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第2回『平原の厄介者・ディグラビット3』

この小説に目を留めていただきありがとうございます。

皆様の暇つぶしになれば幸いです。

「さて、では家主のいない間に巣穴に侵入してみましょうか」



 先ほどのディグラビットが出てきた巣穴。それがどういう構造になっているのか、知っている人は少ないのではないでしょうか。

 今回は特別に用意したカメラを使い、この巣穴の中を覗いてみましょう。


 巣穴の中へと侵入するのは魔力球カメラ。

 名前の通り、直径10㎝ほどの円形をしたカメラです。これは望遠の魔法を球状の形に固定したもので、ここから入ってきた映像を受信側の魔力球カメラで受け取り、映像として出力する仕組みになっています。



「とはいっても、彼らの巣穴はとてもシンプルな構造です。

 普通のウサギに比べると体が大きいですから、あまり複雑な構造にすると移動が大変になってしまうんです」



 博士の言う通り、巣穴の入り口から入ってまず見えたのは縦長の穴。

 おおおよそ50㎝ほど地面から直角になるように掘られたこの穴は、ディグラビットにとって出入口用の通路となっています。似たような生態を持つアナウサギは、横方向や斜め下方向へと穴を掘りますが、ディグラビットは真下へと掘る習性を持っているのです。


 そして真下へと掘られた穴の途中――おおよそ地面から30㎝ほどの地点に、今度は横へと続く穴が見つかりました。

 こちらの穴が、ディグラビットが生活する真の意味での『巣穴』へと繋がる通路です。



「こういった形にしているのは、さまざまなトラブルから身を守るためです。

 横方向ではなく真下に掘ることで、敵を穴に落として身動きを取れなくする、そして自分の生活空間は途中から分岐させておけば敵に襲われる心配も少なくなりますからね」



 さらに、途中から分岐させることにも意味があります。



「こうして真下に掘っている以上、大雨が降れば底の部分には水が溜まってしまいます。

 そうなった時に、途中から分岐させておくことで生活空間が水没することを防いでいるんです」



 自分を襲う敵と自然への対処。

 巣穴の位置を忘れてしまうような彼らが作ったとは思えない、しっかりとした理由のもとに設計されています。

 彼らの生活空間を覗き見る前に、この巣穴についても少し詳しく話をしておく必要があります。



「彼らは進化した前足と、空洞になっている爪を上手に使うことで、これだけの穴を掘っています。

 そして驚くべきなのはその際に出てくる土の使い道です」



 そう。ディグラビットの巣穴はかなりの規模になりますが、巣穴の周辺には穴を掘った際に出るだろう土は見当たりません。これだけの穴を掘るのですから、その際に出てくる土もかなりの量になると思うのですが……。

 彼らが掘った穴の周辺には、それらしい土砂は見当たりません。

 これはこの巣穴が古いからというわけではなく、ディグラビットが掘ったばかりの巣穴でも同様です。


 なぜ彼らの巣穴周辺には、掘った際に出るはずの土が無いのか。

 その答えは、巣穴の壁をよく見ることで解決できました。



「巣穴の壁を見てみると、非常に滑らかな状態になっていますよね?

 これ、実はディグラビットが土で補強しているからなんです。彼らは前足で掘った土を地上に放り出すのではなく、後ろ足を器用に使って壁の補強をするんですよ」



 博士の説明では、ディグラビットは円を描くように動きながら穴を掘るそうです。

 まんべんなく壁を補強するためにそういった動きになるようで、できあがった巣穴の壁は今カメラに映っているように、滑らかかつ頑丈な壁となります。

 こうすることで、雨に塗れても崩れにくい巣穴を作り上げるのです。






最後までお読みいただき、ありがとうございました。

作者のラモンと申します。


ディグラビットの紹介その3です。

キリが悪いかなと思いましたが、今回の投稿はここで終わりとさせていただきます。

巣穴の構造を考えるの、意外と苦労しました……。



それではまた、次回でお会いしましょう。

ラモンでした。



※何度も書き直し、書き足しを行っているため、内容がおかしな場所があるかもしれません。

もし内容が繋がっていない、矛盾している、誤字脱字などお気づきの点がありましたら、感想などでご指摘ください。

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