3 願いの襷は今この手に。
「2 話の天気は曇りのち晴れ」の続きです。
シカズは施設のことについて考えるのであった。
一人のある者の願いを継ぎ。
バズラが帰り、私は部屋に1人となった。
最後は急に洞窟の話を出して話を切り上げたが、これ以上施設のことについて話すと私はきっと、じっとしては居られなかっただろう。
バズラが慌てていたのは心配だが、帰ってくれて良かった。
本当のことを言うと、あともうひとつ逃げ出してきた理由がある。
施設で出会った、一人の者が私に託したのだ。
ここからは少し、施設のことについて話そう。
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…施設でうみだされた魔物には入念なチェックがされるのだ。なぜチェックをするかと言うと、こうだ。
『このまま物として使っても問題と害は無いのか。』
『目標を達成できる能力を持っているか、いないのか。』
なぜ私が知っているか、疑問に思うか?理由は単純。ちらっと聞こえてきたからだ。施設の者の考えは残酷過ぎて何を目標としているのかは分からないが、関わったら恐らく実験の道具にされてしまうだろう。
私の他にも何名か同じ状況の魔物がいた。
その中でも数分で打ち解けた者、「リンカ」という名の子がいた。
ただ、不思議なことを話していたな…。
「私は強制的に転移させられてこの施設に来たんだ。…もともと私が住んでいたとこはね、この世界よりももっと発展している所だったの。…前の世界だと、家族もいたんだよ?お気に入りの場所もあったし…。家族との幸せがずっと、平行線のように続くと思っていた。だけどね、幸せは突然壊されたの。…シカズ。あなたには転移魔法を使えるようになって欲しい。そして、私の願いを叶えて?お願い。」…と。
「いいよ。リンカの願いなら聞く。」
「ふふっ。ありがとう。願いは2つ。ひとつは私の前の世界、ラミカトリーという世界に行って、私のことを家族に伝えて欲しい。…そしてふたつめ。」
リンカは少しためらってからこう続けた。
「…この施設を壊して。」
私はリンカの言葉を聞いて驚いた。
「この施設を壊す…?どういうことだ…?」
「それに…転移魔法をリンカも使えるようになって家族に会いにいけばいいじゃないか…」
そう言うとリンカは視線を落とした。
「もう、時間が無いの。」
時間…?と問いかけようと思ったのだがリンカは続けて話した。
「私はこの施設の13番目の道具。…でもここに居る者を数えてみて?今ここに居るのは私とシカズ、そして14番の子を含めて3人しかいないのよ。あとの11人はどうなったと思う…?…自我と魂を盗られて、この施設の者の指示しか聞けなくされたの。…酷い話しよね。なんでこんなことするんだろ…。」
そう語ったのとほぼ同時に施設の者が来てリンカの名前の替りの番号を読んだのだ。
「013。ついてこい。」
リンカは施設の者を少し睨んでいた。そして、ついて行く前に私に言ったのだ。
「シカズはそうならないようにね。魂を盗られないように。」
そう言いニコッと笑顔を見せた。…なんだよそれ、リンカがまるでそうなるみたいじゃないか。まさかな、そんなの…、、、嘘だよな…?
「わかった。その願い、必ず果たす。」
私とリンカの言葉はそこで途切れたのであった。そしてリンカは笑顔のまま、振り返ることなく施設の奥へと姿を消した。
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リンカとの約束が私が逃げてきたもうひとつの理由だ。
それがなんと今日の朝早くの出来事である。
体感的にはもう1~2日ほど経っているように感じるのに。
リンカはどうなったのかな。
…また、きっとどこかで会えるよな……?
リンカの願いを叶えてあげたい。
そう思い、私はこの施設から逃げ出し、施設を壊すことを決意したのであった。
これ以上、自我や魂を盗られて悲しむ者たちを減らすためにも…、、、。
私が今から動いて行かないといけないのだ。
だが…流石にカラハブにでもならないと無理であろう。ひとつの施設を壊すのだ。私やリンカがいた施設はあくまでも一部でしかなく、もっと多数存在するのだ。情報をこれから集めるのと同時に強くなって行かないと。…そう思うのであった。
リンカや私、他の子を傷つけた施設を
私は許さない。
つづく。
こんばんは!こんにちは!おはようございます!
ここまで呼んでいただきありがとうございます!
リンカさん、一体どうなったのでしょうね…?
この話は、先の話にも結構繋がってきます!
ですからこれからもお楽しみに!




