12 魔物の軍のボス、ゲラーカン。
「11 魔物の軍、襲来」
の続きです!
「この国に手出しはさせない。」
私がそう言うと魔物の軍のボスは掠れた声で笑った。
「カッカッカッ!面白いことを言うかぼちゃだのう。そなたの名は?」
「…シカズ=パンプキン。」
「うぬ…?シカズだと?そなた、ミドアロー施設でうまれたのか?わしはその施設に魂を提供し、協力していたドクロ族のゲラーカンであるのだ。」
こいつが…施設の協力者…!?
まさかもう出会うなんて…
「詳しく話を聞かせてもらっても?」
私は声のトーンを低くして聞いた。
「カカカ!今から戦う敵に情報をばらすやつがおると思うか?」
流石にダメもとで聞いたことだ。力ずくでも聞いてやる…!!
「そうか。それなら少し痛くしないとダメなようだな。今話したら痛くないように殺してやろうと思っていたのに…残念だな。」
「そなたはわしを甘く見すぎではなかろうか?…わしの力、思う存分くらうがよい!!」
そう言うと、ドクロ族代表魔法、「スカル」を放った。ちなみに、代表魔法というのは、その種族全員が生まれながら持っている魔法のことだ。威力は種族によって強いか弱いか変わる。ドクロ族は魔法自体の速度は早いが、威力は弱い。
「その程度の魔法が私に通じる訳ないだろ。」
私はそう言いバリアを張る。そして、ゲラーカンの攻撃は私のバリアに吸収された。
「昨日うまれたばかりなのに中々やるのぅ。そなたなら少しは楽しめそうじゃ。」
「なめないでもらえる?」
私はそう言うとグラビティデリートを唱えた。
動きを鈍くするため、ゲラーカンの周りの重力を消したのだ。
「ほう。動きを鈍くさせるためか?完成度の高い魔法じゃ。一体、ミドアロー施設はそなたにどれくらいの魂を詰め込んだのか…。」
「…魂を詰め込んだ?何を言っているんだ?」
私はまだカルミドとカノミドの魂しか盗っていない。
っていうか、そもそも魂を盗れるようになったの昨日だし。
「ぬぬ?そなたは知らぬのか?自分がどうやってうまれたか?」
知ってるわけないだろ。昨日うまれたばっかでまだこの世界についても全然知らないのに。
「魂とそなたの体となる肉体を統合させてつくるのだ。…そなたがうまれて2日。それにこの力…おそらく、10人程の魂が使われたのではないか?全く、贅沢なことをするもんだ。普通なら1人に対し、1つの魂なのに…。」
「10人…?」
10人…?どういうことだ。
"私は10人の者を犠牲にしてうみだされた。"
とでも言う…ことか?
…なんでだよ…なんで私が…。そんなことも知らずに1日をおくっていたのか?
激しい感情でまた私の頭がいっぱいになる。
もうこうなったら施設の者も、関係者も、全部全部壊してやる…
「わしらの労働も考えてほし…」
こいつ、まだ話してたのか。私はギロッと睨んだ。
「フレアホール。」
そして、フレアホールを放ったのだ。その攻撃はゲラーカンをめがけて鷹のように飛んで行く。喋っていたゲラーカンは口を止め、かわそうとするが、無重力状態なので動きが鈍くなり、かわすことができず直撃した。
「ゲホッゲホッ…カカカ…凄い攻撃だ…。一部の骨が跡形もなく消えてしまうとはの…。」
「さぁ、情報を渡せ。」
私は声のトーンを変えてゲラーカンに言った。
「それは無理だ。」
…まだ拒むのか?私はゲラーカンの足を切り落とした。
「次はどうなるかわかっているよな?さぁ、情報を渡せ。」
ゲラーカンは渋々私に情報をバラした。
「…情報はこれで全てじゃ。」
「…そうか。」
私はゲラーカンに手を向けた。
「なっ…!情報を全てバラしたのだぞっ!?わしを殺す理由がないではないか!」
「ある。その理由を考えながら死ぬのだ。お前の情報、役にたった。」
「サクリファイス。」
ゲラーカンは弱りながらも抵抗してきた。
あーもうだるいなぁ!!!なんだよっ!!
その時だ、ゲラーカンのオーラが出てきて体にまとわりついた。…その姿はまるで骨の姿となる前の肉体をもったゲラーカンのようで、黒く長い頭髪をしていた。
「やれやれ。わしの真の姿を見た以上そなたには消えてもらう。」
何を言っているんだよもう!!!いい感じに終わりそうだったじゃん!!
心の中で叫んだ。まぁどうせ体力も強さも変わってな…。
って!めちゃめちゃ強なってんじゃん!え、これ私勝てるかな!?
「さぁ、強くなったわしに勝てるかな?」
私は冷や汗を1滴たらした。
つづく。
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