60話 新たなる助け人
その声は、カルミドとカノミドだった。
「シカズ様ぁ!もう会えないかとおぉ!!」
カルミドは顔をくしゃくしゃにして抱きついてきた。
お前は猫か!と心の中でツッコミながら、どこかで、待っていたよと言う自分もいた。あんな置き手紙だったけど、カルミドなら来てくれると。
私はそんなカルミドの頭を優しくなでた。
「カノミド…!?無事だったか!」
バズラは少し驚いた顔をした。
「はい。お陰様で。ですがバズラ様、ひとつよろしいでしょうか?」
カノミドが顔をしかめながら言った。
こりゃ…バズラ、なんかやらかしたか?
「あっ…えぇっと…今はよろしくない!!」
うん、確定だな。その話も気になるが…さっきから危険察知がずっと反応している。カルミドとカノミドの事かと思ったが、違うかったみたいだ。
「シ…シカズ…!あんたこんな仲間をどこで…?」
「どこでって…そんなこと言われてもねぇ…。」
「あれ?シカズ様?お知り合いですか?」
カルミドがそう聞いてきた。
「いやーまぁそうなんだけど…。ちょっと、関係が複雑というか、なんというか。」
そう、話せば少し長くなる。
「シカズ!お願い!お願いよ!あたしを1人にしないで!」
「…リンカ…」
泣きながらそう言うリンカを私は黙って見つめた。
…本当は私もリンカを1人にはしたくないんだよ。でも施設が関係している以上、私はへたにリンカを信用する訳にはいかない。そして、今のリンカの言葉は本心か?
一度失った信頼を元に戻すのは難しい。もう一度信頼関係を築こうというのなら、それまで以上の行いをとらないといけない。
…と、そう言えたらいいのに。体はもう、そう言う準備ができているのに、私の魂はそれを否定する。
まだ、何かあると。
その瞬間、この瞬間を待っていたかのように空から誰かが降りてきた。そいつはリンカの前でしゃがみこみ、話し始めた。
「情けないなぁ。スマーロ様が言ってたよ?お前の家族にも手を出してもいいんだぞ、って。」
「だっ…誰よあんた!!」
リンカがそう言うと、そいつはにこにこしながら、ポケットから何かを取り出し、リンカに見せて、握りしめ、砕いた。
「君ももうすぐこうなる運命かもしれないよ?早く言われたことを実行しないとぉ〜。さぁさぁ、行っておいで!」
リンカは涙を流しながら、砕かれた何かを集め、避難したフランケンシュタイン族達の方へと行った。
「バズラ、私はリンカを止めるから、ここを任せてもいいか?」
私は目でリンカを追いかけながらそう言った。
「あぁ、頼む。」
「すまない、すぐ戻…」
私もリンカの所へ行こうとしたそのときだ。
今まで背をむけしゃがんでいたあいつが立ち上がり、振り返った。
その瞬間、私とカルミドは目を疑った。
「お待ちください、姉上。」
なぜならそいつは、
「姉上のお相手は僕です。」
私と瓜二つの顔をしていたからだ。
つづく。
次回の活動報告にシカズさんの容姿を書いて載せておきますので、ぜひご覧下さい。
次回もお楽しみに!




