レアモンスター
今回は短めです。
2階層の入り口にあるダンジョンの裏に行けるワープに向かう途中で1匹の魔物がいた。
行き掛けの駄賃と思い倒す事にする。
ウッドゴーレム Lv8
ここの階層は一通り周ったはずだが初めて見る魔物だ。
グリーンウッドみたいに木じゃなくて木製の人形の姿をしていた。
稀に現れるレアモンスターみたいなものかな。それならレアアイテムをドロップする可能性が高いはずだ。
なら是が非でも倒しておきたい。MPに余裕があるから魔法を放つ。
「【ファイアーボール】…………っ‼」
だがウッドゴーレムは火の玉を避け、殴りかかってきた。
「がはっ」
予想外の事だったので防御もできないままモロに攻撃をくらってしまった。
このウッドゴーレムは今までの魔物とは全然違う。直感的にそう思った。
剣を抜きウッドゴーレムに向かって構える。
戦い方は同じだ。腕を弾いて防御がガラ空きになった所に攻撃すればいい。……なんて考えが甘かった。
「ぐっ、ごふっ」
相手は人形で手足も付いている。なら両手だけじゃなく足にも気を付けないといけない。
結果、俺は防戦一方になっている。しかも全部防げているわけじゃないからこのままではジリ貧だ。
「クソ、【ファイアーボール】!」
剣を両手から片手に持ち替え、空いた手で魔法をぶつける。
相手が木だから火が弱点と思い【ファイアーボール】を使ったけど、距離が近いから俺も熱いが一気に畳み掛ける。
「【スラッシュ】【スラッシュ】【スラッシュ】【スラッシュ】もう1発【スラッシュ】‼ どうだ! ……ってまだ倒れないのかよ」
連続でスキルを使うがウッドゴーレムはまだ倒れてくれない。
今の攻撃でどのくらいのダメージを与えられたかわからないけど、長期戦になりそうだな。
少し戦い方を変えた方がいいか。
いままではパンチを全部弾いていたけど今度からは攻撃をなるべく避けて、避けられない攻撃を逸らすようにするべきかな。
ウッドゴーレムが再び襲い掛かってくる。俺もウッドゴーレムに向かって走り、パンチを避けてすれ違いざまに斬りつけ、ついでに【ファイアーボール】もブチ込む。
お? 片手ずつで剣と魔法を使い分けるこのやり方もいいかな。
ウッドゴーレムと戦いながら自分の戦闘スタイルを模索する。
剣は右手で魔法は左手で使い、両方を使うのに馴れてきた頃にウッドゴーレムはやっと倒れて煙になった。
「ふう、やっと倒せた。こんな長時間戦ったのは初めてだぞ」
ウッドゴーレムを倒せた事に安堵してその場にへたりこむ。
ちょっとした気まぐれで最後の最後でとんでもない魔物とエンカウントしてしまったな。
でもその分、報酬もよかった。ウッドゴーレムが煙になった場所には一つの指輪が落ちていた。
【成長促進の指輪】
成長促進といっても実際に体が成長するわけじゃなく、レベルアップに必要な経験値が多くもらえるようになるアイテムだ。
これがあれば普通よりレベルアップしやすくなるな。
成長促進の指輪を左手の中指につけてダンジョンを出る。