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第11回『探索者の登竜門・ホーンシープ6』

この小説に目を留めていただきありがとうございます。

皆様の暇つぶしになれば幸いです。

 最後に我々は、ホーンシープからはどんな素材が採取できるか、博士に尋ねてみました。

 探索者だけで生活していけるかどうかを分ける分水嶺とも言える存在であるホーンシープ、それは何も討伐報酬が一定以上だからというだけではありません。

 彼らから採取できる素材が、ある程度の価格でギルドでの買い取りをしているからというのも、理由のひとつです。



「ホーンシープから採れる素材といえば、やはりあの大量の体毛ですね。

 一匹から大量にとれるうえに、先ほど述べたように殴打や刺突に耐性があり、普通の服の素材としてはもちろん、鎧などの内側に編み込む素材としても重宝されています」



 ホーンシープの体毛は、可燃性こそ高いものの衝撃の吸収性が抜群で、鎧などの裏地として使えば多少の攻撃ではびくともしない鎧となります。

 さらに他のモンスターの体毛などと混ぜて作ることで、さまざまな耐性を持った鎧を作ることもできるので、非常に重宝されている素材なのです。さらに劣化するまでの期間も1年ほどとなっており、適度な感覚で取り換えをしなくてはならないというのも、防具屋からはとても評価が高い要因となっています。



「取り替える時には、鎧ごと買い替えたり、定期的にメンテナンスで裏地の補修をする必要があります。

 そうなれば、その時その時で少しずつお金を得ることができるため、防具屋としてはとても良い稼ぎになるんですよ」



 探索者の命を守る鎧の裏地だからこそ、小まめなメンテナンスや、古くなってきたら買い替えなどをするのは必須です。

 そういった意味で、適度な期間で劣化してくれるホーンシープの体毛は、素材としてとても便利なのでしょう。また、探索者からしても斬撃には耐性がないため、ナイフなどで簡単に採取できるという点もまた、便利なポイントです。



「まあ、大量に需要があるということは、それだけ供給もあるということです。

 大量生産されている服にも使われるため、市場価格はそこまで高いものではありません」



 1匹のホーンシープから採れる体毛は平均1㎏であり、慣れれば1日で10匹以上を討伐することも可能です。もちろん大量の体毛を持ち歩く必要があるので大変ですが、買取価格が1㎏で1万円と平原で討伐できるモンスターの中ではなかなかの価格です。

 一人前の探索者となる頃には、この大量のホーンシープの体毛を持ち歩く手段も、自然と用意できています。

 輸送用のトラックや、荷物運び専用探索者の雇用、さらにはマジックボックスと呼ばれるアイテムの購入など、探索者として生きていくためには必要不可欠な物を購入するためにも、ホーンシープの安定した討伐ができるかどうかは重要になってくるわけですね。



「ちなみにホーンシープの体毛は、火種として使われることもあります。水に濡れていても燃える素材なので、キャンプ用品として販売されていることもあるんですよ」



 軍隊でもホーンシープの体毛は非常時の火種として持ち歩かれています。

 どんな状況でも、確実に火を確保することができるというのは、とても大事なことですからね。探索者の場合、火を確保することは夜間の照明としてだけでなく、火に弱いモンスターを倒す手段としても使われます。

 服としてだけでなく、火種としても使われるホーンシープの体毛、大量に採取できるというのに1㎏1万円で買い取って貰えるのは、こういった理由もあるわけです。






読んでいただき、ありがとうございます。

その7へ続きます。


※誤字脱字などありましたら、感想などで教えてください。

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