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「え、これ、なに?」「美学?」

作者: 矢光翼

思い付きで書いたはいいんですけど思い付きの境地なので何が何だか僕にもわかっていません。なんなんだこれは、みたいな感想がありますだって書いてるとき何も考えてないんだもん。終始変です。びっくりします。なので読んだ後の苦情はTwitterとかにて承ります。

 私が今一番不思議に思っているのは、定期テストが三日後に迫っていることでも今年の夏が冷夏になりつつあるとか言って現在31度である矛盾でも教室の金魚が実は担任によって日々毒を盛られていたために三日で死んだことでもなく、教室の机を使ってなぜ教卓が封鎖されているのか、ということだった。

「美学っしょ」

 たきは言わずと知れた問題児で、テストが近くなると週5の問題行為が週15になる最悪の生徒だ。

「いやあの」

「教卓を寸分の狂いなく封鎖することで教師が介入できない世界を形成、教鞭をとるはずの教師が教卓に立てないとなると日々教卓から浴びせかける言葉の数々全てが説得力を失い教師はただの人間となる。そして学校というコミュニティの中では生徒は人間ではなく生徒なので教師は生徒にもなれず存在するはずの無い一般人へと成り下がる!!このようにしてこの学校から教師を消し、そしていつかはこの世界から勉強を消す」

 申し遅れた。私の名前は武智たけちかなえ。このクラスの学級委員でもなければ中心人物でもない、例えるならば卒業アルバムなどでいい感じにメッセージは書いてもらえるけど平均的に「また会おうね!」としか書かれない系の女子高生。そんな一般的でモブ的な女子高生がなぜこんな状況に居合わせてしまったか。理由も果てしなく一般的。筆箱忘れただけ。なのに、なぜ今私は演説を受けている?

「何か思うところはあるかなクラスメイトの武智鼎さん」

「名前覚えられてるとこ悪いけど私忘れ物取りに来ただけだから」

「悪いな武智さん、君の机はこの教卓籠城において一番重要な核として中心に置かせてもらった。橋で言うなら要石か」

「頭おかしいんじゃないの!?」

 私はその机で作られたオブジェに近寄った。ななななんだこれどういう作りすれば机が天井に刺さるんだ?ってか刺しただろこいつどういう神経してんだ。

「この学校天井がアスベストだろ?」

「んなわけあるかこのクソ問題児!」

 確認だけど彼とはここでファーストインプレッション。同じクラスだけど話したこともなければ触ったこともない。触らぬ神に祟りなしだけど私はこいつを神だと思いたくないので触らぬ糞に祟りなし。

「あーあー危ないよ武智さん。さっきも言ったようにこの机たちは寸分の狂いなく教卓の封鎖に使われているわけだが、どこか無理やりにでも動かせば全てが爆発するようになってるんだ」

「意味わからないけどそれはあんたが犯罪者ってことで全面的に正解?」

「あのごめんよ爆発っていうのは誇張表現で実際には上手い具合に絡み合ってるから普通に倒れるし僕の計算上君が君の机に触れることは不可能だ」

「そもそも何で私の机が犠牲になった!?」

「君だって運悪くこの高校に入学してしまったんだ。今更運だなんて説明をしても君は納得しないよな?」

「一発今殴っとかないと将来的に殺しそうなんだけど」

「机一つで殺人が起こる世界なんて嫌だろう?僕だってそんなくだらないことで殺されるのは嫌だ!でも原因は何だ?そう!勉強があるからだ!勉強があるから教師と生徒が生まれて、そのせいで生徒が勉強への嫌悪感を感じるんだ!とにかく諸悪の根源である勉強の出どころをふさぐしかない!」

「だーめだ会話にならないっていうかなにこれ机マジでどうなってんのほんとに動かないんだけど」

「理論上これを僕以外の人間が分解するのは犬がルービックキューブを人間に指示しながら解くレベルで難しい」

「それほぼ不可能ってことじゃんか!?ねぇ?三日後テストだけど!?あんたのせいで勉強できなくなるんだけど!?」

「ふざけるな!!!!」

 現時点で私がふざけてる点など一つも存在しておらぬ。私には訳が分からない。

「僕は勉強を無くしたいんだ!!!何でそれの邪魔するんだ!!」

「じゃあ学校くんなこのウスノロ!!!!!!」

「それはダメだ、僕は勉強をせず、しかし高校は卒業しなくてはならない」

 途端に深刻な顔になる滝。な、なに?理由でもあるの?

「中卒だと親に勘当される」

「あのもう何もしゃべらなくていいからとりあえず私の筆箱取って」

「これ作るのに三時間かかった」

「でしょうねもう夕暮れ時も終わりを告げそうだ!!」

「察して」

 察したうえで言ってんだボケ。

「じゃああんたの筆箱を私に貸して」

「前提の話をしよう。僕は勉強がしたくないんだ。故に」

「「筆箱を持ってきていない」」

 マジでなんなんだこいつマジでなんなんだこいつ。

「退学になるよそろそろ」

「大丈夫、なるとしても停学からだ。それに僕だって馬鹿じゃない。停学食らえば大人しくもなる」

 って言ってたからすぐにこのことを教師陣にチクると滝は速攻で生徒指導室へ連れてかれ、次の日から学校で見なくなった。


 二週間後。テストの返却も終わりまあまあ上々の結果に心躍らせていた頃、突然掃除用具入れが開いた。

「数学80点現文92点英語78点地学90点……なかなかじゃないか武智さん」

「えっとだね。人の成績べらべらしゃべる前にいつからそこに居やがったクソ問題児」

「停学復帰の日に何もしないのは礼節に反するしとりあえず深夜に忍び込んでここに居た。あ、今だから言うけど各教室一つ一つに絶対動かない机が現在存在するから皆気を付けるように」

 こいつが何の礼節に従っているのかとかわかりたくないし、さらっとこの高校の警備のずさんさを知らされる結果になったし新たな問題発生してるし。マジで学校に嫌がらせしようとしてるとしか思えない。

 でも、いつもその悪ふざけは次の日には必ずすべて元通りになっている。奇妙なオブジェは元の並びに、そしてきっと明日には動かない机も動くようになってる。結局何がしたいのかわからないけど、まぁ。

 警備のずさんさとかが問題っぽいし、偶然私の父さんが理事長だからそれは連絡しとこうかな。

ありがとうございました。

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