20 動きだす施設。
19話の続きです。
3日目の朝をむかえた。
天気は雨。物凄い土砂降りだ。昨日は今日の予定をたて、ある意味楽しみにしていた1日だったのにこの土砂降りじゃ気分は落ちるし、楽しみだった今日はそうではなくなった。
私は起きて、少し外を眺めてから部屋を出た。
「ふわぁ…おはようカルミド。」
私は大きな伸びとあくびをした。カルミドは先に起きていたみたいだ。
「おはようございます、シカズ様。朝ごはんの準備ができておりますのでどうぞお席に。」
「あ…あぁ…ありがとう。」
なんかカルミドの雰囲気が変わってる。
そう思いながら席につき、朝ごはんをいただく。
朝ごはんはどこから手に入れたのか知らないが、サクサクのパンとお野菜とスープだ。優雅な朝ごはんだ…。きっと外からは鳥のさえずりが…。
…。
サクッと1口パンをいただく。
…!!なにこれ!すごく美味しい!外はサクサクなのに中はふわふわ。
「カルミド、これはなんだ。」
「えっ…ぁ、お口にあいませんでしたか?それなら大変申し訳ござ…」
「あぁー!違う違う!!とても美味しいから気になったんだ!」
「それはよかったです。昨日シカズ様がお眠りになられてから少しして、国の兵士さんが「あのー…カボチャ殿はおられるか?今日助けてもらった兵士の者だ。ぜひこれを渡してほしい。」…って言って渡してきたのがこのパンです。」
「兵士…?助けた記憶などな…。あぁ!!あいつらの1人だな!」
そう、きっと回復魔法で助けた1人だろう。他に助けた覚えなんてないし。とても良い物をくれたな…。あの時助けて良かった〜!いい人だ!
「どなたかはわかりませんが、まぁいい人です!きっと!」
うんうん。カルミドも同じ考えだな。
それから私は食事をすませて、街に出る準備をした。
「カルミド、少し街にでてくる。」
そう伝え宿から出ていった。
「…お気をつけて。」
私は歩いて城の方へと歩き出した。
少し霧がかかった街の道にはまだ誰一人といない。朝日が山から顔をだし、街をてらした。街の広場にあるベルが鳴り、時計の針が6を示すと、灯りが家に灯り始めた。
すると人々は家から顔をだし、「おはよう。」と挨拶をしている。
ハロウィンまであと4日。もうこれ転移魔法絶対獲得できないじゃん。無理じゃん…。
そんなことを思っていた時、城の方から兵士が沢山歩いてきた。色んな人が道を開けたので、私もそれに合わせる。
手と足がピッタリとそろい、足音が静かな朝に響く。見ていて美しい。
見とれてしまっていたのか、周りの人々が頭を下げていたのに気づかず、私一人だけ目立ってしまった。そのため、兵士の隊長のような者が剣を取りだした。そして、その剣を私にむけた。
「そこの者!我々が通る時には頭を下げると散々言ったであろう!」
いや、初耳っす。
「また我々が通り終わるまで頭を下げろ!!」
嫌です。
「返事をしろ!!」
「…はぁー…。わかりましたー。」
こういう縛られた感じ、めっっっちゃ嫌い。嫌いだし苦手だ。なんで頭を下げないといけないんだよ。
「誰かこいつを城へ連行しろ。」
…はい?
「ちゃんと返事をしたではないか。聞こえなかったか?」
ちょっと食い気味に言い返す。すると、兵士の一人が隊長に…
「隊長!こちらのかたは昨日、国を襲ってきた魔物を倒し、我々を助けた方でございます!そんな方をそのように扱って良いのですか!?」
「なっ…この方が!?…失礼致しましたシカズ様。ネミル様からお話は伺っております。先程の無礼な発言、行動はどうかお見逃しを…。」
「…別にあんまり怒ってないし気にするな。…だが次はないと思え。」
最後にボソッと呟きその場から去った。くぅぅー!!見たか!?あの隊長のやばい!って顔!!ふははははっ!
…え?何?性格悪いって?そうだよ。性格悪くてごめんなさいね!?でも私はそういう者なんだ。仕方ない仕方ない。
一方その頃城内では…。
「…で、どうだ?あの魔物を私達に渡してくれればいいのだが?」
「ふむ…。悪い取引ではないが、今はお断りさせてもらおう。お前達のミドアロー施設に連れ帰すと、かえって激怒させてしまうだろうからな。特にあの転移者に合わせると余計にな。」
「あの転移者とは…リンカのことですかな?はははっ!リンカはもう魂も自我も残ってない。そう、あの魔物も同じようにすればいずれは世界を奪えるぞ…?な?そのためにも…」
「んー…。」
ライダブスと話していたのはミドアロー施設のシカズを担当していたスマーロだった。
ついに施設はシカズが逃げ出してから3日目で連れ戻す体制を整えたのだった。
つづく。
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