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歩みと出会い


暗くどこまでも続く洞窟、果てしなく続く洞窟の中で荒い吐息で地面の石につまずきながらも「少年」はとにかく走っていた。

行く先は闇、来た道もすべて闇、とにかく前に進むしかなかった。

「ハァハァ・・・、いつになったら出口につくんだよ・・!!」

とにかく進むしかない、それ以外に「ここ」から出る方法がないからだ。

(ひとまず「こいつ」は無事みたいだな、とにかくここを抜ければ!)

とにかく走った、足元の石も、悲鳴を上げ始めた足の痛みもすべて受け流し、とにかく走った。

「まだか・・・まだかまだかまだかまだかまだか!!出口はまだなのか!!」

叫ぶ、走るそうしてやっと見えてきた小さな光

「で、出口か・・?」

やっとそれらしきものが発見できた喜びは何にも例える事のできない物だった。

そこへ、その光へ向かい再び走りだした。

ここから抜け出せる喜びがあふれだし悲鳴を上げていた足も段々と軽くなってきていた。

(あと少し!もう少しで…!!)

ますます走るスピードが上がり、ついにそこにたどり着き

「着いたーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

                   叫んだ・・・




                 **********





「にしてもまぁ、よくたどり着いたもんだなあんなところ」

「まぁね、でも仕事だし仕方ないでしょ」

あらゆる食べ物のにおいと男たちの匂いが混ざり独特の匂いを放っていたそこはあらゆる情報の交換が行われる

ここの事を皆は「集会場」と呼んでいる。

もともと、名前はなく一人の男がやっていた店で一人の「少年」が提案したところこの通り繁盛したわけだ。

「にしてもまさか、お前がここまで上がってくるとはな~」

この、筋肉体質のごつい男の名は「豪珂 猛」(ごうか たける)

「まぁ、俺は俺なりのがんばってるってことだよ」

そして、この豪珂と話しているのは「少年」こと「天上 乾」(てんじょう いぬい)

「この、おっさんばかりのこの仕事の中、18のガキがこの仕事はどうすればできる!!って聞いてきたときはびっくりしたもんだ」

「うっせ!大体俺は今20歳!!成人迎えてんぞ!!」

「ったく、かわいげのない奴だな~、あの頃は絶対一人前のブレイダ―になるんだ!!って毎日叫んでたのによ」

そう、俺はこの仕事「ブレイダ―」になるため豪珂に弟子入りした訳だ。

もともと、この仕事はいきなり地中から現れた「霧ヶ峰」とよばれる山がきっかけでできた職業だ。

ただの山だったならば何の問題もなかったが、その山から人間を食らう「牙神」(がじん)が現れたためそれを討伐する者と、訳があり牙神を討伐してもらう者。

そして、牙神にはレベルがついていて、F~AAまでありレベルにより賞金額がきまり、それなりの腕にならないと上級のクエストは頼めないシステムになっている。

牙神の情報と仕事の情報を交換する集会場のオーナーは、ほかでもない「豪珂 猛」なのだ・・・。

「ま、何はともあれ俺が見込んだ初めての弟子だ!!ここまで来るのが当たり前ってとこだな!!がっはっはっは!」

「まぁ、たしかに師匠がいなかったらここまで来てなかったけどよー・・・」

正直、本気で感謝してる、だが、おれはこの仕事を極めるためになったわけじゃない。

どいしても・・・どうしても会いたい牙神がいたから・・・

「ん?どうした、黙り込んで?」

「なんでもないっすよ・・・」

「あいつ」に会うためにはもっと強くならないと・・!!

心により強い決心を刻み込みそして飯を食う。





        ********

 





「さて、情報でも確認しに行くかな~」

周囲の者とは体格も雰囲気も違う、場違いな少年がゆっくりと気だるそうにたちあがった。

「お!居た居た!!お~い乾、こっちこい」

「なんすか?師匠・・??」

色んな情報が書き込まれる「掲示板」その前にいるのは師匠こと「豪珂 猛」ともう一人俺と同い年くらいの青い髪をした青年が立っていた。

「師匠、そいつ誰すか??」

「おう!おまえにもそろそろ仲間が必要になってくると思ったからな、紹介しよう「竜昇 駈」(たつのぼり かける)だ、これから長い付き合いになると思うからしっかりやれよ!!」

「ちょっ!!師匠!!かってに決めないでください!!」

「はっはっは!大丈夫!お前ならなんとかなるさ」

その、信頼と力のこもった一言に決断を迫られたため、返す言葉がなかった。

「そうですね・・・、わかりました」

「後は頼んだぞ・・・」

といい、自分の仕事に戻った。

「さて・・・天上 乾だ、これからよろしくな!」

「・・・よろしく・・・・」

(あまりしゃべらないタイプか・・・、まぁ、そっちの方がやりやりやすくていいか・・・)

「んじゃ、何かクエスト行ってみるか??」

「・・・はい・・・」

掲示板に目をやり難しすぎないクエストを探していると

「・・・これ、どう?・・・」

そこにはとあるクエストを指差している駈がいた。

「お?どれどれ・・・そうだな、これくらいがいいな」

そのクエストはDランクの牙神討伐の依頼だった。

「それじゃ、装備揃えて霧ヶ峰入口集合な」

「・・・・うん・・・」

そして、ひとまず自分の装備を揃えて合流することになった。






                             ********




木々一つない枯れた大地、無論、動物など存在するはずもなくただただ枯木だけが広がる中、並の山と比べ物にならないサイズの「山」がそこにはあった・・・

霧に覆われ上はどこまでつずいているのかすら分からず、横も同じく霧で全く見えない。

その巨大な山のあらゆる所に入口と呼ばれる洞窟がありそこからクエストへ出発する。

また、この入口周辺の牙神はレベルがそこまで高くなくCランク以上のブレイダ―はここで待ち合わせし、出発することもある。

乾のランクはA、なのでここの牙神はなんてことなく倒せるのである。

(俺も、初めての狩りのときはここ辺の牙神にてこずってここまで来るのもやっとだったんだよなー)

少し昔の思い出に黄昏ながら、入口の壁際に腰かけさっき会ったばかりの相棒をまっていた。

そーいえばあいつのランク聞くの忘れてたな、師匠の紹介だから信用はできるが相性が合うかどうかしんぱいだな・・・

「・・・おまたせ・・・」

不意に後ろから話しかけられ思いっきり顔からこけてしまった。

「いってー!!っていつから居たんだ!?」

「今さっきから・・・」

そこにはさっき集会場で別れ、会う予定だった駈がそこにいた。

「おまえ・・・ガン使いなの?」

「うん・・・・」

駈は主に緑色した防御力を徹底したと思われるものすごいゴツイ防具に銃口が1メートル弱はある遠距離射撃用の銃だった。

こいつ何なんだ…?見かけの割にすごい威圧を感じるし下手すると俺と同じ・・いや、俺以上のランクなんじゃないのか??

駈の実力に期待し、そして自分の装備を確認し始める。

動きやすさを重視した黒々としたその装備例えるとすればジャージ、だが素材がそんな簡単なものではなく防寒や防熱で、ある程度の攻撃ではびくともしない作りになっている。

「珍しいの持ってるね・・・」

「お、おう、お前のも凄いんじゃないのか?」

「そうでもないよ・・・」

謙遜しているが、駈の装備は明らかにAランク以上の牙神を倒さないと得られない装備のはずだ。

だが、Aランクのガン使い、なんて噂になりそうなもんだが全然そういった感じがない・・・、いったい何なんだよこいつ・・・

駈に対する謎が深まるばかりだがとにかくクエストを始めることにした。

「んじゃ、いくか」

「・・・そうだね・・・」

そうして、入口の中へと2人、足を踏み入れた。

   





           *******




「にしても何度来ても気味悪いな・・・・」

黄緑色の特殊な光を放つ石「ライトストーン」をかざしながら2人は前へ進んでいた。

「まぁ、この辺りまでは楽勝だな」

「・・・・うん、そうだね・・・」

この暗いトンネルの中、二人居るのに全く会話がないという微妙な雰囲気をどうにかならないか、という点について一生懸命考えた結果・・・

「・・・だ、だめだ・・まったく出てこない・・・・」

「?・・・なにが?」

「いや、すまん・・・、なんでもない・・・・」

「・・・そう・・・」

(やばい・・!!余計気まずくなった・・・!!)

とにかく、何か話題を出さねば!と思い、ふと思い浮かんだことを口にしてみた。

「お前、なんで武器をガンにしたんだ??」

「・・・僕のお父さんが昔使ってたから・・・」

「へぇ~、おまえの父ちゃんもブレイダ―なんだ!」

「うん、でも今どこにいるのかわかんないんだ・・・」

「そう、か・・・悪い事聞いたな」

「いいよ、気にして無いから・・・」

俺らはその後、お互いに無言のまま足を進めた。これ以上何か話したら戦闘に響きそうだったから、と二人とも同じことを考えていたが、また、違うこともお互いに考えていた。

彼は自分に似ているのではないか、と。

「お、そろそろだな」

二人が出た「そこ」は岩でできたドーム状のスペース、壁には螺旋状に炎がともされており、尽きることなく燃えつづけている。

そのスペースは主に「討伐所」と言われており、ここ以外では牙神から襲われることはまずない。

ただし、その討伐所に入ったらそこにいる牙神を倒すまで出ることができない。すなわち、上の階まで行くには下の階の牙神を倒して行かないといけないことになっている。

「ここは確か、F~Dだから、俺らの依頼はここ辺だな」

「そうだね、それじゃ行こうか・・」

討伐所へ足を踏み入れたら、そこにはDクラスの牙神「魔千」(ません)がいた。

名の由来は魔法使えそう、というのと、千年以上生きてそう、だかららしい・・・。

らしい、というのはこの牙神の名前をつけたのが豪珂、おれの師匠なのだ。

入った当時、師匠の自慢話でいろいろ聞いていたおれは無駄な知識を含めてたくさんの牙神の知識をもっていたりする。

「あのころは、ほんっとしんどかったな・・・・」

「ん?またなんか言った??」

「あ・・・、いや、なんでもない」

「・・乾って独り言多いよね・・・」

「そ、そうかな・・」

やばい!!妙なイメージついてしまった!!

駈にはかっこいいとおもわれたかった・・・、なんせ始めてできた友達だから絶対に裏切られたくないから・・・

そんな事を考えている間に魔千にきずかれ、すっかり取り囲まれていた。

「あちゃー・・、やっちまったな」

「そうだね・・・!!くるよ!!」

同時に攻撃をしかけてきた、魔千相手に、同時に真逆の方向へ走りだし二人同時に戦闘体制にはいった

「さてっとどいつからやるかな!!」

「援護するよ・・・」

「わかった!頼んだぜ!」

腰にかけててある短剣を振りかざし魔千へ向かい走りだした。

「まずは、こいつだ!!」

1番近くに居た魔千へこんしんの1撃をくらわせそのまま連撃へもちこんだ

「おらおらおらおら!!」

その連撃の時、全く他の魔千がおそってこなかったのは駈が他の魔千の足を打ち抜き動けなくしてくれていた

「ッツァ!!一丁上がり!!」

「こっちも一通り終わったよ・・」

そこにはさっきまででかすかに動いていた魔千が全く動かなくなって放置されていた。

おそらくさきほど打ち込んだ銃弾に毒のスキルが付いていたのだろう。

「やるじゃん」

「乾もね・・・」

「それじゃ、帰るとするか」

「そうだね・・帰ろうか・・」

そうやって、いつもと少し違う狩りを終えた二人は何処か清々しくそしてこれからの事を考えると、とても楽しくなるとそう思い1歩踏みだした。


自作の2作目です、がんばって書きましたので満足されると喜ばしいです。

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