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サマノ村

 俺は今ハックの馬車の荷台の中で干し肉を食べながらガルドから冒険者になるための心構えなどを教えもらっていた。

 干し肉は気がついてからなにも食べてないと伝えると売り物から少し分けてもらえた。

 ちなみに俺は記憶喪失で身元不明となっているので他の職に就くのは難しいらしく、冒険者の方が手っ取り早いようだ。


「スキルには3種類あってクラスによって覚える習得スキル。産まれながらに各々持っている個別スキル。武器、防具等に付与されている付与スキルだ。特に大事なのは個別スキルだ。このスキルによって人生が決まると言っても過言じゃねぇ」


 個別スキル俺の【スキルコピー】【鑑定】、ガルドの【剛腕(中)】、ハックの【道具鑑定】。それぞれ産まれた時から1個~3個を持っているらしい。そのスキルにより自分にあった職に就くみたいだ。

 STRを常に上げるパッシブスキル【剛腕】を持っているガルドは冒険者に。道具の名称、質を見る事ができるスキル【道具鑑定】を持っているハックは道具屋に。故に個別スキルは重要視されるらしい。

 俺みたいに他人のスキルを見る事ができないみたいだ。俺の【鑑定】は人や道具にも使えるからハックの【道具鑑定】の上位互換とみていいな。

 話を聞くかぎり俺の持っている個別スキルはどちらもチートっぽい。

 習得スキルだけでなく個別スキルもコピー出来たのだ。今の俺のステータスはこんな感じ。


 カザマ ハルキ 16歳 男

 村人Lv2


 スキル

【バイセクト】【ブースト】【ラッシュ】【バーストラッシュ】【クラック】【ブリューナク】【スキルコピー】【鑑定】【剛腕(中)】


 武器

 ブロンズソード


 装飾品

 牙の腕輪


 武器のブロンズソードはハックが使っていた物だ。なんでも護身用で持っていただけなので、護衛をするならあった方がいいと言ってきたので貰うことにした。今は鞘に納めて腰に提げている。

 コピーしたスキルはこんな感じ。


【剛腕(中)】

【自身のSTRを常に上げる】


【バイセクト】

【自身のSTRを一定時間上げる】


【ブースト】

【自身のSTR・VITを一定時間上げる】


【ラッシュ】

【STRを上げた状態で敵一体に攻撃する】


【バーストラッシュ】

【STRを多く上げた状態で敵一体に攻撃する】


【クラック】

【自分を中心に一定範囲に攻撃する】


【ブリューナク】

【必中攻撃。遠距離からも攻撃できるが距離が長い程威力が下がる】


 これで戦闘が大分楽になる。


「冒険者になるならまずはクラスだ。クラスアップには一定の以上の強さがいるが、おまえさんならすぐだろう。クラスアップはギルドで登録したら銀貨1枚払えばできる」

「一定以上の強さか、レベルはどのぐらいなんだ?」

「レベル? ああ、武器とかの強化の事か」

「え?」

「ん?」


 訳がわからない話の流れからして自分のレベルだろうに。


「…………自分や他人のクラスはどうやって知るんだ?」

「それならこのギルドカードを見ればわかる。これはギルド登録したら貰えるもので、これが冒険者としての証拠にもなる。もちろん偽造は重罪、最悪死刑になるから絶対にするなよ」


 ガルドから銅色のカードを渡された。


 ガルド

 ウォーリア ギルドランクD


 なるほどクラスは書かれているがレベルは書かれてない。レベルの概念がないのか、もしくはレベル鑑定のようなスキルがあるか。

 ハックのレベルの横の★はクラスアップの目印なのかもしれない。

 当面の目的はレベルアップになりそうだな。

 説明を聞いてる途中で気になる単語が出てきた。どうやらこの世界はダンジョンもあるらしい。

 俺が戦ったビッグボアやウェアウルフなど、倒したら煙になって消える奴等を魔物と呼び。魔物はダンジョンで生まれダンジョンに入った人を襲うのだが、さっき戦った奴等みたいに稀にダンジョンの外に出て野生化する魔物もいるらしい。

 一通りの話を聞き終わったら馬車が止まった。また魔物かと思い身構えたが、どうやら村に着いたみたいだ。外に出て行こうとしたらガルドに外套を渡された。


「? 別に雨は降ってないが?」


 外を見るが雲1つない快晴だったが外套を押し付けられた。


「おまえさんの格好は目立ち過ぎるからそれでも羽織っておけ」

「あ、そうか。ありがとう」


 ガルドにお礼を言い外套を羽織る。この世界にジャージなんてないからかなり目立つだろう。装備品と思ったが先に服を買ったほうがいいな。

 馬車から出ると木造平屋の家が数軒あり、離れた所に畑ある程度の小さな村だった。

 やる事もないのでハックの所へ行ってみる。


「ここにはどのくらいの間いるんだ?」

「今日1日滞在して明日の早朝ここを出発して町へ帰ります。報酬も出しますので帰りの護衛もお願いできますか?」

「ああ、それはかまわない……」


 今日は町に帰らないのか。早朝からここを出るならそれなりに移動時間もかかるらしい。夜の森で魔物にエンカウントはしたくないな。

 だが、一泊するなら寝床はどうするんだ? 車の荷台で寝るのはイヤだぞ。


「寝る場所は宿屋がありますので今日はそこに泊まります」


 顔にでたのかハックが説明する。宿代を払う金はないがそこは報酬から差っ引くだろう。


「なら、ここら辺を見て回ってもいいか?」

「はい。宿屋は一軒しかないので村の人に聞けばわかりますので」


 ハックの許可を貰いパーティーから抜けて村を見て回る。

 どうやら文明はあまり発達していないらしく。水道、ガス、電気は通ってなく。

 水は井戸から汲み、火は薪を使っていた。なら夜は蝋燭でも使うかな? と観察しながら村を歩く。

 その際、鑑定で見るのも忘れない。いいスキルを持っていたら一時的にパーティーに入ってもらいコピーさせてもらうつもりだ。


「あまりいいスキル持ってる人がいないな。やっぱり珍しいのか」


 村の人を見ていてもSTRアップの【剛腕】、VITアップの【鉄壁】、最大HPアップの【生命力アップ】などステータスを上げるパッシブスキルしかも(小)ばかりだった。

 適当にぶらぶらしていると途中から1人の子供が俺の後についてきた。

 俺が止まれば子供も止まり、俺が歩き出したら子供も歩き出す。


「おい。俺になにか用か」


 いい加減面倒になったので振り返り声をかける。


「お、おまえが怪しいから見張ってるんだ!」

「俺は今来ている商人の護衛だ。おまえもそんな暇があるなら他の子供達と遊んでろ」


 外套で体を隠していたら怪しいのか? 怪しいのだろう。だが、そんな怪しい奴の見張りは子供のする事ではないだろう。現に、こいつ以外の子供は俺に構わずにかけっこをして遊んでいた。


「…………友達いないだもん」


 子供は俯きながら小さな声でしゃべった。

 ため息しか出てこない。

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