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宇宙の大きさへ

掲載日:2026/04/05


ピピピッ.....ピピピッ.....


朝7時、スマホのアラームが鳴る。


男は目を覚ました。


「ふぅ...体だりぃ」


34歳のサラリーマンである田中は朝から体調不良を感じていた。


「あー」


「風邪ひいたかもな...インフルか?」


世間では最近、新型インフルエンザが流行している。


田中は体温計を脇に挟んだ。


ピピピッ.....


体温計に表示された温度は38.9度。


「これダメだなあ...会社休んで病院行かないと。」


そして、田中は上司に会社を休む旨の連絡をした。


一方その頃、とある宇宙観測所では緊急会議が行われようとしていた。


「ゴホッ!ゴホッ!」


リモート参加の何人かはマスクをして咳をしている。


「新型ウイルスが流行っており、体調が悪い者もいる中、急遽集まって貰いすまないな。」


所長は続けて言った。


「これを見てくれ。」


巨大なスクリーンに映し出されたのは、宇宙の観測データだった。


画面上のグラフを指差しながら所長は言う。


「観測史上最大規模の太陽フレアだ。」


研究員が言った。


「影響範囲は?」


「ほぼ全宇宙だ。」


部屋がざわつく。





バンッ!


青ざめた顔の研究員が、会議室の扉を激しく開けた。


息を切らした研究員が叫ぶ。


「ヤバいです!

強烈な電磁嵐が発生中!

文明圏の電力網が次々と停止しています!」


「…..そんな馬鹿な。」


世界全体で大規模停電が起きていた。


「ゴホッ!ゴホッ!」


田中は布団の中で咳をした。


体が重い。頭が痛い。


「なんか食うか。」


田中は重い体を引きずり、台所に向かった。


冷蔵庫から昨日コンビニで買ったレトルトスープを取り出す。


レンジで温めたスープを田中は食べる。


「あったけえ。」


スープを飲むと体が少しだけ軽くなった。

頭痛は治らない。


「頭いてぇな。」


一方、宇宙研究所にて。


さらに深刻な事態が起きていた。


「超新星爆発を確認!」


「何!?」


研究所、そして世界は騒然としている。


巨大な恒星が次々と爆発している。


銀河各地で観測されていた。


次の日


田中は目を覚ました。


「うーん。」


「あれっ? 体調いいな。」


体が軽い。

頭痛も引いた。

熱も下がっている。


窓の外では朝日が登っていた。


田中は窓を開ける。


「はぁ。今日も平和だな。」



しかしその頃、宇宙では。


110万年にわたる異常宇宙気象。


文明は崩壊していた。


崩れた摩天楼。


荒廃した都市。


残された人類の末裔たちは空を見上げていた。


最近、宇宙の異常気象が徐々に落ち着いてきたのだ。


「終わったのか...」


一人が言う。


「観測データによると、宇宙活動が急激に安定しているようです。」


「110万年続いた災害が?このタイミングで?」


「はい」


誰かが呟いた。


「宇宙が...回復したんだ。」


それから時は流れた。


宇宙では文明が何度も栄え、そして滅びた。


宇宙誕生から約333億年後。


新たな文明の宇宙観測所での出来事。


観測史上最大の事件が起きる。


「おかしい。」


「宇宙の膨張が...止まった?」


「重力が急激に増大している!」


銀河が引き寄せられる。


恒星が潰れる。


空間が収縮していく。


「これは......」


「ビッグクランチだ!」


この瞬間、宇宙は終わろうとしていた。



その頃、ある病院での出来事。


心電図の音が静かに鳴っていた。


ピー...ピー...ピー...


ベッドの上には老人が横たわっている。


83歳。


かつて普通のサラリーマンだった男だ。


家族と医師が見守る中、男の呼吸は次第に弱くなっていく。


そして最後の時は訪れた。


ピーーーーーーー


心電図が一直線になった。


医師が静かに言う。


「...ご臨終です」


一方、宇宙では。


宇宙はこれまで、ずっと膨張し続けていた。


しかしある瞬間、その膨張が止まった。


そして次の瞬間。

宇宙は自らの重力に引き戻されるように、内側へと崩れ始めた。


宇宙が押し潰されるように収縮し、

最後にはすべてが一点へ戻ると考えられている現象。


ビッグクランチ。


それが、今まさに起きていた。


銀河も、恒星も、文明も。


すべてが重力に飲み込まれていく。


そして宇宙は消えた。


⑩エピローグ


人は空を見上げ、宇宙の大きさを想像する。


どこまで続いているのだろう。


宇宙の外はどうなっているのだろう。


無限の大きさとはどのようなものだろう。


しかし。


もしかすると。


宇宙には、もう一つの無限があるのかもしれない。


それは、<無限の小ささ>。


例えば、誰かの体の中に。


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― 新着の感想 ―
壮大なスケールの話で面白かったです。
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