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二日目 その七

 母親が自分の家族にトラウマを刻んでいることが分かってしまいましたね。

 そういえばレズ君はトラウマになっていないんでしょうか?



>「………その、お前はトラウマになっていないか?明日から魔法の訓練が無理そうだったら道場で鍛えていても良いからな!?道場で指導している者達も回復するのに何日か掛かった者もいるし」

>「そうよ。無理をするのだけは止めるべきよ!」


>二人の反応にレイダーは溜息を吐く。

>たしかに母親の訓練は精神的に辛いが病院で生活していたことを思い出せば平気だ。



 なんか重いことを言い始めましたね。

 病院生活だったかなぁ。

 ある意味、生死に一番関わっているかもしれない場所ですし。

 同じくらい生死に関わっているとしたら、他は戦場ぐらいだと思っています。



>その事を告げると二人は微妙な表情を浮かべる。

>病院生活は母親の訓練と同じぐらい精神に影響を与えてしまうのかと、少しだけ恐怖を覚える。


>「………病院生活はそんなに辛いのか」

>「……やっぱり健康体が一番ね」


>二人はこれからも健康体を維持することを決意した。

>そしてレイダーは、そんな二人に苦笑した。



 二人ともレズ君の話を聞いて健康体であろうと決意したようです。

 そうでなくとも健康であることは大事なんですが。

 どれだけ母親の訓練がトラウマになっているのでしょう。

 それよりも何時までも訓練の事を話していないで夕食を食べに行きましょう。

 時間もそろそろ良いはずです。



>レイダーは夕食を食べにリビングへ行こうと誘う。

>二人もそれに頷き、一緒にリビングへと向かった。



 真面目に考えるとやっぱりシュールです。

 レズ君の後ろに二人がぴったり並んでついています。

 これが四人や五人と行ったら、全員がレズ君の後ろに縦に並んでついて行くのでしょうか?

 一直線になるとまるで団子の様に見えてきます。

 まぁ、何もやることは無いですしリビングへと直進しましょう。



>レイダーたちはリビングの中へと入った。

>中には肉をメインにした料理がテーブルの上に所狭しと並んでいる。

>昨日よりも肉が遥かに多い。



 真面目に肉が多いです。

 肉ってかなり腹が膨れるんですが本当に食べきれるんですか?



>「三人ともようやく来たわね。それじゃあ早速、ご飯を食べるわよ!」


>料理の量を前にして平然としている三人。

>レイダーは昨日と同じように、料理の量の多さに引いてしまっている。



 本当にこれって食いきれるんですか?

 普通はこれって四人で食いきれないだろ?



>「さてと早速、食べるわよ」

>「そうだな。レイダーも食事をして忘れたら良い」


>二人の言葉に苦笑してレイダーたちは座る。

>そして頂きますと言う言葉と同時に勢いよくテーブルの上にあった料理が消えていく。



 マジで凄い速度で料理が減っていきますね。

 瞬く間に消えて行きます。

 ちなみにレズ君はあっという間に消えていく料理に唖然としていて全く口に入れていません。

 食事風景を眺めているだけです。



>「悪いけど、おかわりをくれ」

>「おかわりをお願いするわ」

>「お代わりを頼む」



 しかも、おかわりを頼んでいます。

 フードファイターでも目指しているんですか?



>「レイダーも見てないで食べなさい。いくらでも量はあるんだから」


>母親の言葉にレイダーもようやく食べ始めた。



 一人だけ食事の時間が違う。

 レズ君が一品、食べている間に他の三人は四、五品を口にしています。

 どんだけですか……?



>レイダーは腹がいっぱいになったのかお腹に手を当てた。

>他の三人はまだまだ食っている。

>食べる量も速度も、自分より圧倒的な光景を眺めていた。



 食べるのも訓練だと、これを見ていると理解させられますね。

 このまま食べ終わるまで待つことにしましょう。

 それにしても俺も見ていたら腹が減ってきましたね。

 飴でも舐めることにします。



>「ふぅ、食べ終わった。途中からレイダーは食べていなかったが頑張って食べれるように努力した方が良いぞ。食事は身体の基本を作るのに重要だからな」


>父親の言葉にレイダーは頷く。

>普通は食べ過ぎたら太るものだが、家族のだれ一人もあれだけの量を喰っていて平然としている。

>メイドや執事たちも平然としていることだから、これが普段の食事風景だと改めて理解する。

>同じ血を引いている自分も食べても太らない体質だろうとレイダーは安堵する。

>肥満で病院に来り、入院する者も見たことがあるレイダーにとっては幸運な体質だ。



 わかる。

 俺の祖父も太り過ぎて病院に入院していました。

 戻ってきたら、かなり痩せていて驚きましたね。

 二十キロは痩せていたはずです。



>「それでレイダー、貴方は明日は魔法の訓練をするのかしら?するのなら、いくつか魔法を教えるつもりだけど」


>レイダーは魔法を教えてもらうと聞いて目を輝かせます。

>ようやく魔法を使えることが出来るのだと期待で一杯だ。

>今日の訓練の辛さなんて吹っ飛んでしまう。



 これは、もしかして瞑想が食事の後に出来るのでは!?



>「その代わり今日も一緒に寝ましょうね」

>「待て!今日は俺と一緒に眠る筈だろう!?」


>母親の条件に父親が反応する。

>一緒に眠るのはズルい、と。



 いい年をしているからレズ君は恥ずかしそうですね。

 昨日も母親と一緒に寝るのに頷いたとはいえ恥ずかしがってましたし。



>「なら三人で寝れば良いじゃない。私は遠慮をするけどね」


>姉のスイレンの言葉に二人ともたしかにと頷く。

>そして互いに顔を合わせて頷き合った。



 これはスイレンの意見を受け入れるみたいです。

 夫婦仲が良くて何よりです。

 最悪、自分だけが独占すると言い出さなくて良かったです。



>「スイレンも一緒に寝ないのかしら?」


>父親は母親の質問に目を輝かせてスイレンを見る。

>だがスイレンは嫌そうな顔を浮かべた。



 年頃の娘が父親と一緒に寝ることに反感を抱いていますね。

 嫌悪の感情を隠してもいません。



>「母上ならともかく、父上と一緒なんて嫌よ」



 辛辣ぅ!!

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