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第5回『駆け回る弾丸特急・ヘッドバード3』

この小説に目を留めていただきありがとうございます。

皆様の暇つぶしになれば幸いです。

 しばらく観察していると、博士はモニターに映るヘッドバードの目を指さしながらこう話し始めました。



「この大きな瞳は普通の鳥類とは違い、夜でも遠い場所まで見ることができます。

 ですからヘッドバードたちは、昼夜問わず走り続けることができ、そのせいで長距離トラックなど夜通し移動をする必要がある車両などとの衝突事故が頻発することになります」



 モンスターの中には昼夜を問わずに活動し続けるモンスターもいます。ヘッドバードもそのうちの一種で、大きな瞳により暗闇をしっかりと見渡すことができ、移動に支障はきたさないというのです。

 まあ、もともと見えていてもいなくても障害物をよける気が無いのですから、意味があるのか疑問になってしまいますが。


 さらに、ヘッドバードは走りながらでも眠ることができます。寝ながら走るわけですからまっすぐ走ることはできず、寝ている個体は蛇行して走ることになり、他の仲間とぶつかったりして大事故になることもままあります。

 ちなみにこの際、ぶつかった個体同士はだいたい死亡するか、足を折って走れなくなり、そのまま餓死します。


 昼も夜も構わず走れるというのに、結局は事故に繋がる要因ばかり持っているヘッドバード。

 少しばかり、憐れみを覚えてしまいますね。



「もうひとつ、彼らの生態で目を引くのは食糧の確保方法です」



 ヘッドバードは長い足の上に楕円形の体が乗っているという体型です。

 他の動物やモンスターのように首が存在していないので、嘴のある位置から極端に上や下にある食べ物を食べることはできません。ですから彼らは、自分の嘴がある場所……おおよそ2m前後にあるものを主食としています。

 もちろん、屈むことで多少低い位置にあるものを食べることはできますが、走ることに特化した彼らの足は、私たち人間のようにしっかりと膝を折ることができず、どれだけ頑張っても1m30㎝くらいの位置が限界です。



「嘴で食べることができる位置が極めて限られている彼らの主食は、草や木の葉ではなく、鳥なんです」



 鳥というのは、当然ながら飛んでいる野鳥を指しています。

 ですがもちろん滑空ができるからといって、せいぜい3mほどしか浮かぶことができないヘッドバードたちが、空を飛ぶ鳥を狩猟することができるとは思えません。

 そんな彼らがどうやって鳥を狩り、食べることができるのでしょうか。



「もちろん、空を飛んでいる鳥を直接狩って食べるわけではないですよ。

 ヘッドバードが狙うのは地上にいる鳥が飛び立つ瞬間……そこに突進して大きな嘴で捉えるわけです」



 非常に高速で突進することができるヘッドバード。

 だからこそできる彼らなりの狩猟方法、それは地面に降りて虫などを食べている鳥が、足音に驚いて飛び立った時に大きく嘴を開けながらそこに突進することで捉えるというものでした。

 もちろん狙って食べるという器用なことはできませんから、嘴の中に鳥が入るかどうかは完全に運次第です。

 運任せな方法ではありますが、ヘッドバードにとっては一番労力が少なく、走りながら狩猟することができるため、生態に沿った方法であるのも確かです。



「一応、飛び立つ時だけでなく餌を捉えるために低空飛行をしている鳥を食べる時や、ジャンプしたディグラビットを食べる場合もあります。まあ、いうなれば嘴を開いた時にその位置に獲物がいれば、すかさず食べるという感じですかね」



 ヘッドバードの狩猟は、嘴の位置に獲物がいれば口を開けて捉えるというのが基本です。

 1日のほとんどを走り回っているヘッドバードは、それに伴って必要となるカロリーや魔力も膨大となるでしょう。そんな運任せな狩猟方法で、果たして必要となるカロリーを賄うことができるのでしょうか。






お読みいただき、ありがとうございます。

その4へ続きます。


※誤字脱字などありましたら、感想などでご指摘ください。

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