表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/83

第5回『駆け回る弾丸特急・ヘッドバード5』

この小説に目を留めていただきありがとうございます。

皆様の暇つぶしになれば幸いです。

「ただ、彼らの接近そのものには早い段階で気付くことができます。

 というのも、非常に強い力で走るので足音が非常に大きく、土埃も凄まじく巻き上げるので見通しが良ければ1km先からでも見つけることができるんですよ」



 博士の言う通り、彼らの足音は非常に大きいため、平原ならよほどうるさくしていない限り接近に気付くのは容易です。

 早めに気付くことができれば、彼らは直線にしか走ってこないのでやり過ごすことができ、被害を受けずにすむでしょう。しかし、それでも毎年数多くの事故が起きているのには原因があります。



「例えばトラックなどの場合、エンジン音によって彼らの足音に気付くのが遅れてしまうことが多くあります。

 気付いた時にはすでに回避できない距離まで近づいていて、そのまま衝突してしまう……ということがありますね」



 さらに探索者ならば、他のモンスターと戦闘中で回避できない状況になってしまうということも少なくありません。何らかの原因によって足音を聞き逃してしまうと、それがそのまま死に繋がる可能性が極めて高い。

 仮に足音や土埃に気付いたとしても、移動速度が遅い乗り物などに乗っていれば逃げることが難しい。

 人間を直接的に襲うことはなくとも、遭遇する確率、そして遭遇がそのまま死亡になる確率の高さこそ、彼らがシルバーベアに並ぶほどに危険と言われている理由なのでしょう。


 ただ、もちろん彼らに対して何の対策もされていないわけではありません。

 近年では遠距離の輸送をする大型トラックなどには、2km四方を探知できるレーダーが標準で搭載されています。これによって、エンジン音などで足音を聞き逃したり、見えない位置から突進されるという危険を回避することができるのです。



「さらに夜間平原で狩りを行う探索者に向けて、手に持つことができる簡易型のレーダーも販売されています。

 夜間は特に砂埃という分かりやすい目印を見落としてしまいがちなので、レーダーは重宝されているんですよ」



 ゴーストなど夜間にしか見つからないモンスターを討伐するため、夜間に活動している探索者は結構います。さらに大型トラックなどによる長距離輸送は、昼夜問わずに移動をしなくてはいけませんから、このレーダーはとても重要です。

 レーダーはそれなりに高価ですから、企業にとっても探索者にとっても頭の痛い問題です。

 しかし、ヘッドバードによる被害を考えるを導入せざるをえない。ヘッドバードの厄介さには、誰もが頭を悩ませているのです。



「その一方で、彼らはスライム以上に狩りやすいモンスターとしても知られています」



 ヘッドバードは目の前に武器を構えた探索者が来たとしても、警戒する素振りすら見せないことが知られています。研究者たちの間では、これは彼らの知能が低いため二本足の人間を仲間だと思っているのではないか、という説が有力です。

 基本的に平原でヘッドバードの敵となるのは、スケイルウルフなど四本足のモンスターばかりです。

 そのため、知能の低い彼らは四本足は敵、二本足は仲間と認識しているのではないでしょうか。


 もちろん近場に他の個体がいれば、狩られた仲間を見てパニックを起こして暴れまわるため、周囲に他の個体がいないかどうかは確認する必要はあります。

 ただ、近くに別の個体がいたとしても煙幕などを使用することで見えなくしてしまえば、問題なく狩ることができます。

 なぜか彼らは大きな音には驚くのに、煙が自分の周りに充満していても驚くことはありません。これもまた彼らの知能の低さ――というよりも、危機意識の低さが原因だと言われています。


 もし一撃で倒すことができない場合でも、先に足を傷つけておけば走れなくなりますから、逃げられる心配はありません。後は嘴の届かない位置から攻撃をすれば安全に狩ることができます。






お読みいただき、ありがとうございます。

その6へ続きます。


※誤字脱字などありましたら、感想などでご指摘ください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ