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第1回『平原の掃除屋・スライム5』

この小説に目を留めていただきありがとうございます。

皆様の暇つぶしになれば幸いです。

 トーキョーへと帰る道すがら。

 博士はスライムが捕食以外でも我々の生活に大きく関わっていると教えてくれました。



「通常活動をしているスライムの外殻は、非常に粘性が高く接着剤として重宝されています。

 一度乾燥させてしまえば、ちょっとやそっとの衝撃ではビクともしませんし、衝撃の吸収性も高く建築現場などでも使われているんですよ」



 確かに我々取材班が普段使っている日用品の中にも、スライムの外殻で接着された品物は数多くあります。

 一般家庭からマンションや都庁まで幅広く活躍しているスライムの外殻は、それだけに非常に高い需要を誇っています。そのため、探索者になったばかりで装備の購入もままならない駆け出しにとって、買取価格の単価は安くとも安全かつ大量に確保しやすいスライムの外殻は、重要な収入源にもなっているのです。



「ちなみに核もまた、効率の良い魔力燃料として重宝されています。

 スライムを倒すためには核を傷つける必要がありますから、状態が良いまま入手するには氷魔法で外殻を一気に凍らせ、本体ごと持ち運ぶ必要があります。だから、状態の良いスライムの核は、とても高値で取引されているんですよ」



 魔力を吸収する性質を持つスライムの核。

 これは魔力炉などをはじめとした、さまざまな燃料として使われています。核が10個あれば1カ月以上魔力炉を維持できるというのですから、非常に効率の良い燃料でしょう。


 しかもスライム魔力の吸収効率も非常によく、それこそ一般の人ですら5人いれば1日で魔力炉の燃料として十分なくらいの魔力を貯蔵することができるのです。

 ですが手に入れることが難しいため、外殻が500mlで1000円程度なのに対し、無傷の核は1つだけで100万円以上と比べられないほど高値が付いています。

 スライムは外殻だけでなく、核も私たちの生活に大きな恩恵をもたらしてくれているのです。



「通常時の外殻は接着剤としてですが、捕食時の外殻はまた違った目的で使われます。

 非常に高い融解性を持っているので、採掘現場で硬い岩盤を破壊する際によく使われているようですね」



 まさに捨てるところ無し。どの状態であっても、素材の確保の難易度に差があるだけで需要は高いとは驚きです。

 『平原の掃除屋』スライム――平原でよく見るだけのモンスターだと思っていた彼らは、実のところ私たちの生活にとって、想像していた以上に良い影響をもたらしてくれるようです。


 モンスターの死骸を捕食することで、疫病やモンスター誘引の防止。

 そしてスライムから取れる素材は、私達の生活に欠かせないアイテムとなって役立っています。



「スライムほど人類の役に立っているモンスターはいないでしょう。

 もちろん大きな視点で見れば、スライムは人類にとっての脅威です。しかし身近な視点で見てみれば、スライムこそ私たちの生活を基礎から支えてくれている存在なんです」



 博士の解説を聞いていて、我々はふと疑問に思ったことがあります。それだけ生活の各所に使える便利なモンスターならば、人の手で管理はできないのでしょうか。そんな疑問を博士にぶつけてみました。






最後までお読みいただき、ありがとうございました。

作者のラモンと申します。


スライム編もそろそろ終わり、ここからはスライムから採れる素材なんかについての解説パートです。

長いと思われるかもしれませんが、もう少しお付き合いください。



それではまた、次回でお会いしましょう。

ラモンでした。



※何度も書き直し、書き足しを行っているため、内容がおかしな場所があるかもしれません。

もし内容が繋がっていない、矛盾している、誤字脱字などお気づきの点がありましたら、感想などでご指摘ください。

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