第9回『愛されるペットモンスター・岩ヒトデとエアフィッシュ6』
この小説に目を留めていただきありがとうございます。
皆様の暇つぶしになれば幸いです。
「無色のエアフィッシュが何故高価なのか、それは貴重だからというだけではありません」
近年、エアフィッシュをペットとしている人たちの間でどれだけ美しい色をしたエアフィッシュを育てられるかというのを競うのがブームになっています。
実はエアフィッシュの鱗は一色だけになるわけではなく、例えば複数の属性のマナをバランスよく吸収すると、それぞれの色が合わさった色になったり、まだら模様になることもあります。
無色のエアフィッシュを購入する人たちは、そういった彼らの特性を活かして世界に一匹しかいない、自分だけの特別なエアフィッシュを生み出すことを目標としているのです。
さらにそうして自分だけの色を生み出したエアフィッシュの鱗の美しさを競う大会もあるため、無色のエアフィッシュというのはエアフィッシュ愛好家の間では競うように求められています。
そういった背景もあって、無色のエアフィッシュはこんなに高値で取引されているのです。
「それと、彼らはペット目的以外にも需要があるんです」
ペット以外でのエアフィッシュの需要。それは主に土地の調査をする企業からの需要です。
それぞれの土地がどの属性のマナが多いのか、それを知ることで水害などを未然に防ぐことが可能となったり、農作業に適した土地を見つけたりということができます。
そういった場面で、エアフィッシュの吸収するマナの属性によって色が変わる鱗というのは、まさにうってつけのリトマス紙になってくれるわけですね。
特に山岳部では、赤いエアフィッシュを見かけたら近くに活動している火山がある証拠なので、山を通過する人たちからは危険察知に役立つと重宝されているのだとか。
そのため、そういった企業からの捕獲依頼もちらほらとギルドに出されています。
ペット需要と比べると多くの数はいらないので、本当にちらほらというぐらいの頻度ではありますが。
こうして見てみると、エアフィッシュはペットとして、そして土地の問題を未然に防ぐための道具としてなど、モンスターでありながら私たちにとってメリットしかないように感じます。
「ただ、野生のエアフィッシュはまったくの無害というわけではありません」
エアフィッシュは死ぬ間際、地上付近まで下りてくると説明しましたが、その際に車のフロントガラスにぶつかってしまうという事故が発生する場合があります。
もちろん彼らは小さいですからガラスが割れるということはありません。
しかし、いきなりぶつかってきたエアフィッシュに驚いて、ハンドル操作を間違ってしまう運転手もいるので、年間数件ではありますが自動車事故の原因となっているのです。
彼らからすれば、死にそうだから降りてきているだけなのですが、それが私たちにとって思わぬ事故の原因となる。
それはやはり彼らが空を飛んでいる以上、避けられないものなのかもしれません。
「それから何らかの要因で空中でエアフィッシュが死んだ場合、その死体が上空500mから落ちてきて、運悪く下を通っていた人間に当たってしまうという事故も時々起こります。
意図的ではないにしろ、エアフィッシュは一応我々にとって脅威になる部分も持っているんですよ」
偶然の事故ではありますが、岩ヒトデとは違い野生のエアフィッシュは我々にとって害になる部分もあるようです。
とはいえ、交通事故に遭うよりも低い確率ですから、あまり気にするほどでもありませんが。
◇◇◇◇◇
岩ヒトデとエアフィッシュ。
どちらもモンスターでありながら、殺傷能力を持たず特に危険な生態も持たず、ただただ周りに迷惑をかけずに生きています。そのおかげで我々人間にペットとして目を付けられ、より安全な環境で生きていくことができたわけですから、ある意味では誰よりも上手に生きているモンスターと言えるかもしれません。
モンスターでありながら我々と最も近しい関係になりつつある、この2種類のモンスターたち。
人間から可愛がられる彼らを見ていると、まるで狙ってそうなるように自分たちを作ったのではないかとさえ思えてくるのです。相手に脅威を与えず、むしろ飼われることを目的としているような、そんな生態を持つ岩ヒトデとエアフィッシュ。
野生で生きていくにも適しており、ペットとしても丁度良い。
そんな彼らは、私たち人間の街で今日も誰かの家族として迎えられています。
視聴者の皆様も、この機会に彼らをペットとして迎えてみてはどうでしょう?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
作者のラモンと申します。
今回は無害なモンスターについて少し言及する内容となりました。
実際、無害ならペットにしたいってモンスター、ゲームにもいますよね。
現実にモンスターがいたとしたら、絶対こういうモンスターもいるよなー……なんて思って書きました。
それではまた、次回でお会いしましょう。
ラモンでした。
※何度も書き直し、書き足しを行っているため、内容がおかしな場所があるかもしれません。
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