第13回『ダンジョンに蠢く怪物・ロックスパイダー1』
この小説に目を留めていただきありがとうございます。
皆様の暇つぶしになれば幸いです。
この世界にはさまざまな生き物――モンスターが存在しています。山と見紛うほどに巨大なドラゴンをはじめとして、陸海空を問わず人間よりもはるかに広大な範囲に生息するモンスター達。
しかしその生態を知っている人は、意外と多くありません。私たちにとって身近な存在でありながら最も遠い存在。
そんな異世界のモンスター達の生態に、我々と共に迫っていきましょう。
第13回では、陸海空といった自然の領域から視点を変え、ダンジョンに生息するモンスターを紹介します。
今回紹介するモンスターの名前はロックスパイダー……ダンジョンに生息するモンスターの中でも、表層から深層まで幅広く見かけることができるモンスターです。
自然界とはまた違った法則を持つダンジョンモンスターであるロックスパイダー。
ダンジョンという閉鎖空間に適した生態を持ち、探索者たちを震え上がらせるロックスパイダーたち。
自然界にいるモンスターとはどういった点が違うのが、似ている部分はどういったものがあるのか。その違いに、我々取材班と博士が迫っていこうと思います。
ダンジョンだけに生息するロックスパイダーというモンスター。
その生態、そして危険性とはどういったものなのか。そして我々一般人にとって、本当に危険がないのかどうか……。
世界モンスター紀行、はじまりです。
●世界モンスター紀行
第13回『ダンジョンに蠢く怪物・ロックスパイダー』
今回はロックスパイダーの生態について語る前に、ダンジョンについて少しだけ説明を挟んでおきましょう。
ダンジョンとは、基本的に元々坑道だった場所や天然の洞窟、そして結界の外にある廃ビルといった場所に、ドラゴンなどの多量のマナを有するモンスターが住み着くことで、その一帯のマナ濃度が濃くなり、独自の生態系が築かれた場所のことを指しています。
独自の生態系という通り、例えば平原に存在するダンジョンであっても、山岳地帯の山頂に生息しているようなモンスターが数多く存在しているということがよくあるのがダンジョンです。
ロックスパイダーもまた、そんな独特な生態系を持つダンジョンに生息しているモンスター。
危険性で言えば、以前紹介した吸血蝶よりも高くランク付けされています。
さて、今回はダンジョン内の撮影となるため、我々取材班が直接赴くのではなく以前にも使った魔力球カメラによる撮影となります。さすがにダンジョン内ともなると、探索者の護衛を雇ったとしても安全ではありませんからね。
ちなみにダンジョンに入ることができる探索者は、ほぼ上級探索者だけに限定されています。
そのくらい、ダンジョン内部に生息するモンスターは危険度が高い種類ばかりなのです。
ロックスパイダーは、主に廃坑など地面を掘った場所にできるダンジョンに生息しているモンスターです。
今回カメラを潜入させるのは、トーキョー近辺のダンジョンとしては最も有名な、イムナック炭鉱となります。ここはトーキョーから最も距離が近く、ロックスパイダーが多く生息していることでも知られています。
それでは早速、魔力球カメラをダンジョンの入り口から侵入させてみましょう。
当然ですが、洞窟が基になっているダンジョンですから通路内は暗く、幅・高さ共に5mほどの狭い道が続きます。
この魔力球カメラはそれ自体が光を放っているので、視界は確保されています。探索者の場合は、魔法が使えれば魔力球を使い、それ以外の場合は松明を灯りとしています。
「こういったダンジョンの見通しの悪さもまた、慣れた探索者たちしか入れない理由ですね。
駆け出しや下級の探索者が、好奇心から勝手に入る時もありますが……まあ、大体は想像するまでもないでしょう」
そもそもダンジョンには危険度の高いモンスターが多く生息しています。
それにこの狭さと見通しの悪さが加われば、経験を積んでいない探索者など赤子の手を捻るように容易く命を落としてしまうでしょう。
ちなみにロックスパイダーはダンジョン内のモンスターでは、危険度が最も低く設定されています。
そんなロックスパイダーでさえ、熟練の探索者でなければ討伐は難しいでしょう。
読んでいただき、ありがとうございます。
その2へ続きます。
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