! みんな爆睡して寝てるけどぉ…どうするんですかぁ? 」
私、控えめに煽る。
「くっ…。」
すると、スマーロは何か思いついたようだ。
つづく。
なんか…ごちゃごちゃとしてすみません。




