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花という名の少女
「今日からここがあなたの新しい家です。」
目の前の少女は目を大きく開いて瞳をきらきらさせてその美しい庭園を眺めていた。
《ここの庭の管理は誰がしているのですか?》
「前にいた庭師さんがしてくれていたのだけど、故郷に帰ってしまってね。」
そう言うと、少女は少し悲しそうな顔をした。きっと、この庭が荒廃していく様子を頭に浮かべたのであろう。
「大丈夫よ。この庭はあなたにあげます。自分の好きなようにこの庭を育てなさい。」
《はい、シスター》
少女は明るい笑顔を取り戻すと、庭の中へ駆けていった。