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ごっどぶれすゆー スサノオ様本気出す?  作者: 宮城 英詞
災い転じて福と成す

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出動!アマビエ様

 暗雲が空を覆い、強風が電気街を駆け抜ける。

 今にも雨が降り出しそうな空気の中、ここ、通天閣は巨大な祭壇と化していた。

 神々が集い、塔を依り代としてアマビエ様に願いを伝える。

 当の主ビリケンさんを中心に渾身の霊力と思いを込め、神々はアマビエ様に訴えを始めていた。

 薄暗い空の元、通天閣が霊的な光を帯びるのが見える。

 それを眺めながら千住院は感嘆のため息を漏らしていた。

「衰えたというてもさすがは神、たいしたもんやな。」

「通天閣はこの町のシンボルですからね。依り代としては最適です。ネットや世間でもアマビエ様を厄除け神としてあがめる動きが出てきました。これで何とか味方に引き入れられそうです。さて、あとは……。」

 そう言うと俺は千住院と共に、歩みを進めた。

 その先には、関所よろしく通りの向こうを固める関公様達がいる。

 俺は武器や盾を構え、こちらを出迎える関公様に静かにそして礼儀正しく礼をして声をかけた。

「お世話になっております。「弘田土地管理」の榊です。あの、以前からお話していますが、こちらは古来より土地神様が居られまして、せめてそちらの指示に従っていただきたいのですが、ここまで話がこじれますと、こちらとしても霊的な手段に訴えなければならないというお話になっておりまして。今一度我々を介してお話しいただくことはできませんでしょうか?」

 それは、あくまで、交渉の手段は捨ててはいませんよ、という意志の提示であった。

 それに、関公様達は武器と盾を構え、こちらをけん制する。

「話し合いは以前行い、こちらの要求はすでに伝えた!不満があるというなら刃を持ってお答えいたす!」

「ですよね。」

 もう、これを聞きに来たと言わんばかりの俺。

 これで、交渉の芽を摘んだのは向こうという事になる。

 後ろを振り向くと千住院も、特に驚いた様子もなく頷いていた。

「まぁ、交渉決裂。宣戦布告っちゅうことやろな。」

「そう言うことですね。」

 言いつつ俺はスマホを懐から取り出し、明石さんにつなぐ。

 神々が不意打ちという訳にもいかないそうなので、ややこしいがこういう事をしなければならないのである。これで、お互いの立場がはっきりしたという訳だ。

 それは、アマビエ様の力を借りる文字通り大義名分になるのである。

「明石さん、予定通り宣戦布告いただきました。」

「おっけー!ほな始めるわ。」

 俺が電話を切ると遠くの通天閣の点滅が始まった。

それに呼応するように、巨大なアマビエ様がゆっくりと動きだした。

「成功です!通天閣を依り代に、アマビエ様に想いが伝わりました!これであのパワーを使えますよ!」

「……まるでラジコンやな。」

 キエェェェェ!

 千住院がそう言うと同時にアマビエ様の雄たけびが響いた、周囲に霊的な音波が起こり関公様達を襲う。

 それに関公様達は一斉に反応を始めた。

 ゆっくりと前進するアマビエ様に弓矢が放たれていくのが見える。

 それにアマビエ様は口から暴風を吐いて応戦する。

 それはもう古代兵対怪獣のような光景だった。

 俺と千住院は双眼鏡で観戦しながら、巻き添えを食わないよう早歩きで距離を取る。

「なんかすごいことになっとるなぁ。これ、周辺の被害とか大丈夫なんか?」

「あくまで霊的なぶつかり合いですからねぇ。アマテラス様ほどのパワーはないですから。まぁ、近づいた人が気分悪くなるか、運気が下がるくらいじゃないですかね?」

 霊視した感じでは巨大な生物が暴れているのだが、よく見ると建物やビルは透過している。

 我々のような霊能力者や神々は近づく気にもならないが、今の所周辺被害は少なそうである。

アマテラス様のような自然現象の化身だとこうはいかないだろう。

「しかし、その分効果は薄い。なんぼパワーがあっても向こうは武神やからな。」

 そうこう言っているうちに、向こうは投石機を使い始めたらしい。

 巨大な岩がアマビエ様を打ち、矢もあちこちに刺さりだしているのが見える。

 さすが武神。攻撃手法や力の使い方は心得たものである。

 霊威の勢いが衰えたか、徐々にアマビエ様が小さくなっていくように見える。

 だが、それは想定内の話だった。俺は不安そうな千住院に落ち着き払って答える。

「大丈夫です。この辺も想定内ですよ。ひとまずは不安の矛先をはっきりさせてエネルギーを発散してくれればそれで良し、です。関公様の戦力も分散できますしね。」

「ほな、本命の一手があると?」

「ええ、もう来てもらってますよ。」

「え?」

 千住院の問いに俺が親指を立てて答えると、突然周囲を暴風が包んだ。

 風は周囲の塵を巻き上げながらやがて小さな竜巻となって圧縮されていく。


 そして、その竜巻の中から、巨漢の男神が姿を現した。

「いよう!榊君!呼ばれて飛び出てきたで!えらいおもろなってきたやんか!」


 それは我ら八百万の神々の良く知る神、スサノオノミコトの姿であった。


全日本の不安を背負い

アマビエ様が動き出す!

だけど本命反撃は

やっぱりこの神!スサノオ様

次回タイトル回収で

スサノオ様が本気出す!

神の怒りのその先は?

次回更新座して待て!


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