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第3話 ケモ耳ロリっ子ギルマス

あれから30分ほど歩いてようやく西の大国とやらの門まで到着した。

先程まで居たダンジョンまで片道徒歩30分などと言う距離は女の子2人には酷な道だと思っていたが、なかなかどうして俺よりも意外とケロっとしている。若者ってすごい…。


「あぁ!貴方達は新人冒険者の…!よく無事に帰って来たね!ひとまず、こんな時に言うのも心苦しいんだけど決まりだからね。身分証を提示してもらっても良いかい?」


ふむふむ。やっぱ、こう言う所はちゃんとしてるんだな。

ん?身分証…??

とりあえず免許証と保険証はあるが…。


「うん、ちゃんと失くさず持ってて偉いね2人とも。下手な大人よりも偉いよ…。よく居るんだ。身分証失くして延々とゴネる人…。

さっさと、正規の手続き踏んで入国した方が早いのにね…。んで、そちらの方も身分証を見せてもらえるかな?」


とりあえず免許証で良いか。


「あの…、こちらは何でしょう…?

見たことない国の言語に貴方の肖像画が入ってるこの硬い紙は…?」


あれ?おかしいな…。明晰夢のくせに思い通りにならないぞ…。


「えーっと、ここが私の名前で、ここが誕生日、こちらが住所になります。」

「この文字はなんと読むのです…?」

「えーっとこれはですね…。」


色々と説明して見るがなんというか雲行きが怪しくなって来た。


「2人とも。こちらの方は?」


頼む!2人とも!!俺の身分を証明してくれ!!


「この方は私たちをダンジョンで助けていただいた命の恩人です。

変わったお召し物に、【黒髪】でしたので偉大なる魔法使いの方だと思うのですが…。

実を言うと私もさっき知り合ったばかりなので、まだ詳しいことはあまり聞いてないのです…。」

「命の恩人…か。と言うことは君と共にあのダンジョンに出向いた冒険者は…?」

「はい…実はあの洞窟にミノタウロスが潜んでいまして…。そのミノタウロスに皆、襲われて…。そのまま…。その為、急ぎこのことを報告せねばとすぐに帰って来た次第なのです…。

あとは、こちらの方も恩人ではありますが、おっしゃるように見たことない言葉や道具を保有していたので…。」

「なるほど。了解した。」


ある程度会話が済んでから、門番が俺に武器を向けたまま向き直る。


「この子達の命の恩人さんに武器を向けるのはとても心苦しいんだが、何かされても困るからね…。ミノタウロスを倒すような貴方に私が相手になるとは思ってないけども…。

ひとまず、君を彼女達に同伴させた上で入国させるには、ギルマスに報告した上で他国からの不法侵入者扱いで入国させるしかないんだ…。

それが私にできる精一杯の処置であることを理解してほしい。

ひとまず、ギルマスに対面したら色々と説明すればなんとかしてくれるとは思うから。

あの人が可愛がっているこの子達の恩人となれば、きっと良くしてくれる筈だ。

ただ、とりあえずごめん。手首だけは拘束させて欲しい。」


ふむ、仕方ないな。とりあえず俺は門番に両手首を差し出し手錠をかけてもらう。

人生初手錠だ。夢の中だけど。


「私も、信用してもらえるならなんでもしますよ。ほんとはもうここまでで関わるのやめたいとも思っては居ましたが、一向に夢から覚める気配もないので…。

あぁ、あと私の荷物や装備品はひとまず彼女達に預ける方が信用してもらえるならそれで構いませんよ。」

「いえ、そこまでは結構です。

貴方が嘘をついてないことや悪い心を持たない事は既にスキルで見通してますので。

あとはギルマスの決めることです。

二人とも。この方をギルマスのところへ連れて行ってあげてください。

こちらからは水手紙で連絡を入れて置いてありますので…。」

「わかりました。門番さん、いつも遅くまでお疲れ様です。」


少女戦士は門番に一礼して、俺をギルマスがいるという西のギルドへと案内することになった。

恩人にかけられた手錠を引いて…。


お互いに心苦しいがここは仕方ない。


「迂闊でした…。あなたの素性を先に聞いておくべきでしたね…。

きっと、何か訳があってここへ亡命してきていたとかだったんですよね…?

すみません…。私のせいで…。」


うーん、さっきからずっと思っていたが俺のこの夢の世界での設定はどうなってんだ?

ほんといつもの明晰夢とはまるで勝手が違う…。


「いや…。おそらく貴女が思ってるような事は何もありませんよ…。

私は気が付いたらあの場所に居ただけで、どっかから亡命してきたとか命を狙われてるとか逃げてきているという事はありませんので…。」


などと会話していたらもうギルドに着いたらしい。

思っていたよりもすぐに到着した。

15分くらいは歩いたかな?

ギルドは門を抜けて街の中心になるように配置されているようだ。


そして、ギルドの前の扉に立ったその時だった。


「にゃぁああああああ!!」

「まそっぷ!!」


勢い良く扉が開かれて俺は吹っ飛ばされた。

いやもう盛大に。

やったね俺。やっと夢から醒めるよ。


と思ったが、やっぱ夢は醒める気配がない。


ちなみに少女戦士ちゃんは咄嗟に回避したようで視界の奥にいる。


「戦士ぃぃいい!魔法使いぃいいい!どこにゃああああん!」

「あ、ここですここですギルマス…。」

「た、ただいまです…。」

「二人ともよく無事だったにゃ!んで、水手紙で報告のあったお二人の恩人はどこにゃ?」


二人が指を指しているのが見えた。


「おう…。やっちまったにゃ…。」


とてててて~と可愛く走り寄ってくるケモ耳っ娘。

やん!何この子めっちゃ可愛い!

なでもふしたい!


「えーっと、とりあえず無事です。恩人です。」

「ご、ごめんなさいにゃぁああ!

すぐ手枷も外すにゃ!お礼するにゃ!お茶するにゃ!もてなすにゃぁ!はやくいくにゃ?」


うわ、ぐうかわ。

なにこの生物。

そして布面積が少ない。

ビキニにパニエつけてる感じ?の衣装がエロ可愛い。しかもロリ巨乳。

ギャップ萌えってやつだな。

さすが俺の夢。パナイの!


とりあえず、可愛らしい赤毛の猫耳っ娘は「てやっ」とすぐに手錠を外し、俺の手をそのちょこんとした手で引いてギルド内へ案内してくれた。


というか会話を聞くにこの子がギルマスなのか。

ちっちゃいけど意外と歳を重ねてる的なアレなのだろう…。


ひとまずギルマスの部屋へ案内され俺たち3人はソファへと座らされた。


「さて…。まずは2人ともよく無事帰ってきた。

先程、門番からの水手紙である程度の報告は聞いている。

門から一番近い初級ダンジョンにミノタウロスがいた事。

そのミノタウロスにより、君たちを先導していた先輩冒険者が全滅。

戦士ちゃんも重傷を負ったが、そちらの魔法使いさんによって完璧なまでに治癒。

ミノタウロスはそちらの魔法使いさんが討伐。

それにより魔法使いちゃんは無傷。

私が聞いてる報告は以上だが相違ないかな?」


相違はないが、俺にとってはさっきまでのにゃんごにゃんご言ってたキャラに相違があります!!

とすごく突っ込みたい。小一時間突っ込みたい。


「はい、その通りです。相違ありません。」

「そして、そこの魔法使いさんは魔法使いさんではないかも知れないと…。」

「えーっと…、自分で言うのもあれですがおそらく…。」

「ふむ…。ひとまず、君の持ち物を改めさせてもらっても良いかな?」


俺はカバンの中身や携帯やら身につけてたアクセ、上着を脱いで、危険性がないことを伝えようとする。


「うーん…。何もかもが初めて見るものばかりだが…貴方は行商人か何かかい?

アクセサリー類が妙に多いし…。あとこの辺は…ふむ…魔力は何も通ってない。

ただのハサミなどの道具か…。」

「どこでも好きなアクセを作れるように持ち歩いてる工具です。

使いようと言われれば何も否定できないけど、武器として保有してるものではありませんよ。」

「なるほど…。片付けてもらって結構だよ。ひとまず、単刀直入に聞こうか。君は何者なんだい?」


何者と聞かれてもな…。

俺はただ夢を見てるだけのはずなのだが…。


「うーん…。そこが一番返答に困るんですよね…。

先程から考えていたのですが私はさっき…と言うか数時間前に熱中症で倒れて、気がついたらあのダンジョンの中にいて、あとはさっき貴女の口からも話した通り…。

ダンジョンに来る前はいつも通り、駅前を歩いていただけだし…。」

「ふむふむ。気を失って倒れたらダンジョンの中に転移していたと…。だがあれは初級ダンジョン…。転移陣トラップなど設置されていないしなぁ…。どこまで信用するかと言う点においてはスキルを使って見通してるから嘘をついてないことはわかっているけど…。あと、その帽子を取って良く髪を見せてくれるかい?」


髪…?そういえばさっきも黒髪がどうこう言ってたな…。


「艶やかでサラサラの黒髪。やはり尋常ではない魔力がある…。

これだけなら明らかに大魔法使いクラスの人間という事はわかるが、記録にある純粋なまでの黒髪の魔法使いで今も生きているのは東の魔女くらいだし…。は!もしや東の魔女の息子さんとか!?

なるほど…、それなら身分を隠してここに来ているのも分からなくもないが…。

いやだが、たしか東の魔女は何百年も前から「私は異世界人としか子ども作りたくないから処女を貫く!」ってこの前も言ってたし…。

あの人の性格的に子どもや異世界人の旦那がいれば一目散に見せびらかしに来るはず…。」


などとブツブツ言いながら、ずっと髪を撫でている。

流石に小っ恥ずかしくなってきた…。


「と、とりあえずそろそろ手を離してください。たしか嘘がわかると言ってましたよね。

まず、私はその東の魔女さんを知りません。

魔力に関してはあると言われても私にはわかりかねますし、この黒髪は生まれつきなので…。」

「なるほどなるほど。となれば、いや…でもなぁ…。

とりあえず、君には明日にでも東の魔女に会いに行ってもらおうかな?

その方が色々と早いだろう。あの人は専門家だし…。とりあえず今日はその子達のお部屋に泊まらせてもらってよ。今、空き部屋もないから。

それに万が一記憶を消されてるとかで東の魔女の家族とかだったら色々と私の身が危険になるからね…。」


ふむぅ…。しかし、流石に疲れてきたし喉も渇いてきたし腹も減ってきたな…。


「うんうん、そうだよね。とりあえず食事を用意させるよ。一応、ここでは私が許可した客人と言うことにしておくね。あと、東の魔女には私から水手紙で連絡しておくよ。」

「ごめん、もしかしてだけど俺の心…読めるの…?」

「うん、読めるよ?さっきからもう、色々と言ってくれちゃって~♪照れるにゃっ」


………。


「そりゃ、こうやって他国からの犯罪者が侵入してきた際に尋問するのも私の役目だからね。

こう言うスキルは必須なんだよ。

しかし…さっきから夢だ夢だと言ってるけど、余程何かあったか疲れているのかな…?

大丈夫?おっぱい揉む?確かめるにゃ?」

「そう言う揶揄い方はやめてください…。」


というか言わないかのところで腕を掴まれぐわしとそのロリ巨乳を揉まされた。


「これでも夢だと言うのかにゃ?」

「えぇ。こう言う明晰夢はよく見ますので。」

「…。嘘だろ…?おっぱいの感触なんか普通は夢でもこんなにふかふかしてないはずにゃ!

もっと揉むにゃ!感触を堪能して夢じゃないと認めるにゃ!現実逃避やめるにゃ!!」


なるほど。テンション高い時は語尾に「にゃ」がつくのか…。


「良いから揉みしだくにゃー!」

「ギルマス…。発情期か何か知りませんが大概にしてください。その、子どもも居ますので…。」


うわ…。めっちゃキレてる…。さすがおねぇちゃん…。


「ごごご、ごめんにゃ…。

こほん!とりあえず、あんたが夢だと思ってるこれは夢じゃないにゃ!現実にゃ!さっさと認めるにゃ!」

「ははは。ないない。根拠すらない。」


しかし…。ひさびさに触った女の子の胸…。柔らかかったな…。


「夢かどうか確かめたくなったらいつでも揉ませたるにゃよ?」


そういえば心の声も聞こえるんだった…。


「ふーたーりーとーもー??」


「「ご、ごめんなさい…。」」


ひとまず俺たちは皆で食事をとるため、食堂へ向かうことになった。

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