11 魔物の軍、襲来。
「10 共存の道は現実か?それとも夢か?」
の続きです!
人間の国に魔物が1人混じっている。
そんな情報が流れ始めたお昼頃、街の中で1人浮いている存在の者がいた。
そう私、シカズだ。
国王ライダブスが過去に苦戦して戦った魔物が復活するらしいから今はその事について街に出てなにかないか探しているところ。街はガヤガヤしていていい雰囲気だ。楽しそうな子供の声も聞こえてくる。
「トリックオアトリート!!お菓子をくれなきゃイタズラするぞ!!」
「もぉーまだハロウィンじゃないでしょ!」
「へへっ、でもハロウィンになったらいっぱいお菓子をもらおうな!」
「うん!」
ふふ、楽しそうだ。ハロウィンか…お菓子を貰ったりするのか?
私たち魔物にとっては魂をとる絶好のチャンスとしか思えないのだが。
「いい?2人とも、ハロウィンを楽しむのはいいけど、魂を盗られないようにね。気をつけて。」
その子らの母親がそう言った。
やはり人間は魔物を敵視しているのか?
ただ、ハロウィンでうかれているのは子供だけじゃない。大人もそのようだ。
どのお店を見てもハロウィン1色に染まっている。
"ハロウィン祭まであと5日"や、"ハロウィン祭を楽しもう!"などのポスターで街は埋もれていた。
ハロウィン祭っていうのがあるのか?気になる!1度参加してみたい!
まぁ、私が魔物と知ったらきっと、怖がられたりするかも知れないが。
「わぁ!見て!かぼちゃがいるー!」
…え?
「ほんとだぁ〜!かぼちゃだぁー!」
…えぇ?
一斉に子供達が私の元へと集まってきた。そして…
「トリックオアトリートぉ!!お菓子をくれなきゃイタズラするぞ!!」
「はぇ?」
お菓子…?そんなの私が持ち合わせている訳ないだろ…?
「すまない。持ち合わせていないのだ…。」
私がそう言うと子供たちがニヤついた。
…え?なになに…怖い怖い。
「それじゃぁ〜イタズラだぁ〜!!」
・・・はぁ?
子供たちはイタズラをしてきた。イタズラと言ってもそんなされて困ることなんてないし。もちろん相手が子供なので私は手を出さないし、逃げもしない。
…が数分後。
「痛ァい…痛い痛い…」
そう言ってうずくまっているのは…私だ…。
子供相手だからといって油断しすぎた。このっ…!!
初めは良かったよ、ポカポカと叩いたりするだけだったから。良くないのはこれからだ。私の被り物の目に手を入れてきたのだ。そしてその手が私の目に的中。
子供はニコニコ笑顔で
「目潰しぃ!!!」
どこでそんなのことを覚えたんだよ…。
親の顔が見たい。
…そして、今の現状にあたる。
「きゃはははは!!」
子供達は笑う…。悪気は無いと分かっているが腹がたってきた。
「はいはい、降参です。」
「へへ!やったね!僕達の勝ちだぁー!」
まぁ、楽しかったならなんでもいいや!
その時だ、何故か危険察知が働いた。
「魔物…か?なんだ?」
私は立ち上がり魔物を探す。その量…まぁまぁ多い。
「魔物の襲来だー!!!その数、およそ60匹!!兵士はすぐに集まり、民は避難せよ!!」
魔物の襲来?
「魔物だって!!魂を盗られちゃう!!」
「逃げないと!!」
国民や子供達が城へと避難する中、私はその流れの逆方向、魔物のいる方へ向かう。
「ねぇねぇ!逃げないと!!どこ行くの!?」
子供達はそう言う。
「…安心しろ。君たちの魂は私が守ってやる。」
そう言うと子供達は私の手を握ってきた。
「どういうこと?ねぇ!!」
「…。」
兵士が倒れる音が聞こえてくる。
人間にとって、これはかなりやばいかもしれない。
その時、私の目に魔物の軍のボス的な奴がみえた。
「お前達、早く逃げるんだ!!」
「でもかぼちゃが…!」
「私のことはいい!!早く行くんだ!!」
子供達も…この国の者は分かっていない。何平然と突っ立っているんだ。あいつは魂を盗る気だ…!!
「皆の者!早く避難するのだ!魂を盗られるぞ!」
私がそう呼びかけても誰も動かない。
人間達は分からないのかっ!?
自分が今、どんな状況にいるか!
ボスが魂を盗る攻撃を放った。
まずい。このままじゃここにいる者たちが…!
私は広範囲防御魔法をだす。
「イクスパンシィヴバリア!」
「かぼちゃ!?」
もうこうなったら他人の目は気にしない。
私は魔物だと主張するように魔法を使っていく。
バリアでボスの攻撃を防ぎムーヴで移動する。
ここで私が倒したらこの国での魔物の差別はそこまで酷くなくなるだろう。それと同時に私の評判も上がるだろう…ふっふっふ。
私はボスの目の前に移動した。
「この国に手出しはさせない。」
つづく。
こんばんは、こんにちは、おはようございます!
もしよろしけれブックマークなど、よろしくお願いします!次回もお楽しみに!