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北風と太陽とわたし

作者: 溜せうゆ
掲載日:2026/06/15

 普段から仲の悪い北風と太陽が勝負をすることになりました。


 勝負の方法はそこを歩いている人間の男のコートを脱がせた方が勝ちというものです。


 まず北風が冷たい風を強く男へ吹き付けました。


 コートの端がバタバタと激しく揺れましたが、男が両手でぎゅっとコートを抑えたため、結局脱がせることはできませんでした。


 次に太陽が男を強く照らしました。


 あたりはどんどん暖かくなり、男も顔から汗を吹き出させていますが、それでも決してコートを脱ごうとはしませんでした。


 いくらやっても勝負がつかないことに焦れた北風と太陽は、


「あの男は頑固すぎる。何か理由があるのかもしれないからちょっと聞いてきてくれないか」


 と、私に言いました。


 ええっ、私ですか!? 審判役だけって話だったんじゃ……と困惑していると「いいから行ってこい」と無理やり押し出されてしまいました。


 仕方なく私がコートの男に近づくと、男はにやりと笑いながらいきなりコートを脱ぎ捨てました。


「きゃぁっ!!」


 それを見た私は思わず悲鳴を上げてしまいました。


 男はコートの下に何も身に着けていなかったのです。

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