Eランク
こんにちは風間 晴輝です。
ひょんなことからRPG風な世界に来てしまったが元の世界に帰る気はなく、今は冒険者として自由に生きていくつもりだ。
「それで今日もクエストを受けるんですか?」
朝、俺達が泊まっている宿、カモノハシ亭の一階で三人で朝食を食べているとカノンが今日の予定を聞いてきた。
カノンは俺のパーティーで壁役のシールダーで、銀色の髪を肩口で切ったショートカットで目の色は緑色。俺より2歳年下の女の子だ。
誘拐犯に拐われそうになった所を助け、その後パーティーに入ってもらった。
「う~ん。エルのギルド登録の後は報奨金しだいかな」
「はぐはぐ……」
エルは俺の横で一心不乱で飯を食べている。
前の主人からあまりいい飯を食べさせてもらえてなかったのか? 誰も取らないからゆっくり食べな。
エルは俺の奴隷で昨日の盗賊団との戦闘で前の主人が殺されてしまったため、彼女を助けた俺が新しい主人になってしまった。
報奨金はその盗賊団を壊滅さした報酬の事だ。
空色の髪でポニーテイルに結んでおり、目の色は琥珀色。年齢は俺と同じ16歳でスタイルもいい。
そんな彼女の主人という立場に少々戸惑っている。年頃の男子にはいろいろあるんです。
彼女はレベルが低いからクラスアップができていないのでクラスは村人。クラスアップは後衛のクラスになってもらう予定だ。
今はこの2人と俺の3人パーティーで行動している。
◇
俺達3人は朝食を終え、いつも通りギルドに来た。ギルドは冒険者へ仕事の斡旋やドロップアイテムの買い取りをしてくれる場所だ。
俺はいつもお世話になっている受付嬢のクリスさんの所へ行く。
「おはようございます。クリスさん」
「あ、ハルキさん。おはようございます。そうだ、先日の盗賊団の件なんですが、団員全員分の遺体を確認できましたのでギルドカードをお預かりしますね」
俺とカノンはギルドカードを渡すとクリスさんは判子を押していく。
カードの判子が光を放つと消えていき、カードの色が白から青に変わった。
ギルドランクがGからEに上がっている。あれ、Fを飛ばしてEになってるな。
「おめでとうございます。今回のクエストでお2人にはEランクの実力かあると判断されたのでEランクへの昇格です。すごいですね、ここまで速い昇格は初めてですよ」
クリスさんはとても嬉しそうに説明をしてくれるが、俺達はまだクエストを2つしか受けていないのに2ランクも上がるのは異常だろう。
「あ、あの……、盗賊の件では私は戦闘に参加してないのですが……」
そこへカノンがおずおずと質問する。
盗賊団は俺1人で倒したからなにもしてない自分も一緒にギルドランクが上がってもいいのか不安のようだ。
「パーティーを組んでいたので問題はありませんが、Eランクのクエストを受ける際には気を付けてくださいね」
パーティーを組んでいたら戦闘に参加していなくても評価の対象になるらしくランクの昇格はできるようだ。
ただそんなやり方でランクを上げて上のクエストを受けても自分の能力が低かったら死ぬだけだからな。そんな事をしてランクを上げようと思わないだろう。
次に報奨金が入った革袋を貰い、中には金貨が3枚が入っていた。おぉ、金貨か。銀貨より上の硬貨初めて見た。
「それとこの人のギルド登録もお願いします」
今まで我関せずを決めていたエルを前に出し、ギルドカードを作ってもらう。
「ハルキさんなら大丈夫とは思いますが、あまり無茶はさせないでくださいね」
クリスさんの言葉の意味がよくわからなかったけどとりあえず頷いておく。
その後に奴隷を盾や囮に使う奴が多々いると聞かされた。いや、流石にそんな事させませんよ。
エルのレベルが低いのでクラスアップは見送り、ギルド1階にある酒場でカノンに相談する。
「家を買いたいんだけど、金額ってどのぐらいするんだ?」
「そうですね。……物件によりますが、小さな家なら金貨300枚ほどですね」
む、そんなにするのか。
この世界に永住するなら家が欲しいと思ったけど、まだ手が出せないな。
「でしたらリスターバへ行ってみませんか。近くのダンジョンには強い魔物がいますけど、その分お金を稼ぎやすいですよ」
カノンの話ではそのリスターバが都市にあたるらしいが、近くにダンジョンが2つあり、魔物が多くクエストの料金が高いらしい。
「今日、お日さまが真上の時出発のリスターバへの護衛クエストがありましたがどうします?」
そうだな。泊まってる宿のチェックアウトが今日なので丁度いいか。ならいろいろ準備がいるが間に合うだろう。
そのクエストを受けた際になぜかクリスさんが落ち込んだが、俺達に受けてもらいたいクエストでもあったのかな?
宿に戻り店主のリサさんと娘のエリカさんに今日で町を出る旨を伝えチェックアウトをして、旅に必要な食べ物や保存食、エルの着替えなどを買う。
エルの着替えはカノンに選んでもらい俺はノータッチだ。
エルは何を思ったのか下着を俺に選ばせようとしたが、丁重にお断りした。
買ったものは俺のアイテムボックスに入れておく。荷物が嵩張らないのはいい事だ。
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