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スキルコピー

 狼を鑑定で見ると名前はウェアウルフ。Lv10が1匹、Lv7とLv3が3匹ずつの計7匹が群れになっているようだ。

 4匹と3匹に分かれて2人の男に襲いかているが、4匹を相手にしてる男は赤髪短髪の男はガタイもよく、狼を殴り飛ばしている。

 一方、もう1人は茶髪で少し髪が薄く、ふくよかな体型で剣を持っているが頼りなくへっぴり腰で狼達と距離をとっていた。

 殴って戦っている男の武器はガンドレットのようだ。ステータスは

 

 ガルド 34歳 男

 ウォーリアLv25


 スキル

【バイセクト】【ブースト】【ラッシュ】【バーストラッシュ】【クラック】【ブリューナク】【剛腕(中)】


 おぉ、どうやら村人以外にちゃんと職業(ジョブ)はあるらしい。スキルの数もあるからレベルアップで覚えるのかな?

 へっぴり腰の男のステータスは


 ハック 41歳 男

 村人Lv22 ★


 スキル

【道具鑑定】


 レベルがあっても村人は所詮村人なのか攻撃系スキルは持っていない。だが、レベルの後ろの★が何の意味があるのかが気になる。俺も村人だけど★なんてついてない。なんらかの条件があるのか?


「にしても戦力としては頼り無さすぎる。いや、村人なんだからそもそも戦力外か」


 見ていても違いは明らかだ。

 ガルドは攻撃しては離れ、攻撃しては離れのヒットアンドアウェーで場慣れしている様子だがハックはただ剣を振り回すだけで当たってもいない。


「これはイベント的に助けに入った方が正解かな。レベルの高い4匹はガルドの方だし、いけなくはないかな」


 ウェアウルフはこっちに気づいてない今がチャンスだ。


「たあぁぁぁーーー!」


 走って近くにいた1匹を蹴り飛ばす。そのまま走りハックの持っていた剣をひったくる。


「悪いがこれ借りるぞ」


 こっちはLv1なのだ。少しでもパラメーターは上げておきたい。俺はハックと少し離れて剣を構えウェアウルフと対峙する。

 剣なんて授業で剣道を習ったり子供の頃家の道場でじいちゃんに教わった程度だがなんとかなるだろう。

 ウェアウルフ達もいきなりの乱入者で様子をみていたが1匹が飛びかかってきた。

 ビッグボアより少し速いぐらいだったので横に避け、そのすれ違いざまに剣で横薙ぎに斬りつける。

 手に肉を切る感触が伝わるが一切血は出ていなかった。いや、実際斬れていなかった。前足からバッサリと斬りつけたはずなのに後ろに何事もなかったように着地して威嚇をしてくる。

 HPは削れるが身体的ダメージはないらしい。俺もビッグボアとの戦闘で牙に当たったが血は出てなかったし痛みもすぐに引いたしな。

 1匹に集中してたら後ろいた2匹が近づいて来たので追い払うように横薙ぎで牽制する。

 1人で3匹はさすがにキツイので1撃与えた奴を早く倒すためダメージ覚悟で突っ込む。

 ウェアウルフも俺を噛み殺そうとするが身体への損傷はないと思い、左腕を盾にして噛みつかせる。痛みがはしるが我慢して剣で何回も斬りつける。

 4回ほど斬ったらウェアウルフは煙になったので、すぐ残り2匹に注意を向ける。


「【ブリューナク】!」


 いきなり声が聞こえ拳大ぐらいの球体が飛んできて1匹のウェアウルフにあたり煙になった。飛んできた方を見るとガルドが走って来て、残ったウェアウルフの懐に入る。


「【ラッシュ】」


 一撃だった。村人Lv1に比べたらパラメーターも高く、スキルも使ったっぽいし。

 うん、わかった。これ一定時間経てばいいだけのイベントだ。それならわざわざダメージを受けてでも倒す必要のなかったのに。

 あ、意味があった。Lv2に上がってる。

 ウェアウルフを倒した場所を見るが何もなかった。必ずドロップする訳ではないらしい。


「ハックさん、大丈夫かい?」

「ええ、そこの人に助けてもらってなんとか」

「そうか。おまえさんのおかげで依頼人を守れた、ありがとう」


 ガルドはハックの無傷を確認し俺に礼を言った。


「いや、俺は時間を稼いだだけで、最後は見てるだけだったし気にしないでくれ」


 年上に対して態度が大きい気もするがゲームだから別にいいだろう。雇い主を一応助けたしね。


「いえ、あなたのおかげで私も馬車も無事だったんです。なにかお礼させてください。申し遅れましたが私は道具屋を経営しているハックともうします。こちらは馬車の護衛に雇ったガルドさんです」


 俺の対応に異も返さず(うやうや)しく礼を言ってきた。なんだろう助けられたとはいえこんな年下にへりくだり過ぎのような気がする。


「俺は晴輝だ。お礼よりもここがどこなのか教えてくれないか?」

「ここですか? ここはサマノ村へ行くために通る森ですが。知らなかったので?」

「いや、知らなかった以前になぜここにいたのかもわからない。気づいたらここにいたんだ」

「…………そうなのですか。記憶喪失でしょうか」

「……そうらしい。なにもわからないからな」


 いい言い訳も思い付かなかったので正直に答えたらすごい可哀想な人を見る目で見られた。説明が面倒なのでそうゆう事にしておこう。


「でしたらサマノ村へ商いに行くのですが、ハルキ様も護衛として同行してもらいその間にわからない事を教えましょう。ガルドさんもそれでいいですか?もちろん報酬はちゃんと提示した通りに払いますので」

「それなら俺としても問題ない。むしろそんな状況でよく助けに入れたもんだ。こいつはいい冒険者になりそうだな」


 ガルドはハックの提案に笑いながら同意する。

 フム、どうやらガルドは冒険者らしい、ならステータスに書いてあるのは職業とは違うらしい。ハックも自分で道具屋って言ってたしな。たぶんハックの持っているスキル道具鑑定が理由だろう。


「なら言葉に甘えて同行させてもらおう」

「んじゃあ、パーティーの申請をするから許可してくれ」


 ガルドがよくわからん事を言うがすぐにその理由がわかった。


『パーティー申請がきています。許可しますか?』

  はい/いいえ


 視界にこんなウインドが出てきた。どう選べばいいのかわからないが『はい』と念じたらガルド達と見えない糸で繋がった感じがした。これでパーティーに入ったようだ。

 そして、自分のもう1つのスキルを思い出したので試しに使えるように願いながら小声でスキル名を言ってみる。


「【スキルコピー】」


 すると対象を選ぶアイコンが出てきた。まあ鑑定を持っている俺にはガルド一択だが。

 ガルドを選び、自分のステータスを確認するとスキルが増えていた。

 おぉ~~。

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