初クエスト
この日はギルドに張り出しているクエストを見ていた。
カノンには俺が記憶喪失で文字のが読めないと伝えてあるので俺は本当に見てるだけだ。
まだ俺達はギルドランクGなのでそれより上のクエストは受けれないが、大抵のGランクのクエストなら問題ないと思う。
カザマ ハルキ 16歳 男
ソルジャー Lv2
武器
ブロンズソード
防具
皮の鎧 シューズ
装飾品
成長促進の指輪
スキル
【バイセクト】【スラッシュ】【ラッシュ】【クラック】【ブースト】【バーストラッシュ】【ブリューナク】【ファイアーボール】【ファイアーウォール】【フレイムストーム】【ウォーターボール】【ウォーターウォール】【ホーリーライト】【シャイニングフォース】【セイクリットレイ】【シャイニングジャベリン】【フォトンブラスト】【ゴッドフォース】【ヒール】【アンジェラス】【剛腕(中)(小)】【鉄壁(中)(小)】【俊敏(中)(小)】【生命力(大)(小)】【魔力量(中)(小)】【幸運(大)】【サーチ】【マッピング】【アイテムボックス】
カノン 14歳 女
シールダーLv2
武器
青銅の大盾
防具
皮の鎧 サンダル
装飾品
牙の腕輪 緩和の指輪
スキル
【鉄壁(中)】【生命力(大)】
ステータスをあらためて見ているとカノンがクエストの紙を持って戻って来た。
「ハルキさんこんなのはどうですか? ドロップアイテムの肥料を10個納品で銀貨1枚銅貨20枚です」
「ん? 肥料10個なのにか?」
肥料一個の買い取り価格は8ボーナのはずだ。少し値が上がっている。
「クエストを頼むのはすぐに欲しいアイテムですからその分アイテムの値が割高になるんですよ」
そうなのか。なら俺にはアイテムボックスがあるから金に余裕があったらクエストが出てから売るのもありか。
アイテムボックスは入れてる間は時間が止まってるのか、劣化もしないし温かい食べ物も温度が変わることなく永久保存ができるみたいだ。
「ハルキさんは普通よりドロップ率が高いのでグリーンスライムでもがんばれば今日中に終わりますよ」
カノンには俺が魔法を使える事は言ってなかったから丁度いいか。
「ならそれにするか。肥料は10個だけでいいのか?」
「はい。それ以上は定価になりますので」
やっぱりそこまでうまい話はないか。
俺達は町の近くにあるダンジョンの一階層でグリーンスライムを狩り続ける。
「【ファイアーボール】」
俺の2発目の【ファイアーボール】でグリーンスライムは煙になった。
「でもなんでクラスがソルジャーのハルキさんが魔法を使えるんでしょう?」
最初に魔法を見せたらすごく驚いていたカノンも何回も見ていたら馴れたのか、ドロップした肥料を拾いに行きながら疑問を口にする。
「あー、その事はまだ言えないかな。スキルが使えるようになるには条件があるから秘密にしときたい」
言ってもいいような気もするが、知ってる人は少ない方がいい。今も人がいない所で戦ってるしな。
「……そうなんですか。でもすごいですね。もう肥料が集まりました。これでクエスト成功ですね」
カノンは笑いながら本日10個目となる肥料を渡してくれる。さて、これからどうするか。
「……なあカノン、なんなら2階層に行ってみるか?」
「え、でも2階層には階層ボスを倒さないと行けないんじゃあ……」
うん。ギルドのクリスさんと同じ反応だな。
百聞は一見にしかずだ。見てもらった方が手っ取り早いと思いボス部屋の前まで行く。
「あれ? 開かない」
「多分まだ中で戦ってる人がいるんですよ」
俺達が向かう前に4人のパーティーが入った。だから時間を潰す目的で3戦程したのだが確かにまだ前のパーティーが中にいる。
「ハルキさんやっぱり止めませんか。ここのボスはグランドスライムで魔法じゃないと倒したづらいんです。だから普通何人もの後衛クラスの人達で倒すのがセオリーなんですよ」
カノンはここに来るまでにも何回も俺を止めようした。普通のランクGの冒険者ならやられに行くようなものらしいし、しょうがないかな。
「言ってなかったけどここのボスは2回倒した事があるから大丈夫だ。今カノンが装備してる緩和の指輪もグランドスライムからドロップしたアイテムだし」
「そ、そうなんですか! ならやっぱりすごいアイテムだったんですね」
ほわ~。と変な声を出しながら着けている指輪を触るカノン。
そんな事を言っていたらボス部屋にいたパーティーが奥に向かっている。魔物もいないしどうやら戦闘が終わったようだ。
「それじゃあ戦闘は俺1人でやるからカノンは入口の近くにいてくれ」
「あ、………はい」
カノンは何か言いたそうだったが頷き、俺の後に続いてボス部屋に入った。




