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第11回『探索者の登竜門・ホーンシープ2』

この小説に目を留めていただきありがとうございます。

皆様の暇つぶしになれば幸いです。

「ちなみに、角によって心臓などを刺されて死亡するというのは稀です。

 ほとんどは脇腹などに攻撃を受けての出血多量や、足を刺されて移動が困難になったところを、他のモンスターに襲われて……という原因ばかりですね」



 私たち一般人とは、身体能力そのものが異次元と言っていいレベルの探索者たち。だからこそ心臓や頭などに攻撃が直撃するということはありません。例え下級探索者であっても、ホーンシープの攻撃を全て避けつつ討伐をする、というのは決して難しいことではないのです。

 しかし駆け出し探索者の場合、まだモンスターとの戦闘に慣れておらず、かつホーンシープのように積極的に攻撃してくる相手は慌ててしまい、結果として攻撃を避けきれず脇腹や手足などに攻撃を受けてしまいます。

 そして、それが原因となって死亡するケースが多くあるのです。



「彼らは――おや」



 博士の解説を聞いていた我々がカメラをホーンシープへと戻すと、そこには自分の顔位の位置まである大きさ――おおよそ60㎝ほどの岩に向かって、夢中になって角を繰り出しているホーンシープの姿がありました。

 目の前にある石は特に変わった部分もなく、平原によくあるちょっと大きめの岩のようです。

 何故ホーンシープは、そんな何の変哲もない岩を執拗に攻撃しているのでしょうか。



「あれもホーンシープが探索者の登竜門、そして駆け出し探索者が死亡する原因にもなる特徴ですね」

 


 ホーンシープは非常に好戦的な性格をしており、例えば自分が移動する先に何か障害物があれば、それが動物やモンスターであろうとそれこそ岩などの無機物であろうと、お構いなしに攻撃を仕掛けます。

 ヘッドバードのように衝突してから攻撃に移るというわけではなく、常に先制攻撃をしてこようとする。


 駆け出しの探索者が相手をするのは、大半がスライムやディグラビットなど、自分たちから先制攻撃を仕掛けることができるモンスターばかり。

 そこでいきなり鋭い角を持ったホーンシープが、自分たちを見つけ次第向こうから先制攻撃を仕掛けてくるわけです。

 自分たちがペースを握ることに慣れ切った駆け出し探索者は、突然の襲撃にパニックを起こしてしまい、本来なら避けれるような攻撃でも深手を負ってしまいやすくなるわけですね。



「何故ホーンシープがここまで好戦的なのか、それは彼らが臆病だからと言われています」



 目の前にあれば、それが何であれ攻撃を仕掛ける獰猛さ。それが臆病さから来るものだと言われると、いささか違和感を感じてしまいます。



「そうですか? 臆病だからこそ、必要以上に些細なことまで反応し、過剰なまでに攻撃をしてしまう。

 そう考えれば、そこまで矛盾していないと思えませんか?」



 言われてみると、臆病さと獰猛さが両立していることにも納得がいきます。

 彼らにとっては自分以外の全ての存在が、自分に危害を及ぼすような存在に見えているのでしょう。博士の解説が終わる頃には、気が済んだのかカメラに映るホーンシープは岩への攻撃をやめ、地面に生えている草を食べ始めていました。


 先ほどまで執拗に攻撃されていた岩は、角によって穴だらけにされてしまい、元の頑強そうな見た目から今にも崩れそうな見た目へと変わってしまっています。

 驚くべきは、あれだけ攻撃しておきながらほとんどの攻撃が、同じ場所を攻撃していないという事です。

 岩全体をまんべんなく角で攻撃しているあたり、暴走しているように見えて実は冷静なのかもしれません。






読んでいただき、ありがとうございます。

その3へ続きます。


※誤字脱字などありましたら、感想などで教えてください。

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