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スライムの必殺技

先日、*06話を誤って投稿してしまいました。

続けてみてもらえていた方がいるならホント申し訳ないです。

以降は気をつけます。

*07スライムの必殺技


僕たちが地味子としょうもないやりとりをしていると、生徒会の双子が騒ぎ出した。


「モンスターの気配がします。」


回復に加えて感知系の能力まであるのかますます便利だな。


「みんな集まれ!シールドを展開する!」


委員長は処女しか守らない不思議光線をシールドと名付けることにしたらしい。


「臨戦態勢だ。気を引き締めろ!」


委員長が声を張る。


シールドと名付けられたそれは例によって女子たちの身体を包む。


ここに残ったのは強く光る者たちばかりだ。


非処女のたいはんは青山についていったのだろう。


「前線に出る!後列は頼んだ。」


颯爽とゴブリンである芦原が前へ進んだ。


僕はそれの後を追う。


「大丈夫か?」


同じく前線に送り出された狼男が芦原を心配している。


「大丈夫だ。」


「勝算がないわけじゃない。」


「それにお前ひとりで前線は荷が重いだろ。」


そうだ、前線にいたやつらは青山が引き抜いていったので、


ここにはもう幼馴染からの使命を預かった狼男しかいないのである。


女の頼みなら死地に向かうことを厭わない狼男さんは素敵である。


接敵だ。


おしゃべりの時間はもうない。


オオカミモンスターが三体。


遠吠えがそのあとに続いている。


前回の戦闘を参考にすると数十匹は後続が控えているだろう。


この三匹は先遣隊か。


ガルルルルルル


少し間をとってオオカミが静止する。


威嚇をしているのだろうか。


狼男マーくんを牽制しているようだ。


マーくんが動いた。


気づいたらマー君の腕がオオカミモンスターの喉元につきささっていた。


それを隙だとみてとったのかもう一匹のオオカミモンスターがマー君に襲い掛かる。


マー君は突き刺さったオオカミをブンと振り回してとびかかってくるオオカミに応戦した。


振り回した反動でオオカミは手からすっぽ抜ける。


距離ができた。


後は一匹目の焼き回しになるのが想像できる。


マー君が予想以上にできる男だと判明した。


アイツ一人でいいんじゃないかな。


そうはいってられないので、目の前のオオカミに相対する。


僕が考えた必殺技は相手が攻撃してこないことには発動できない。


おら、かかってこいよ。


オラ  オラ


挑発的な態度でオオカミににじり寄る。


グルルル


そんなにおびえなくても、僕はマー君ほどは強くないよ。


はやく襲ってこい。


願いが通じたのか、しびれをきらしたのかオオカミが僕におどりかかかる。


おう、予想はしていたけどめっちゃ怖い。


野生の獣の本性というか、殺気がこちらにむかってくるのってめっちゃ怖い。


でも、たぶん大丈夫。


僕は思うままにオオカミの攻撃を受け続ける。


ダメージはない。


僕はスライムだ。


芦原にはたかれた時のように陥没したり、時にはえぐりとられたりする。


オオカミも感触がおかしいことに気づき始めたのか、困惑気味だ。


苛烈な攻撃を停止し、こちらを睨んでくる。


でももう遅い。


僕の身体の一部たちがお前の身体にはべっとりついてしまっている。


オオカミの頭部にこぶりついた自分の体に命令する。


ぞろぞろと僕のプニプニボディが標的の口元に集合する。


鼻と口をふさぐ。


うっとしそうに頭をふってはいるが、そう簡単にははずれない。


前足や後ろ足で懸命に頭をこすっているオオカミに後ろで待機していた芦原がつっこみ、鋭く伸ばした爪を突き立てた。


ウギュウ


オオカミが声にならない苦痛をあげる。


マー君のように腕がつきささるようなことにはならないらしく、オオカミはまだご存命のようではある。


けれど、疲労がその目からうかがえる。


十分効果はあるようだ。


もう一度爪をつきたてようとする芦原に反撃をこころみるも、プニプニボディがオオカミの動きの邪魔をし、凶悪な爪はプニプニボディに覆われている。


反撃を受けた芦原は衝撃をくらったようではあるが切傷痕はみられない。


必殺技が上手くはまっているようだ。


ここまで上手くいくとは思わなかった。


その後、息も切れ切れになったオオカミに芦原が蹴ったり殴ったりを続ける。


プニプニボディはこちらからの攻撃も防いでしまうようで、爪をつきたてることが難しくなっていたようだ。


「ウォォォォォォォォ、


衝撃のファーストブリィットォォォォオオオ」


なんか叫びながら芦原がオオカミを殴り飛ばした。


右腕を緑色に染めながら全力でたたきつけたそれは必殺技っぽかったが、ただのパンチである。


それでもモンスター化した筋力は気違いじみていてオオカミは後ろにとばされ洞窟の壁にぶちあたった。


そして、息絶えた。


俺たちは勝利した。


と、思ったけどまだ戦闘は終わっていない。


マー君が後続の相手をしてくれていた。


というか囲まれていた。


マー君の周りをぐるぐる取り囲んでいた。


前後左右からの攻撃に防戦一方だ。


ピンチだ。


あの攻撃力は僕らにはない。


そして、おそらくこの先にいる委員長+女子たちも同じだ。


マー君が死ねば、僕らも死ぬ。


思わず駆け出して、考えなしにマー君の背後に迫るオオカミにとびついた。


ねちょっとオオカミを包むことができたが、オオカミの数はあと6匹。


一匹おさえたところで、戦況は変わりない。


どうにかしないと。


切迫した状態で、極限状態で、僕の本能が告げる。


消化すればいい。


ジュワー


僕はスライムの本能のままに包み込んだオオカミを食べものととらえ、咀嚼するようにボコボコと気泡を立てながら自身の身体を消化液のようにつくりかえていく。


こんな便利な身体だったのか。


スライム=プニプニしか想像していなかった。


いま、想像するのは貝だ。


覆いかぶさって包み込んで消化していく。


オオカミの表面が溶け出しているのがわかる。


オオカミの口や目や耳からその内部に侵入し、そこを消化する。


オオカミ内への侵入が成功して数秒、僕が覆いかぶさったオオカミはこと切れた。


戦える。


僕の消化活動の間もマー君とオオカミたちとの交戦は続いていた。


一匹減っていたとして数的不利はまだゆるぎない。


芦原も参戦していたが、攻撃のやりすごすのに必死だ。


疲労からか、積み重なったダメージからか、マー君がよろめいた。


オオカミたちはその隙を見逃さない。


とびかかるオオカミたちを眺めながら、もうダメだと思った。


瞬間、白く光る物体がオオカミたちに突っ込んでいくのが見えた。


白光りする物体はオオカミたちをふきとばし、ついでにマー君もふきとんでいた。


ふきとんだ先には、頭から大きな角を一本生やした委員長がいた。


「大丈夫か?」


振り向いた委員長は薄く輝いていた。


お前、そんなこともできたのか。


小脇にマー君を抱えた委員長が続けざまに言った。


「ご苦労だったな。オオカミたちは去っていくみたいな。」


委員長の角にはオオカミの血と思われる赤い液体がべっとりついていた。


頼もしい。


振り返った委員長の姿がかっこいいと思ったが、なんか腹立たしかったのも否めない。


かくして青山の抜けた戦力が危ぶまれる僕たちの戦闘は終わった。

自分で読み返すと、読みにくい部分に気付かされます*03とか……

なおしたほうがいいところがあれば、ぜひ教えてください。


書くのって難しいですが頑張ります

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