特別回『次元融合の前後で変わった世界6』
この小説に目を留めていただきありがとうございます。
皆様の暇つぶしになれば幸いです。
そしてもう一つ、大きな躍進の手助けとなったのがトレバー博士による魔力砲の発明です。
結界は中型――シルバーベアくらいまでの大きさのモンスターならば、どんな攻撃をされても平気な強度を持っています。しかしそれ以上の大きさとなると話は別です。
特にドラゴンの突進ともなれば、それこそ一撃で破壊されてしまいます。
ですが、大型モンスターの討伐はこの当時ではほぼ不可能とされていました。
戦闘機はほぼ壊れているため使えず、制空権を失っていたからです。そのため、大型モンスターが出現した際には戦車などを総動員して撃退していましたが、次元融合から20年という月日により、その方法もだんだんと難しくなっていました。
そこに登場したのがトレバー博士の発明した、魔力があればいつでも使える魔力砲なのです。
魔力砲は魔力を込めることで威力が増していくため、強大な魔力を込めればドラゴンですら一撃で葬ることができる兵器。さらに魔力を込めなければ暴発の心配もなく、安全に運用することができるのも利点のひとつでした。
これによって今まで撃退できれば御の字、襲われれば甚大な被害を受け入れるしかなかった大型モンスターの襲撃に対しても、明確な対抗手段を手に入れることができたのです。
人類はこの魔力砲を活用し、さらに生存圏を広げられるようになりました。
と、次元融合から20年が経過し、そこからようやく巻き返しの兆しが見え始めた人類。
しかしここで、一つの問題に突き当たります。
それはモンスターの生存域は、一定以上に狭まらないという事実です。
どれだけモンスターを駆逐して結界を置いたとしても、次の日にはそこにモンスターが発生している。これはどれだけ繰り返しても変わることのない法則でした。
この現象は、現在では『モンスター生息保存の法則』と呼ばれているものです。
モンスター生息保存の法則は、簡単に説明すれば「モンスターの生息域は、そのモンスターが必要としている範囲よりは狭くならない」という法則です。
全てのモンスターには自分たちの生命維持に必要な活動をする範囲が決まっています。
その範囲は多少狭くなることはあっても、生命維持が困難になるほど狭くなるということはありません。
つまりどれだけ人類が生存範囲を広げようとしても、必ず限界が訪れるということになります。
モンスターを完全に絶滅させることはできません。これは現在、さまざまな実験によって証明されている事実です。
ですから、人類とモンスターはお互いの生存圏をうまく折半しなくてはいけなくなりました。
この調整には非常に時間がかかり、今我々が暮らしているような街ができたのは次元融合から50年が経過した頃でした。
モンスターの生存圏と、人類の生活圏が重ならないギリギリまで結界を広げ、それを広げていく。この作業を30年ほどで完成させたのは、人類の賢さと必死さによるものでしょう。
こうして、次元融合より50年で人類は今の私たちが暮らす場所の基盤を作り上げました。
安定して暮らせる場所を手に入れた人類は、魔力炉の改良や新しい魔法の開発など、更なる発展を見せていきます。その中には、周囲のマナを使うのではなくモンスターの素材を使った魔力炉の運用法なども含まれます。
もちろん、旧魔歴に使われていたコンクリートや自動車など、さまざまな旧文明のテクノロジーもまた、この現在に至るまでに再び使用可能となっており、使われ方は違っていますが現在でも多くの人が使っています。
次元融合という人類絶滅の危機から200年余り。
人々はモンスターという新しい生物、そして魔力というエネルギーとうまく向き合う術を発展させてきました。それは現在にも受け継がれ、この世界モンスター紀行などでも活かされています。
人類の無知から起きた大事件――次元融合。
その前後で大きく変わってしまった世界には、このような歴史があったのでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
作者のラモンと申します。
今回は特別回として、世界観の説明となりました。
ちょっと専門用語もありましたが、分かりやすく解説できていたでしょうか。
感想などいただけると嬉しいです。
それではまた、次回でお会いしましょう。
ラモンでした。
※何度も書き直し、書き足しを行っているため、内容がおかしな場所があるかもしれません。
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