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一時の休息




静まり返った爽やかな朝、外では小鳥が鳴き、あらゆる生き物が目を覚まし始める。

木でできた古そうなその家で、少年は目を覚ました。

「ふぁぁ~、よく寝た~」

布団から、だらりと起きた少年、天上 乾はいつもどうり下着のみのだらっとした格好で台所え向かったが・・・。

「あ、おはよう」

「・・・・なんでお前が当たり前のように家に居るんだ??」

そこには、昨日、師匠に半分無理やりコンビを組まされた竜昇 駈がエプロン姿で朝飯を作っていた。

「あれ?豪牙さんから聞いてなかった??」

「いったい俺は何を聞かされないといけなかったんだ!?」

豪牙とは俺の師匠であり集会場の管理人をしている男だ。最近よく面倒事を俺に押し付けてくる・・・・

「はぁ~・・・、んで、何で居るんだ?」

「うん、今日からここで僕も暮らすことになったんだ」

寝起きという事と衝撃の告白が重なってもう何が何だか理解できなかったので後でゆっくり豪牙に問い詰める、という結論にたどり着いた。

目の前で、とても楽しそうに朝飯を作っている駈を追い出すわけにもいかず、ひとまず席に着いた。

「お前は反論しなかったのか?俺なんかと一緒に暮らすんだぞ」

「反論なってそんなことするわけないよ、僕の初めての友達なんだから」

今の駈は、昨日の表情が嘘のようににこにこしながら飯をつくっていた。

(こいつ、俺の想像よりよっぽど苦しく生きてきたんだろうな・・・)

「よし、できたよ!」

机の上に並べられたのは、色鮮やかなサラダに、チャーハンがおかれえた。

「お前・・・料理うまいんだな」

「まぁ、ずっと一人暮らししてきたようなもんだからね、いろんなのつくれるよ」

こいつがうちに来てくれて逆に良かったかもしれない、さっきまで憎んでいた豪牙に心の中で謝りつつ、いただきますと言いスプーンへ手を伸ばした。

「それじゃ、まずチャーハンから・・・」

きれいに山になっているチャーハンの山にスプーンですくい口へと運んだ。

「・・・・うまい」

米一粒一粒がべっとりせずきれいになっており、味付けが絶妙でたまらない。

そのまま、寝起きでおなかがすいていた俺はスプーンの勢いが止まらずそのまま平らげた。

「そういえば・・・家にこんなに食糧あったっけか??」

「材料は豪牙さんにもらったんだ、あいつは美味いものに飛びついてくる、ひとまず朝飯でも作ってやれば快くお前をうけいれるっていってたよ」

やっぱり師匠には何か仕返しをしなければと思い直しながら、サラダをたいらげた。

「ん?駈おまえは朝飯もうたべたのか??」

「うん、乾が起きてくる前に食べ終わったよ」

「わるいな、俺なんかのためにわざわざ朝飯作ってくれて」

「いいよ、乾は本当においしそうに食べてくれるから、作りがいがあるよ」

(こいつ、ホントに良い奴だよな)

駈はもっと良い奴と組むべきなのではないか、自分なんかで駈の背中をちゃんと守れるのか??

そんな不安をなぎ払い、師匠にたくされたことをやりとげる。そのことだけを考えることにした。


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