少女告白シークレット 6
少年たちは驚愕した。
「じょっ、冗談じゃねえ!! 何でここにあいつがいるんだ!?」
『冗談でしょー!? 下手すりゃ今日がボクの命日かーっ!?』
『崩壊組』の青年は戦慄した。
「は、はあああっ!? なんっ、何だってあの野郎がここに来やがるんだよ!?」
『治安維持隊』のベテランは拳を突き上げた。
「……この振動。来てくれた。あの人はやっぱり来てくれた!!」
四繕苛木は城の中で戸惑った。
「何だ、この揺れは? 先ほどのものとはまるで違うぞ……!?」
そして。
薄暗い場所で、モニターを見ていた彼女は恐怖した。
「………………な、んで。なんで今、彼が来るのよ……!?」
一瞬にして『街』全域を支配する熱気。どろどろとした溶岩がのたくり、辺りを目晦ましのように白い水蒸気が席巻する。
その真っ白な煙を割いて、現れるのは一人の男。
特徴的な黒詰め襟を自前の筋肉で内側から大きく膨らませ、膨大な量の溶岩の中でも汗一つ流さず、仏頂面で悠々と戦場に割って入る。
彼は。
彼の名前は。
「『「「出ヶ島、仁!?」」』」
『治安維持隊』隊長。
『豚汁』を興した『最初の六人』の一人。
『溶岩流鎧』の出ヶ島仁が、戦乱の『街』へと降り立った。