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ダンジョンの仕組み

 魔物が少ない所に行き続けカノンも少しずつ防御での盾の使い方が様になってきてレベルも上がった。


 カザマ ハルキ 16歳 男

 ソルジャー Lv4


 カノン 14歳 女

 シールダー Lv3


「もう日が沈む頃かな」

「そうですね。そろそろ帰りましょうか」


 だが結構奥まで来てしまったので2階層の入口にあるダンジョンの外に出れるワープホールまで戻るのが少々面倒だ。


「……なあ、カノンは1階層のボスがどの魔物か知ってたよな。もしかして2階層のボスも知ってる?」

「?? はい。ギルドに行けば、あ! ……えっと、ダンジョンの近くにあるギルドではダンジョンの情報提供がされていて、何階層ではどんな魔物が出るか、ボスはなにかがわかるように書かれています。ちなみにギルドが把握してない情報は売る事もできます」


 俺が文字が読めない事を思い出したのかカノンが説明してくれる。

 初めて入るダンジョンでは事前に情報があるのとないのではかなり違うからな。現にこのダンジョンの1階層には物理耐性があるスライムしか出ない。前衛クラスの初心者には危険だろう。……俺以外では。


「今はこのダンジョンが出てきたばかりなので7階層までしかわかりませんが。2階層のボスはグランアーブルという木の魔物で根で攻撃してきます。本体の幹に攻撃しないと倒せないようです」

「ん? 出てきたばかり?」


 攻略法より俺にはそっちの方が気になった。


「そうです。ダンジョンは突然表れて魔物を生み出すんです。そしてそのダンジョンを攻略や安全を確保するため冒険者や国の騎士団がダンジョンに入るんです」


 へ~、騎士団なんてのもあるのか。


「攻略はわかるが安全の確保ってなんだ?」

「魔物はダンジョンに増えすぎると外に出て人を襲いますので魔物を倒して数を減らす事です」


 なるほど森などにいる魔物達はそういう理由で出現しているのか。

 他にも50階層のボスを倒すとダンジョンは消滅するやら、国の王はダンジョン攻略者やら今まで知らなかった事が次々出てくる。やはり記憶喪失と言っといてよかった。


「そうか。またわからない事があったら聞くからまた説明頼めるか?」

「……はい。私でわかる事なら……」


 あれ? 笑いながらカノンは答えてくれるが、なぜか心なしか元気がない気がする。

 やっぱりいちいち説明するのが嫌なのだろうか。

 話が脱線したがカノンにも階層ボスを倒しに行く事を伝えると拒否されなかったのでこのまま進む事にする。

 途中で何戦かしてボス部屋前まで着いた。


「今回も俺1人で戦うからカノンはまた入口付近にいてくれ」

「で、でも私も昨日と今日で戦い方が上手くなってるはずです。それでも階層ボスとは戦わせてくれないのですか?」


 カノンが魔物に突っ込んで行かないよう先に釘をさしておくが、納得できないのかカノンは躊躇いがちに反論してくる。

 確かにカノンは俺の言う事を守って少しずつではあるが壁役らしい戦い方になっているけど、たまに無理矢理に攻撃するときもあるので初見のボス戦には不安がある。


「悪いけど今回はダメだ。次に来たときは戦ってもらうから今回は諦めてくれ」

「…………………………わかりました」


 やはり納得できないようで俺の提案を不承不承(ふしょうぶしょう)で受け入れた。

 1階層では止めようとか言っていたのに今度は戦いたいのかよ。よくわからん。

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