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スキルコピーで全属性持ちになりました  作者: 東雲 夏希
第1章

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武器強化とミニイベント

 この日もクエストを受けるためギルドに行き、そこでクリスさんから声をかけられた。


「盗賊団ですか?」

「そうです。近隣の森で商人や冒険者達が襲われる事件が起きています。ですからハルキさん達も気をつけてくださいね」

「はあ」


 これは新しいイベントの前振りかな? にしても盗賊か、もしかしたらレアアイテムとか手に入るかも。


「盗賊の討伐もしくは捕縛した際には報奨金が出るのでギルドへ連絡してください」


 おお、その上金も貰えるのか。ならやるしかないな。


「という訳で盗賊退治をする事に決めた」

「退治するのはいいんですけど、ハルキさん盗賊達の居場所などは知っているんですか?」


 受けるクエストを選んでいたカノンにクリスさんとの話を伝えると尤もな意見を言われた。

 広い森の中で特定の人物を見つけるのは普通なら難しいだろうが、俺には【サーチ】のスキルがある。さらに【マッピング】のスキルで有効範囲が森全体になったので問題ない。


「場所は俺のスキルですぐにわかる。団なんて言うからにはそれなりの人数なんだろ。なら変に人が集まってるのが盗賊団だと思う」


 なるほどとカノンも納得したのでギルドを出て武器屋に行く事にする。

 俺が装備しているブロンズソードの強化素材が集まったが、どうやって強化するのかわからないからカノンに聞くと武器屋でやってくれるらしい。




「へい、らっしゃい!」


 武器屋に入るなりごつい店のオヤジが挨拶してくる。うるさいわ、びっくりしてもう少しで剣を抜くところだったぞ。


「はあ、武器の強化をしてほしいのだ……けど……」


 店のオヤジをあらためて見て面白そうなスキルを持っているのに気づいた。


【武器製造・強化】

【特定の素材を消費して武器の製造と強化ができる】


【器用(中)】

【自身のDEXを常に上げる】


 武器の強化をするにはスキルがいるようだな。そしてこのテの物は成功率があり、回数を重ねるごとに成功率が下がる。

 そしてDEXが高いほど成功率に補正が入るはずだ。

 この2つのスキルはセットで手に入れたいな。


「強化なら素材がいるがウチにある素材だったら別料金でできるぜ」

「ああいや、素材ならあるんでお願いします」


 何も出さないから素材がないと思ったのだろう。俺は慌ててブロンズソードと青銅を出す。


「おう。強化は失敗する時もあるが、一律銀貨3枚だ」


 オヤジの言葉から俺の予想は当たっているようだ。


「わかりました。それで……もしよかったら一時的にパーティーに入ってもらう事ってできますか?」

「……は?」

「……え?」


 料金を払い、いい理由が思い付かなかったので直球で言ってみたら店のオヤジだけじゃなくカノンもいきなり何を言い出すんだって顔をした。


「あのハルキさん……さすがに一般の人をパーティーに入れるのはどうかと……」


 うん、自分でも無理を言っている事は重々承知しているよ。


「一時的と言ってもほんの数秒だけでいいんです。……これは俺に必要な事なんだ……」


 後半はカノンにしか聞こえないように小声で言う。


「……パーティーに入ってもいいが条件がある」

「条件?」


 なにやら考えていたオヤジがそんな事を言い出した。

 この場合の条件は二つだな。店の武器を高値で吹っ掛けられるか、ミニイベントで何らかの面倒事に付き合わされるかだ。

 頼んでいるのはこちらなので断る気はないが。


「最近盗賊団が出るってのは知っているか?」

「はい」

「鉱石が採れる洞窟が森の奥にあってな。そこへ行くための護衛をしてくれるならいいぞ」


 パーティーに入るついでに護衛をしろっという事か。

 その鉱石で武器が作れるかもしれないし一石二鳥か。うん、悪くない。


「わかりました。俺達も森へ行く予定たったので問題ないです」

「よし。ならちゃっちゃっと強化を終わらせてすぐに行くぞ」


 オヤジは言うや否やカウンターに置いたブロンズソードに触ると剣がいきなり光だした。

 光が消えると側に置いていた青銅がなくなっていた。おそらく強化で使ったからなくなったのだろう。


「ほれ、強化は成功したぞ。それじゃあ今度は俺の依頼の番だな。準備するからちょっくら待っててくれや」


 オヤジは俺に剣を渡し店の奥へ行ってしまった。


【ブロンズソード+1】

【青銅で作られた剣。初心者用】

【強化 必要アイテム 青銅×5】


 この+1が強化した回数か。そして回数に応じて必要アイテムの個数も増えていくようだな。


「ハルキさん本当にいいんですか? 護衛のクエストなら報酬額が銀貨10枚以上が普通なんですよ」

「だめだったか? それなら後で俺がいくらか払うよ」


 俺はスキルが覚えられるからいいけど、カノンにはなんの旨味もないからな。モチベーション維持にはなんらかの報酬は必要だ。


「い、いえ、ハルキさんがいいなら私も構いませんし、お金の方も大丈夫です」


 カノンは両手を振って遠慮する。別に遠慮することないのに。

 などと話が一区切り着いた頃、つるはしと革袋を持ったオヤジが戻ってきた。


「準備ができたから早速行くか。俺は戦闘には参加しねーから頑張ってくれよ。ハッハッハッ」


 オヤジは笑いながら俺の背中を叩いてくる。結構強めに叩かれているようだがあまり痛くない。

 これもスキルが増えたおかげかな。

 オヤジをパーティーに入れ、案内されながら森へと足を向ける。

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